六四二さんの映画レビュー・感想・評価 - 6ページ目

六四二

六四二

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はこぶね(2022年製作の映画)

3.8

他の作品と一線を画す感があるのは、イキらず、腐らず、主張せず、淡々と境遇を受け入れている西村の人物造形かと思う。映画内で見るザ・日本人として誠に自然であり、海外の人に見てほしいと思う。その人物像が木村>>続きを読む

1秒先の彼女(2020年製作の映画)

4.1

同じプロットでも日本版とは全く違う印象を受ける。楽しくて切なくてほっとする。
1秒遅れる男の情けなさとダメなところ。それは法的にも、男性としても、職業人としてもそうなのだが、たまらなく愛おしい。

キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩(2021年製作の映画)

3.4

独ロに蹂躙され続けるウクライナWW2の時代のお話は、サウンドオブミュージックのようなのを想像していたが全く違い、シリアスで悲しいものだった。
最後の感動的なシーンの後、エンドロールでずっこける。

アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

4.0

お見事!目のご馳走有り難うございます
何段落ち? といいたくなる
JBのライブパフォーマンスのごとくである

ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.3

多数の映画の名アクションシーンをオマージュしているようで楽しい。今回の脚本はイーサンが輝かしく活躍していたITC全盛前の縛りがあり、自分に分がある土俵にライバル達を引きずり込むよう仕掛けている。
60
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神回(2023年製作の映画)

3.5

600万番まである変奏曲を演じ続ける地獄
理由づけは必要ないと思う
人の集まる場所にその人達の歴史が留まっているということを感覚的に見せてくれる手法が映画において新鮮で感動的だった

CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.7

レオの存在感がとてつもなく強い作品だが、中学校のひとつのクラスの一年のストーリーでもある。互いの自己紹介から始まり、クラスメイトが自然と親密になっていく様子がドキュメンタリータッチで綴られる。どちらか>>続きを読む

星くずの片隅で(2022年製作の映画)

4.0

”コロナ禍”の香港の市井の人であるザクが、自身がひとりで経営する小さな清掃会社に、かわい過ぎる子持ち女子を雇い入れることになった。
生活に困窮する設定だがそうは見えない。
盗癖があり、誠実とは言えない
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豚が井戸に落ちた日(1996年製作の映画)

3.8

97年のホンサンス作品
何か意味ありげなものが映り込んでいたり、人物に対するアイロニカルな目はホンサンスらしい。哀愁漂う性交のショットはホンサンスが映したいものを代表しているように思われる。

To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

4.3

実にアメリカらしい、骨太で力強い映画だ。主演のアンドレアの鬼気迫る演技は魂を削っているかのようだ。後半、ずっと祈るような気持ちで見ていた。
劇場に足を運んで損はない。

サントメール ある被告(2022年製作の映画)

4.2

監督がセネガル系フランス人ということが大きく作品に影響しているのは間違いない。アフリカ系の人物を物語の柱にし、その内面をこれほど繊細かつシリアスにとらえた作品を初めて見たかもしれない。

メランコリア(2011年製作の映画)

4.2

幼少期に見ていたらトラウマになるだろう。第二部が怖い。神の視点に立てばひとつの天体ショーに過ぎないかもしれないが、人類にとっては逃れられない破滅。トリスタンとイゾルデがその破滅のバックグラウンドミュー>>続きを読む

テクノブラザーズ(2022年製作の映画)

3.4

Kraft Workか、ブルースブラザースかというルックの人達が初期テクノポップを演奏する機会を求めて東京都に移動しようとしている。ロードムービーのていだが、栃木県大田原近辺を出ないところが笑える。>>続きを読む

PARALLEL(2021年製作の映画)

3.4

痛いのや怖いのが苦手な自分には淡白な演出で救われた。この映画はホラーとしてもポリティカルな面でもハードな作りではなく、気楽に見て楽しむ映画だ。
若い男性がコスチュームをつけ、面をかぶって自分の好きな2
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遠いところ(2022年製作の映画)

3.5

なんもかんも嫌になり、逃げる先を考えた時にイメージする場所であるオキナワ。オキナワの大括りで楽園を思い描くのは勝手な妄想だとわかる。コザで生き辛いことになっている子持ちのティーンエージャーを通してそれ>>続きを読む

Pearl パール(2022年製作の映画)

3.5

ジュラシックパール!
ロックオンした獲物に向かって疾走し徐々に距離を詰めて迫るとても怖いシーン。撮影が見事だ。
狩る側はT-REXならぬ、気がふれた天地真理である。退廃的な悦楽の映画を供給し続けてくれ
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1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.2

切ないロマンス映画になりそうなのに期待したものを見ることはできなかった。そもそもこの脚本家の苦手な分野ではないか。
キャスト、クリエーターに人気の高い人たちを起用した結果、"お見合い"をしてしまったと
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モダンかアナーキー(2023年製作の映画)

3.6

不思議な映画である。見ていてイライラが募り不快な感情が湧いてくる。しかし毒が回ったように見た後もずっと残る何かがある。そこに作者の力量の高さを感じる。
見て不快になる原因は題名にもあるアナーキー的な若
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小説家の映画(2022年製作の映画)

