uncletkchanさんの映画レビュー・感想・評価

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プリシラ(2023年製作の映画)

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世界的スターとティーンの恋物語というストーリーだけ聞けばキラキラムービー感が漂うけれど、ソフィア・コッポラはそれを肯定することも否定することもなく、淡々と、どこかドライにも感じられるトーンで描く。
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悪は存在しない(2023年製作の映画)

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今っぽくリアルで身近な題材でシンプルなストーリーを紡ぎながら、そこにとても普遍的な社会の縮図を浮かび上がらせている。というのは、ある意味、それはそうなるだろうという事ではあるのだけど。

世界をレン
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青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)

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ドローンなのかクレーンなのかを多様して、重力なんてないかのように登場人物たちをクローズアップやワイドで自由自在に捉える映像は、確かに映えてはいたが、物語の抑揚を付けるという点では、効果的だったとは言
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

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アニメとは、エロと暴力という押井守のインタビューを読んではいたけど…

本質的に不健全で刹那的な間違っているタイプの人間として、後編は観にいくけど…

エンタメとして消化するにはとても重く、世界に対す
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.8


壮大な叙事詩を体感するのと同時に、ドゥニ・ヴィルヌーブという作家の変遷も目撃しているようで、パート1ではまだどこか新たな才能の大きな挑戦という側面があったように思えたが、本作ではもはや現代の巨匠によ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.5


スペクトラム、あるいはスペクトルという言葉が好き。

1人の人間としても、2人以上の人間の関係性においても、同じものを観察していてもその人や関係性を構成する要素は時と場合で大小あり、その連続体そのも
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.8


目には見えないけど、そこにある人と人との縁や運命。口では語らないけど、そこにある人への感情。

そういったものを丁寧に捉えていくものの、夢物語ではなく、リアリティある現代の一つのストーリーとして描か
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

5.0


優しい距離感だった。

それは主人公2人の関係性だけではなく、栗田科学の社員さんたちや周囲のキャラクターたち、カメラと被写体の距離感、映画とテーマとの距離感、そのすべてが、優しい距離感で、寄り添うけ
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

4.5


登場人物の顔がクローズアップになる度に、映画そのものと、そして人生の真実が語られるようで、その表情と言葉に魅入ってしまった。

劇中劇と本筋とそして自身の人生と、幾重にも重ねられた映画への希望と失望
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僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)

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いつからかすれ違うようになってしまった母と子。それぞれが、自身の閉ざされた世界(Safe HouseとYouTube)で成果を残し、崇められるような存在になってはいるものの、大事な何かが欠けていた。
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ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

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アクションシーンやコミカルなシーン、ストーリー展開のテンポやバランスはとても良かったが、カット割りや決め台詞、ジョークも漫画的?というかそのまま?で、実写長編映画を見ているという感じはしない。

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VORTEX ヴォルテックス(2021年製作の映画)

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画面分割された夫と妻が、それぞれ抱える老化と向き合いながら過ごす日々。バラバラの時間と、一緒に過ごす時間と、くっついたり、離れたり。そして二つの画面が重なる時のちょっとした安心感。

終始2カメで撮影
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オオカミの家(2018年製作の映画)

5.0


制作過程をインスタレーションとして見せながら、ストップモーションの行程もアニメーションに盛り込むという、映画を超えた新しいアートフォーム。

本作を誰が何の目的で制作したのかという設定は、ホラー映画
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

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西部劇であり、バディムービーでありながら、そこから想像し得る全てを裏切りつつも、そこに凝縮された人間社会への問いかけが、ただただ見事。

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

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俯瞰的な日常の描写の中に時々差し込まれる夢のようなコラージュかモンタージュのような映像が印象的で、それらが繋がっているようにも思えるラストの役所広司の表情。

主人公のルーチンのような日々がもしパー
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ポトフ 美食家と料理人(2023年製作の映画)

5.0

畑で収穫するシーンから始まり、調理し、食す。冒頭のこの一連の流れだけで完全に心を奪われてしまった。

リッチなのは食事のメニューだけではなく、調理器具などの小道具、ロケーション、フォリー、キャストとそ
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Saltburn(2023年製作の映画)

4.5

バリー・コーガンのバリー・コーガンによるバリー・コーガン(ファン)のための映画?

