敬意を払うべき映画の一本なのは間違いない。
サイレント(素晴らしい劇伴は付く)でありながら驚嘆すべき表現力を持つ。そして考えさせられる。宗教がしばしば人類の厄介者になっているのではないかといこと。そし>>続きを読む
踊りたくて身体が揺れてくる。
インドのテイストも感じるしアラブのようでも、カチャーシーのようでもあるジプシー音楽。今はロマという。
この流浪の民は土着の人達に嫌われることが多いようで、この映画の中でも>>続きを読む
ライカートは二人の男の配役を彼らの美声で決めたのではないか。クッキーと中国人、ともに穏やかで心地の良い話し方をする。その声のトーンが象徴するように概ね穏やかな映画である。穏やかに流れていく時間の中に見>>続きを読む
ひとりで暮らす初老の男(初老というのがピッタリくる)。早朝、公衆トイレ清掃の仕事に出かけるためにアパートの玄関を出て、習慣のようににっこりと空を仰ぐ。孤独で寡黙であるにしても、この男の心は豊かなのだ。>>続きを読む
舞台となるオレゴンのポートランドがアートの盛んな場所だということを知るのも映画を見る楽しみの一つになる。
芸術家といわれると、私は無条件に一目置いてしまう。しかしこの映画では陶彫家である主人公を、町の>>続きを読む
非常な戸惑いを持って一応は最後まで集中して見た。これは、役者の仕事がどんなものであるか、映画を見る観衆に教えてくれる教材だ。比喩ではなく文字どうりの意味でそうだ。
ちゃんとそれをやる為にちゃんとした繊>>続きを読む
コトの発端となる、序章のドタバタがたいへん好きだ。この不謹慎、悪趣味なスプラッタコメディ?を大騒ぎの大喜びでやるスタッフ達、俳優達の姿が目に浮かぶ。
以前はあまり魅力を感じなかった香港が今は行ってみたいと思うようになった。それはいろんな映画で香港を見ることの影響が大きい。高層ビルとネオン煌びやかな繁華街の裏に存在する影、スラム。中国の映画でヤク中の>>続きを読む
菅野監督の映像と音楽のセンスが際立つ。
全編を見ると少し過ぎるかと感じてしまう。だが、チェロの音色や飛行機雲のショットに引き寄せられたクチだ。
人の死後もその意識は消滅せず集まる場所が存在する。それを>>続きを読む
グルメ映画というジャンルがあるのか知らないがおそらく新境地を行っている。まあ、ジャンル映画と呼ぶのは違う気がする。ジャンルに収まるような規格ものではない。
登場する何皿もの目の潰れそうな料理のショット>>続きを読む
ディズニーの周年にふさわしい祝祭ムード満点のアニメーション映画だ。エンドロールのフォントに至るまでの全てが上質で見飽きることがない。楽曲においては「星に願いを」とは全く性格の異なる掴み取る系の「この願>>続きを読む
ムエタイシーンは生き生きとして良かったのに、その後マーベル映画みたいになると何もかも見劣りして見えてしまう。キャストはいいし方向性を変えればいくらでも面白くなりそうに思われるが、どうしてもマーベルをや>>続きを読む
この映画は表に現れない制作プロセスにおいて大きな意味があるという。
自然な表現による作品を制作するとき、プロではない人をキャスティングする。見るものの心を動かすような作為的でない演技を求め、何かを仕掛>>続きを読む
困難に遭いながらも懸命に生きようとする労働者たちへの応援歌的作品だ。ダメな奴は出てきても嫌な奴は出てこない。気持ちを前向きにしてくれる良作だ。
モノクロサイレント映画の手法をわざわざ使って撮った意味が私にはよく分からない。主題をデフォルメすることで送り手の意図を間違い無く受け手に伝えるには良いだろうが、映像表現の溢れる今にあってはどうだろう。>>続きを読む
2023年においてこのような古風な映画が制作され、そして高く評価されていることに驚く。いい大人が、それも北欧の互いに気のある男女が握手とチュウでキメる抑制加減がとてもいい。ひと回りして原点回帰したよう>>続きを読む
フランスの法廷が現在でもこのような演劇的空間なら小っ恥ずかしい。大げさな修辞の弁舌が西洋の伝統なのかずいぶんコッテリとしたものだ。
映画の手法はあっさりとしている。基本的に法廷内の発言のみで構成される>>続きを読む
ベトナムの地方を舞台としたこの作品はスローフィルムの心地よさの極みだ。東南アジアの幽玄をスクリーンに映して見せ、音で空気を伝える。どこか溝口映画を見ているようでもある。
きっちりストーリーを紡ぐなんて>>続きを読む
