yawaraさんの映画レビュー・感想・評価

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メメント(2000年製作の映画)

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圧倒的体験。鑑賞した人は誰しもが失われた記憶を追い求めてしまうだろう。

バグダッド・カフェ(1987年製作の映画)

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誰かに諭されたり、あるいは説教されたりしても、自身の内側から湧き出る気持ちがない限り人というのはそんなにたやすく変わるものではない。
はじめは水と油のように感じていたふたりの関係性が変わっていく様子に
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グランツーリスモ(2023年製作の映画)

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言うことなし。心が熱くなるようなエンターテイメント。
ブロムカンプらしいメカフェチも過不足なくレース描写に活かされている。

愛がなんだ(2018年製作の映画)

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実際のところ人間関係はこのくらいふわふわしたものだろうな、というふうに感じた。今泉監督作品は会話の自然さや物事に白黒つけない姿勢にすごく好感が持てる。

僕を育ててくれたテンダー・バー(2021年製作の映画)

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懐かしさと温かみに溢れた作品。「生まれや境遇はどうであれ、居場所と生き方は自分で決めていい」という教訓を描きながらも、押し付けがましくない自然な感じが心地良い。

ピアノ・レッスン(1993年製作の映画)

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ただただ圧巻。人間らしさを残酷に、独特な美学と共に描いた世界観に没頭。

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)

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「受け入れがたいものを無理やり押し込めていく」という心理的に非常に辛い状況がエスカレートしていく様を、つぶさなビジュアルで表現していく手腕が見事。自らの過去と向き合い、踏み出していくプロットにも深く頷>>続きを読む

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

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人物像やエピソードの膨らませ方が弱いように感じた。その一方で説明過多なところがあり、非常にバランスが悪い。
また、不快な描写にはそれとセットで某かの因果関係がほしい。これだけ見せていて「単なる悪人でし
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

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パニックホラーと思わせながら案外に社会派で、そこかしこに転がるユーモアのセンスがいい。
プロットもよく練られていて点と点が繋がるプロセスが面白い。こういったタイプの作品で終始ワクワクする感覚は久々。

残酷で異常(2014年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

タイトルと描いているテーマのギャップに唸ってしまう。
物語はバッドエンドを匂わせながら進んでいくが、意外な方向へと転がる。
アイデアをまとめ上げ、ドラマチックに仕上げた胆力に驚くばかり。

スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

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終始暗く重く盛り上がりに欠ける展開に疑問符が浮かんでしまった。
特に気になったのは登場人物みんなが不幸になるという筋書きにまるまる一作かけてしまう不健全さ。それに付き合わされるキャラクターがあまりに不
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

4.5

「辛いという字に一筆加えれば幸せとなり、ふたつの感情はとても近いところにある」といった旨の言葉が強く心に残る。

こだわり抜いたルックで昭和のテイストも再現されるが、物語の語り口には哲学的な香りも強く
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イリュージョニスト(2010年製作の映画)

4.5

ロックバンドとの比較は大衆の興味の移り変わりを端的に示している。水モノ、とはよく言ったものである。
作品を通して眺める彼の人生は楽観的なものとは言い難いが、ユーモア溢れる描写と物語の行き着く先には、優
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桜桃の味(1997年製作の映画)

4.0

バックボーンを感じさせながら、説明過多にならない。そんなバランス感覚がとても心地よい映画だった。
美しいだけでなくて、どこか寂しいような、それでいて力強く、作品の内包しているメッセージを物語る映像表現
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とんび(2022年製作の映画)

4.0

こういった物語は主要人物の苦労自慢になりがちだが、この作品においては、世界観が持つ豊かさがそう感じさせない。時間の流れの中で変化していく様々なことに深みがあり、特に旭の成長はまるで親になって見守るよう>>続きを読む

ユメ十夜(2007年製作の映画)

2.0

第一夜と第二夜は楽しめた。この二つだけのショートフィルムとしての公開ならなかなか良かったのかも。
オムニバスとして見ればそれ以降の質が酷い。

ジョゼと虎と魚たち(2020年製作の映画)

2.0

あまりに雑な主要キャラクターの扱いに、終始辟易してしまった。印象付けがおざなりになっているため、互いに惹かれる理由が判然としない。これはエピソードの冗長さがもたらしているように感じる。そのくせそれぞれ>>続きを読む

ひとよ(2019年製作の映画)

4.5

15年間両親なしに暮らしてきた子どもたちと、その元へ戻った母親。様々な出来事を通して彼らの間にある複雑な感情を描き出す。

終始落ち着いたトーンで繰り広げられる、そのウィットに富んだリアルな人間模様が
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3時10分、決断のとき(2007年製作の映画)

5.0

囚人護送の歴程にて、護送される当の本人である強盗の頭目と不具のカウボーイの間に形成されていくある種のシンパシーを描き出す。リメイク作だが、原作は未見。

簡素な言葉のやり取りで、バックボーンを強く訴え
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グレイマン(2022年製作の映画)

