佐藤さんの映画レビュー・感想・評価

佐藤

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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.6

役所広司が演じる平山は東京・渋谷で働く公衆トイレの清掃員。早朝、外で掃除をする老婆の箒をはく音で目を覚まし、仕事に向かう支度をすませ玄関のドアを開ける。外に出た瞬間彼は空を見上げ、ほのかに笑みを浮か>>続きを読む

バッファロー’66(1998年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

常に感情に任せて怒鳴ったり泣き喚くヘタレで不器用なビリー。しかし、話が進むにつれて彼に対してどこか同情を覚えてしまう。まだ幼い頃の息子がチョコを食べてアレルギー反応を起こしたということすら覚えられて>>続きを読む

リリイ・シュシュのすべて(2001年製作の映画)

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ただただ美しく、残酷な映画...
言葉に表すのも気が引けるような、淡々と繰り広げられる絶望的な描写が強烈に印象に残る。頻繁に登場する青と緑の色彩豊かな田園と、その中に佇む演者の横顔の描写は邦画史に燦然
>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.7

ケイトブランシェットの美貌、そして狂気的な演技力があってこそ成立しているような映画であるというのがこの映画の第一の感想であった。指揮者としてのターの考えがくみ取れるかのような冒頭の対談シーンからは、指>>続きを読む

イングロリアス・バスターズ(2009年製作の映画)

4.5

第二次世界大戦時のナチスドイツ統治時代のフランスを舞台に、ユダヤ人のナチスに対する復讐を描いた痛快な戦争映画。タランティーノお得意の残虐ながらも爽快感あふれるガンアクションは今作でも多く登場し、2時間>>続きを読む

戦場のメリークリスマス(1983年製作の映画)

3.7

ローレンスの”誰も正しくなんかない”という言葉、物語を通して深く心に突き刺さった。他国からは狂ったように見える日本人の自己犠牲や武士不動の精神は、しょせん日本人の民族的な部分から培われた美学でしかない>>続きを読む

RRR(2022年製作の映画)

4.3

このレビューはネタバレを含みます

初インド映画。少年漫画のように努力・友情・勝利の3つを根底に置いた作品であり、喜怒哀楽が交差するビームとラーマの関係性は尊いものがあった。中盤では立場上の違いで対立しながらも、最終的にともに戦う時の無>>続きを読む

恋する惑星 4Kレストア版(1994年製作の映画)

4.1

男性陣、全員残念なイケメンで好き。フラれた後の金城武の例のシーンとか軽く狂気を感じた笑 だけど、返還前の香港の情景がリアルに描写されていて、当時の様子なんて全く知らない自分にはとても魅力的に映った。登>>続きを読む

家族の肖像(1974年製作の映画)

3.0

まだ自分にはこの映画は楽しめないのかもしれない。ストーリーに広がりを感じられなかったし、どの登場人物にもあまり感情移入することがなかった。10年後に観ればまた違った感想になるのか?絢爛豪華な家具と芸術>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

3.9

何気ない日常の尊さを痛感させられる。とても暖かくて、見終わった後の不思議とわいてくる高揚感。ジムジャームッシュの映画にはどれも共通してその2つが存在していると思う。仰々しい演出も盛り上がりどころも特に>>続きを読む

太陽を盗んだ男(1979年製作の映画)

4.2

70年代らしいモラルフル無視で作られた作品。目的も語られないまま原爆を作り出し、国家ごと脅迫する主人公は狂気そのもの。絶対に再放送はされないだろうが、邦画史に残る名作であることは間違いないと思った。爆>>続きを読む

ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

3.8

禁忌と欲望に揺れるマレンとリーの2人と、己の欲望のためなら禁忌を恐れないサリーの対比が印象的だった。自らがマイノリティであることを自覚しながらも懸命に生きる2人の姿は美しかった。ただ、その美しさも残酷>>続きを読む

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.6

鑑賞後2ヶ月たって、ようやく感想を書きます。過去2作と比較すると本作は相当アクティブで、ピュアな男女の恋愛を描いていた過去2作とは大きな差を感じました。随所でジブリの影響を感じたし、芹沢がドライブ中>>続きを読む

ベンジャミン・バトン 数奇な人生(2008年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

デヴィッドフィンチャーとブラピがコンビを組めば文句なしの傑作が生まれてしまう。ファイトクラブもそうだが、そういう感情になったのはこの映画を観てからであった。第一次世界大戦が終わった瞬間に何の運命か80>>続きを読む

ジョーカー(2019年製作の映画)

4.7

「僕に失う者なんて何もない。僕を傷つけるものなどもう何もない。僕の人生は喜劇に過ぎない。」
これほどまでに現代社会の闇を描き切った作品は初めて観た。劇中でのホアキンの演技は、かのダークナイトのヒースレ
>>続きを読む

ベイビー・ドライバー(2017年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

スピード感あふれる構成で中だるみも一切なく、気持ちいい映画だった!爽快なカーアクション、変な焦らしのない2人の恋愛劇、そして感動のラストまでの構成はとにかく素晴らしいです。過ちを犯しても、善の心を忘れ>>続きを読む

mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

4.5

居場所のない少年である主人公の葛藤、悪だけどかっこいい年上のスケボー仲間との絆、そして初めて自分が夢中になれるものを見つけた時の喜び。この映画には音楽、映画、ファッションなどジャンルは違えど、すべての>>続きを読む