たけしの全盛期を知る者に通用する魔法が、40年経ってそれを知らない層がどう見るか?追従する浅野や大森が背中で笑ってくれるベタなギャグを、20代の歴女ならまじめにやれ!と一喝するだろう。だから、我々のよ>>続きを読む
劇場で見たことで、これまで感じ取れていなかったたくさんの気付きを得た。周到に練られた撮影や脚本に仕込まれた二重三重の企みを、発見する度にグッジョブ!と呟く。
しかし、西川氏はいかにして中年に差し掛かる>>続きを読む
控えめな作品という印象だが、アルドの鋭く強い言葉が心に残る。そして偏見の無い目で真実を汲み取り、自らの信念に従ってアルドの支援に回るヤサグレ記者のエンニオが静かに熱い。
エットレの母親の印象がどうして>>続きを読む
日本に住むものにとって非日常の極みである戦場を、非情なリアリティを持ってスクリーンに現してみせる。銃弾の雨にバタバタと斃れながらも銃剣を付けて突撃する歩兵の決死の進軍。人に向かって放たれる砲弾の恐怖。>>続きを読む
面白かったが想像していたものとは違った。
サイコ同士のガチバトル三番勝負くらいがいいのになーと思う。タイトルが秀逸だったので期待してしまった。
正直なところブスッとして見ていた。
ところが、出ているのを知らなかったエレンバースティンが登場するくだりでカチッとスイッチが入り、そして泣きそうになる。なんと偉大な第一作だろうか。50年の時を経てなお>>続きを読む
パワーアップしている!
見落とした小ネタを拾うために再鑑賞したいほどだ。最近で一番楽しませてくれた映画なのは間違いない。配信で前作を見てから臨んだ方がいい。
しかし、私はなぜ笑いながら泣いているのだ
タイトルのことは、バッファロー(猛牛)’79や、タイガー(虎)’85 くらいのニュアンスだろうか。
物語はバッファローのフットボールチームがチャンピオンになった66年でなく、主人公ビリーがムショを出て>>続きを読む
このぬるい映画は自分が好んでよく観ているテレ東深夜ドラマみたいだ。作者の願望が描き出すアパートの住人たちはことごとく幸福そうに見える。ユリは常に猫を抱いて、ヒマを持て余すスウェパンの貴婦人のようだ。>>続きを読む
Ⅱで物語は香港クライムサーガの様相を帯び、大河のごとき格調を醸し出す。見るのが二度目であっても驚かされる脚本は見事過ぎる。本作ではアンディラウもトニーレオンも出演していないのに「役者が揃った」感の強さ>>続きを読む
ジャンルはサイコサスペンスへと移行し、男が新たに登場する。ヤン、ウォン、サムらのファンへのサービスは抜かりなく、まだ生きて存在するかのように画面に出てくる。
完結しないで欲しいと駄々をこねたい人は私以>>続きを読む
大スクリーンと音のいい施設で見るべし!
今回モトコより、グリコが主役と言っていいだろう。前作を見ているに越したことはないが、画像の力がすごいので十分に楽しいはずだ。
CG版の違和感が無くなった
タイムリーというべきか、武装集団に拉致され、その後救出された日本人男性の現在を追うドキュメントがNHKで放映された。不幸にも殺害された事件もあった。その時のニュースを見てホッとしたりショックを受けた記>>続きを読む
ライクーダのサントラが本作との出会いで、カセットテープかMDに入れて聞いていた。このたびはじめて映画を見てバグダッドカフェとの類似点を強く感じた。ドイツの人はアメリカの荒地に興味を持つのだろうか。
ナ>>続きを読む
面白かったのに、雑なくらい性急にお話が畳まれてしまった。映画一本に収めるよりはドラマにしてじっくり描くのが良さそうだが、そんな時代ではないのかな
自分以外にもうひとり見ていたはずだが、明るくなって振り>>続きを読む
邦題の補助線がなければ、うっかりと流してしまうところだった愚かな自分である
もう一度見れば見えかたが変わってきそうな作品である
イチャンドンの世界は深い
私の見ていた鬼太郎とは、まるっきり別物だ
ファンの層が厚すぎてどこを狙えばよいかわからなかったろう。
搾りかすのようになったユーレイ族や、醜くなってしまったゲゲゲの女房などで水木しげるの絵とわかるくら>>続きを読む
ほとんど日本語セリフによる韓国映画
難度の高いチャレンジをよくやったと思うが、であれば日本人俳優を使ったほうが良かったのではと思ってしまう。
好きな俳優達が見れていいんだけど。
みんな、日本を嫌いにな>>続きを読む