2.0

何を描きたいのかが伝わってこなかった。娯楽作に振り切るなら結構だが、この作品には爽快さがない。うるさいだけで美学も感じなかった。気分が乗らないので数々のオマージュも癪に障る。
とにかくシーンを詰め込ま
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リアリティのダンス(2013年製作の映画)

4.0

あまりの奇抜さに笑う所かどうか迷うような箇所が何度もあったが、徐々に世界観にアジャストできた。シュールさに覆い隠されてはいるが、幼いホドロフスキーと彼の家族、さらには国や時代が抱える様々な問題はなかな>>続きを読む

きみと、波にのれたら(2019年製作の映画)

3.8

波乗りに明け暮れる女性が大事な人との別れを経験して、その悲しみと向き合いながら自己実現していく。

アニメらしくない、という点では旧来のアニメ映画ファンにはなかなか受け入れ難い作りのように見える。しか
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台風クラブ(1985年製作の映画)

1.4

若者の無軌道なエネルギーを表したいという挑戦意欲は感じるが、支離滅裂以外の何も拾えなかった。音や絵にこだわりがなく、不快さに終始付き纏われた。作品として体をなしていない。

オールド(2021年製作の映画)

1.3

同じような展開を何度も繰り返すため、見終わるとかなり食傷気味。時間のギミックもぜんぜん有効活用されていない。

ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

5.0

都会で忙しく暮らす男が故郷からとある知人の訃報を受け、彼との思い出に耽る。

映画を通して多くの時間を共有した彼らには、友情という言葉では言い表せない深い絆があるように思う。小言を言えば、弱音も吐き、
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袋小路(1965年製作の映画)

2.0

起こっていることはわかるが、ストレートすぎるというか馬鹿正直というか…。多少含みを持たせた描写に寄せればもっと味わい深い作品となったのでは。エキセントリックなキャラクター性に頼りすぎていて、ポランスキ>>続きを読む

許されざる者(1992年製作の映画)

4.0

隠居したひとりのアウトローの生き様を、賞金稼ぎの遠征を通して描き出す。

静けさを湛えたいぶし銀の作りが最高に男臭い。あらゆる描写にリアリティが溢れており、自分が生きている世界との地続き感がある。また
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阿修羅城の瞳(2005年製作の映画)

1.0

美術も撮影も、テンポも悪い。緊張感がなく間が抜けている。2時間鑑賞するのは厳しい。

16ブロック(2006年製作の映画)

4.4

酒飲みのやさぐれた警官が一人の青年の護送を請け負う。たった16ブロック先までの簡単な仕事のはずだったが、隠蔽体質の"主力組"は青年が目撃した事実とその証言をもみ消そうとする。

ジャックの銃撃から最後
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ライトハウス(2019年製作の映画)

4.5

孤島の灯台を舞台に、二人の男が次第に対立していく様子を描く。

驚くのはその不気味なルックである。狭く薄暗い画面は情報量が限られていて、鑑賞者に閉塞感と恐怖感を与える。限られた情報を補うのが独特な音響
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野性の呼び声(2020年製作の映画)

4.0

人に飼われる立場には馴染めなかった犬が、さまざまな出来事を通じて自分の意思と内なる野生に目覚めていく。

演出がかなりディズニー的エンタメに振り切った作りで、非常に見やすい。感情表現などやや誇張が強い
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斬、(2018年製作の映画)

4.5

人を斬るとはどういうことかを克明に綴る。

終始その臨場感に圧倒された。
都筑の葛藤の根幹は斬られる恐怖心ではなく、命のやり取りそのものに対する迷い。真剣に対して棒きれで立ち向かってしまう無謀さにこれ
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食堂かたつむり(2010年製作の映画)

2.0

この作品の不快さは描こうとしている物と実際に見えている物のギャップに起因しているのではないだろうか。
「心温まる牧歌的な物語」として描くには、あまりに人間の持つ不浄さがはっきりと描かれすぎている。
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グッド・シェパード(2006年製作の映画)

2.8

脚色が足りないのかすこし硬派が行き過ぎていて、アメリカとロシアの関係やCIAの働きなどに疎い人はお断りといった空気が漂っている。少し歴史を勉強したら再挑戦したい。

ドリームキャッチャー(2003年製作の映画)

3.0

少年時代の回想がノスタルジック。現在の彼らをうまく補完している点もいい。
構成はあまりうまくなく、とっ散らかっている。頻出する記憶の倉庫の描写はあまり効果的に働いていない。むしろ回想シーンとうまく対応
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あゝ、荒野 後篇(2017年製作の映画)

3.0

キャラクターの掘り下げが丁寧で、展開されるドラマも縦軸横軸をよく機能させていた。ただ、前後編に分けるほどの内容かは疑問が残る。自殺防止フェスのくだりが物語の大筋に寄与していないように思い、関連するエピ>>続きを読む

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