まずはこの役を演じきったバリー・コーガンに感服。Too muchな演技や演出は苦手だけど、限界を超えれば最早晴々しい
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

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なかなかに深く作られた背景や登場人物の設計は楽しめたけど、最強のアイテム持ってるやつが最強みたいな、ゲーム的な敵キャラの強さの説明みたいなのにあれっ?となる。

そういうものならそういうもので楽しめる
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市子(2023年製作の映画)

5.0

登場人物の名前を冠した映画は沢山あるけれど、本作ほどに「市子」というタイトルがしっくりくることはなかなかない。

クローズアップのカメラが捉える市子も、少し離れた位置からのショットも、全ては偽りない彼
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ゆとりですがなにか インターナショナル(2023年製作の映画)

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笑った、笑ったけどさ…何をみたのかよく分からないけど、いつもはシリアスなドラマで魂削るような演技をしてる役者さんたちが、なんだかすごーく楽しそうに演技してるのはいいよね。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

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生きろと言いながら死ぬ気で挑む男たちをカッコよく描き、過剰な演技にプロパガンダ映画を見せられたのかとすら感じ、最後の敬礼に背筋が凍る。それがこの国の現状で、タイトルの指し示す皮肉なのだろうか。

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BAD LANDS バッド・ランズ(2023年製作の映画)

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安藤サクラが主演で、彼女が突出してクールであるというその一点において、ヘルドッグス以上に、作品の存在する強度(というものがあるとすれば)が抜きん出ているように感じた…が、欠点はヘルドッグスと変わらず
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.3


どこまでが事実でどこからがフィクションなのか、その境目は調べきれていないけど、大きな悲劇というのが、純然たる悪意によるものなどではなく、人間の弱さと不運と悲劇の積み重ねによるものなのだと…そういう描
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すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

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そこには描かれていない大きな悲しみが、人生のリハビリ中のようにも見える3人の主人公の話しのスキマから微かに見えるようなのだけど、でもそこにあったのは、フイルムで捉えられた家族の記録のように、失われた
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オクス駅お化け(2022年製作の映画)

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韓国のウェブトゥーンを、Jホラー的に描きなおしたものを、再度韓国映画的に再構築して撮るという、その過程が凝縮された80分は非常に興味深い。

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

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全てがご都合主義で、リアリティを感じる場面は少なく、そうはならないだろ…のオンパレードなんだけど、それでも楽しめた。

特に New Asia のごちゃ混ぜ感はイヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤって永遠に
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キリエのうた(2023年製作の映画)

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強いて言うならば、七尾旅人と子役の女の子のシーンが一番良かったかな…

カメラが映す世界とその延長線を見つめていればいいのだろうけど、どうしてもカメラの後ろが気になってしまい、昔は美しく映っただろう
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

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テネットでも言及されているオッペンハイマーのマンハッタン計画。本作ではテネットでのセリフがほぼそのまま描かれている。

Priya: "Are you familiar with the Manha
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インディ・ジョーンズと運命のダイヤル(2023年製作の映画)

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ここ数年で映画の見方が全く変わってしまったことを実感。

予告にもある、お前が盗んだ〜からの、それが資本主義よ、みたいなくだりに心底嫌悪感を抱き、インディもゴッドドーターもナチスも、お前ら全員大嫌いっ
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アイスクリームフィーバー(2023年製作の映画)

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記号のように散りばめられたキャスト、衣装、小道具、ロケーション、セリフ…すぐに溶けてなくなるアイスクリームのような瞬間を集めたスクラップブック。

そんな刹那的な瞬間を切り取るのもまた映画の役割。
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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既に沢山の方々が絶賛されている通り、アニメーションの技術や芸術性という部分において圧倒的に傑作なのは間違いない。…というところまでは自分でも理解できた。冒頭、主人公が階段を駆け降りるシーンに始まり、あ>>続きを読む

ザ・フラッシュ(2023年製作の映画)

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フラッシュのエズラ・ミラーの等身大なキャラクター、バットマンのマイケル・キートンの哀愁、そしてスーパーガールのサッシャ・カジェのクールでミステリアスな佇まいと力強さとたまに見せる脆弱さ。

全てのキャ
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

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とてもゆったりとした美しい撮影で、その佇まいを見ているだけでドキドキしたり、にやけてしまうような俳優であれば、至福の時間になったのだろう。

ただ個人的には、今回のキャストについては、静よりも動を見た
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遠いところ(2022年製作の映画)

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初めて観た時は、地元沖縄の俳優を起用して、オール沖縄ロケで、徹底的にリアリティに拘った作品という印象だった…

けど2回目、俳優たちは地元の俳優ではなく、沖縄に住んで役作りをしたという話しを聞いた上で
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こちらあみ子(2022年製作の映画)

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国内外の映画賞や映画祭で話題と聞いて鑑賞。

冒頭のショットやラストショットも、平面的でありながら奥行きのある絵本のようなショットが印象的だった。ちょっとだけ、ウェス・アンダーソン的なものを感じた人は
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