ギミー・デンジャー(2016年製作の映画)

3.6

パンクのゴッドファーザー、イギーポップと彼が率いるバンド、The Stoogesの伝記的映画。ドアーズのジム・モリソンに憧れ、同世代のヴェルヴェット・アンダーグラウンドやMC5などの個性的なバンドに影>>続きを読む

デスプルーフ in グラインドハウス(2007年製作の映画)

4.1

終わり方が最高だと聞いたので見てみたら本当に最高。世の中にイラついてる女性が見たら本当にスッキリするんじゃないかな。低予算映画をオマージュした画質の悪さや途切れ途切れの映像も、映画オタクのタランティー>>続きを読む

トップガン マーヴェリック(2022年製作の映画)

4.7

映画館で観た中では最高クラスの体験だったと思う!これもIMAXの恩恵を最大クラスに受けられている作品の一つだし、1度それを体験してしまえば配信で見返しても満足できないほど。それほど、映画館で観るべき魅>>続きを読む

トップガン(1986年製作の映画)

3.9

80年代要素がコテコテに詰まった青春映画!マーヴェリックのために観たんだけど、手に汗握る戦闘機アクション、仲間の死を通して成長する主人公の姿など、日本の少年漫画にも通ずる映画のように思う。

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

思ったよりSF要素が強いように思えた。作品内でチンパンジーと正体不明の円盤の怪物を通して描かれているテーマは、“どちらも結局は得体の知れないものであり、制御することは不可能なのだ”ということなのではな>>続きを読む

ファニーゲーム(1997年製作の映画)

3.9

映画の予定調和とか一切関係ない。ただただ理不尽に一家が蹂躙されていくのを何も出来ずに眺めさせられているだけの映画。ここまで不快感と絶望感を煽る演出も珍しいと思う。嫌いって言いたいけど傑作なのが否定でき>>続きを読む

マイ・プライベート・アイダホ(1991年製作の映画)

3.8

初めから最後まで消えることのない、触れたら簡単に崩れ落ちてしまいそうなほどの輝きがこの映画の最大の魅力であろう。儚さ、切なさ、やさしさのすべてが詰まった映画はなかなか味わえないものだろうし、この映画は>>続きを読む

パーティで女の子に話しかけるには(2017年製作の映画)

4.1

パンクはもはや生まれた星すらも関係なく、思春期の若者のすべてを虜にするのだ!といったメッセージを感じられる作品。映画自体のつくりは少し雑に感じるけど、もはやそれすらもパンクだと片付けてしまえるほど。パ>>続きを読む

ロスト・イン・トランスレーション(2003年製作の映画)

4.2

東京を美しくも冷たく、どこか孤独を感じる街として描いた傑作。東京に住んだことがない人ほど共感できる映画なんじゃないかな。スカーレット・ヨハンソンの表情も、抑えきれない孤独感を巧みに表現していると思う。>>続きを読む

ストレンジャー・ザン・パラダイス(1984年製作の映画)

3.5

 これよりも少し後の作品(ナイトオンザプラネットやミステリートレイン)の作品がすごく好きで、最初期のジムジャームッシュ作品を気になって鑑賞してみたいと思ったのがきっかけである。映画自体は引き算の美学と>>続きを読む

タクシードライバー(1976年製作の映画)

3.8

街を歩いている時に、ふと周囲の人間全てにイラつくことがある。自らが住み、働く街をゴミ捨て場と言い放ち、タクシーの乗客である次期大統領候補にこの街を洗い流してくれと懇願するトラビスの気持ちは、個人的に>>続きを読む

キングダム2 遥かなる大地へ(2022年製作の映画)

3.7

もともと前作は劇場ではなく金曜ロードショーで鑑賞し、原作の圧倒的なスケール関の再現性の高さに感動していましたが、本作はよりそれがパワーアップしているように思えました。全く恐れずに戦場を駆ける信の姿も漫>>続きを読む

T2 トレインスポッティング(2017年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

とにかく痛快で、ヘロイン中毒の青年たちを描いた、どこか非現実的だった前作。打って変わり、続編である本作はとても対照的で、20年たってもまともな生活を送れない4人を描くとても現実的で、悲壮的な作品であっ>>続きを読む

シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

3.6

映画の構成自体は邦画の王道そのもので、起承転結がはっきりと描かれているなと思う。その分、クライマックスへの盛り上がり方は激熱で、なおかつ老若男女だれが見てもウルトラマンを応援したくなるような、そんな仕>>続きを読む

ミステリー・トレイン(1989年製作の映画)

4.2

永瀬正敏のジッポをつける仕草をはじめ、身振り手振りの一つ一つがかっこよすぎる。一生関わることの無い人達の何気ない日常を覗き見してる感覚になれるし、点と点が線になって繋がっていく脚本の完成度の高さにも感>>続きを読む

トレインスポッティング(1996年製作の映画)

4.5

どうしようもないほどの屑たちによる、90年代最高峰の陽気で悲惨な青春映画。人生で何回も見ることになるであろう映画の1つであり、5本の指に入るほど好きな映画の1つ。ファッション、音楽、ストーリーのどれを>>続きを読む

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