3.7

映画は観客のものというし、勝手な解釈を述べる。
今回、小説家役イヘヨンの一挙手一投足から目が離せない。どうしても漏れ出してしまう尊大さ。漏れてますとも言えず、「カリスマ性がありますね。」と周りに言わせ
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ラヴ・ストリームス(1983年製作の映画)

4.0

ジョンカサベテスは複数の女を周りに侍らせて、仙石イエスのような暮らしをしている。金や名声だけではなく愛情で繋がっているところが憎めない。
姉は姉で家庭が崩壊してジョンのところに身を寄せる問題児。ジーナ
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

4.0

ハリソンフォードが自身で演るインディーは見納めかもしれないと思いつつIMAXで見た。シリーズを畳みにかかったのであればふさわしい内容だったと思う。過去作で特に印象に残るシーンのオマージュを随所で見せて>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

3.5

シカゴを大音量で聴くブルースもまたよし。反抗期の中学生のようでひねくれ方が健康的だ。
クリストファーリーブがスクリーンに映ったときはグッときた!

祈り(1967年製作の映画)

4.0

個人を殺しにかかる集団の圧力に関してアブラゼ監督は相当強い恨みを感じているようだ。それは祈り三部作に通底しており、祈り三部作の一作目「祈り」では中世にさかのぼってその不条理さを糾弾している。
そういう
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カンウォンドの恋(1998年製作の映画)

3.7

途中、失神していた時間もあったが、大方は見た。
何を仕掛けてくるかわからないのがホンサンスの楽しみだが、パターンは感じられる。
突然の感情爆発、しょーもない会話、下ネタトークの挿入、絵にならない絵での
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.3

軽いノリで突っ走るラノベ的作品。
このシチュエーションの発明はいろんな可能性に繋がるだろう。良い意味の二番煎じが見たい。
場所については貴船でないほうが良いのではという感想になる。場所にこだわるなら完
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オープニング・ナイト(1978年製作の映画)

4.2

若さの魔法が解けた花形舞台女優が抱える壮絶なプレッシャーと矜恃をジーナローランズが見せる。見る側は実際の彼女と重ねることで映画の世界にどっぷり引き込まれてしまう。
舞台初日、見る我々も仲間やスタッフ、
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無情の世界(2023年製作の映画)

4.0

僭越ながら、これは掘り出し物ではないか。最近の上映作のなかでイチ推ししたい。
3つともいいが、特に3つめの「あなたと私の二人だけの世界」に漂い続けるおかしみ。役者陣の持ち味と演技が相まってずいぶん笑わ
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リトル・マーメイド(2023年製作の映画)

3.8

コーラルの群生する海中をアリエルが行くCGがとても楽しい。カリブ海だろうか?そのような暖かい海なら褐色の肌の俳優がふさわしく思える。ハリーベイリーはとても本作に合っていた。
アリエルはタコ女からバラク
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クレアのカメラ(2017年製作の映画)

3.9

なんというカンヌの使い方かと思ってしまう。世界一私的に映画を使うホンサンスらしい。
映画の仕事でカンヌに来ている韓国人の社長が一緒に来ていた部下に対し、唐突に クビを言い渡した。当然、なぜ?ということ
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アメリカの影(1959年製作の映画)

3.8

50〜60年のニューヨークの雰囲気に浸ることができる。なんといってもマンハッタンで登場人物が写るモノクローム映像のバックに流れるサックスは、スクリーンミュージックの最高峰ではないかと思った。
このマリ
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チャイニーズ・ブッキーを殺した男(1976年製作の映画)

4.2

主演のベンギャザラは故人だが、素晴らしい俳優さんだと思った。自分が経営する今で言えばショーパブとでもいうのか、それが生きがいという設定がすごくいい。
カサベテスの映画に出てくる人物は問題を抱えてはいて
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こわれゆく女(1974年製作の映画)

4.3

ジーナローランズの、笑ってしまうほどのコワレ演技に驚嘆する。お気に入りのシーンは精神科医をバンパイアと思い込むところだ。お笑いのコントネタのようで、最高におかしい。ピーターフォークが強引に子供を連れて>>続きを読む

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

3.7

ノーウェイホームやいくつかのものは見たがキャラクターやシリーズに思い入れがない人間です。
ストーリーや台詞回しは置いといて、映像表現として固有のものを目指していると思って見ました。
ドラッグに近い体験
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氷の微笑 4K 30周年記念レストア版(1992年製作の映画)

4.5

久しぶりに見たら、メチャクチャ面白い。
シャロンストーンが仕掛けるキス我慢、マイケルダグラスは耐えられるのかー?
当時とはものの見方が変わり事件の真相が違って見えた。見に行って損はない。

遺灰は語る(2022年製作の映画)

3.6

ノーベル賞を受賞したイタリアの文筆家、ピランデッロが遺灰になって故郷シチリアへ帰る。その旅の様子がモノクロの映像でユーモラスに綴られる。そういえば戦時中、日独伊は同盟国だったけと思いだしたりする。米伊>>続きを読む

兵馬俑の城(2021年製作の映画)

3.0

ライオン少年が気に入ったので中国CGアニメである本作も見た。兵馬俑の質感がすごくよく表現されているがそいつらの動かし方があまり面白くない。
お話としては鉛の兵隊のようなのを期待したのだが…