かさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

無垢なる証人(2019年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

いい話…だとは思うのに弁護士側の主人公が終盤の立ち回りをしてしまう脚本に違和感が残る。
事件の有罪を唯一裏付ける証人を責め立てる立場にある主人公が善悪の狭間で揺れることに意味があるのだとはわかっていて
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エコール(2004年製作の映画)

2.6

完全にペドフィリア向けの雰囲気(ポルノ)映画。
このシーンは〇〇のメタファーなんですよとか言われようがどうでもよくなるくらい絵面に対する嫌悪感が強い。これを芸術として受け止められる感性を持っている人に
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かそけきサンカヨウ(2021年製作の映画)

1.4

深堀りすれば面白くできそうなエピソードはいっぱいあるのに、そのどれもが中途半端な描写でなんとなーく解決していく都合よすぎ映画。毒にも薬にもならないのはいいとして、とにかくつまらないのが問題。

極限ま
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サバイバルファミリー(2017年製作の映画)

2.1

「もしも世界中のインフラが突如停止したら…」という中学生の頃に誰しもが通るような妄想を丁寧に映像化した作品。

毛色は違うもののゾンビ映画のテンプレをなぞっているに等しいので話的な目新しさはないが、こ
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サスペリア(2018年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

脚本家の話によると“女性の解放”が大きなテーマとして作品の根底にあるらしいが、自分の中で無理やりこじつけないと全然しっくりこないくらい話が入ってこなかった(1977年当時のドイツの社会情勢なんかも前提>>続きを読む

カリスマ(1999年製作の映画)

3.9

立てこもり事件の犯人と人質のどちらもを守ろうとした結果どちらも救えなかった刑事が、とある島の一本の木「カリスマ」を巡る不可思議な事態に当事者として巻き込まれていく寓喩的な物語

大筋から細部までメタフ
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カーター(2022年製作の映画)

3.5

色んなところから美味しい設定を拝借してキメラにした三人称視点版ハードコアヘンリーみたいな。
ストーリーをリアルタイムで説明しても違和感が少ないように主人公を記憶喪失にしてるとこまで同じ。(ただし、こっ
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ガリーボーイ(2018年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

日本では想像もつかないような過酷な日常を過ごす主人公が鬱屈とした感情を音楽にぶつける姿は、主人公を縛る幾つものしがらみから本当の意味で解放された感じが伝わってきて爽快だった。

ヒップホップは造詣も深
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オールド(2021年製作の映画)

2.3

このレビューはネタバレを含みます

こっちはキャラクターが老いていく過程をもっとがっつり視覚的に楽しみたいのに、カットが変わっていきなり成長後の姿を見せられてもガッカリ感がすごい。もっとリアルタイムで老けていく感じを見たかった。

爆速
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コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)

2.7

KGBとCIAのスパイがやんごとなき事情で協力する羽目になるというあるあるネタから始まり、潜入シーンや2人のやり取りの随所にもあるあるネタで溢れる言っちゃえばよくあるスパイ映画。(見終わってから知った>>続きを読む

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還(2003年製作の映画)

1.0

敵の見た目と背景の変化だけじゃ誤魔化せないほどにシナリオがワンパターンで、煌びやかなVFXで取り繕ってはいるが、実際にやってることは敵が襲ってくる→なんやかんやで勝つの繰り返し。
なんとなーく凄い映像
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ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔(2002年製作の映画)

1.5

設定の凝りようからも伺えるように明らかに映画の尺で収まるようなストーリーではないが、ドラマの予算ではこの荘厳で迫力ある映像は用意できないというジレンマ
ダイジェストのような早すぎる進行でストーリーが消
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ロード・オブ・ザ・リング(2001年製作の映画)

2.5

ジョージ・R・R・マーティンがトールキンと指輪物語に心酔してるであろうことはひしひしと伝わってくるが、私はゲーム・オブ・スローンズ(氷と炎の歌)の方が圧倒的に好き

後年のハイファンタジーの礎となった
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先生、私の隣に座っていただけませんか?(2021年製作の映画)

2.0

映画全体を少女漫画チックにするための演出か、映像が無駄に明るいせいで緊張感がなくてずっと平坦
主人公の男と劇伴が勝手に盛り上がってるだけで、そのドギマギが見てるこっちにまで伝わってこないというか

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LOFT 完全なる嘘(トリック)(2010年製作の映画)

2.0

5人の男のみが立ち入りできるロフトに突如として死体が現れるという設定は面白いのに、実際に出されるものは妻への背信や友への嫉妬を軸とした昼ドラのような愛憎劇というギャグ
真相が明らかになるにつれ黒幕の動
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こっぴどい猫(2012年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

本作は今泉力哉の得意とする狭い世界での登場人物が交差する様子を面白おかしく描いた恋愛群像劇なのだが、私には他の方が言及されている“今泉力哉っぽさ”はほとんど感じられなかった

構成だけで言えば「街の上
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整形水(2020年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ひたすらに美に執着する主人公が壊れていく過程は引き込まれるのに、ラストで急に話の方向性がブレるせいでなんの教訓もないホラーになってるのが引っかかる。
ルッキズムに囚われて本当に大事な物を見落とすみたい
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プロメア(2019年製作の映画)

2.2

グレンラガンの暑苦しさとキルラキルの勢いだけを踏襲した中身空っぽアニメ
TRIGGERはいつまでもグレンラガンの幻影を追いかけてるイメージがあったけど、この映画はその典型みたいな内容

デウスエックス
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(1963年製作の映画)

2.0

子役の鳥にビビる表情が楳図かずお作品のそれだったのには笑ったけど、全体的に鳥を怖く見せるという発想ありきで、今見るにはちょっと単調すぎる内容だった。もちろん当時としては革新的な怖さだったのはわかるし傑>>続きを読む

スパイラル:ソウ オールリセット(2021年製作の映画)

3.3

これまでのSAWシリーズはメインにジグゾウが仕掛けるゲームがあったのに対し、スパイラルはあくまで捜査パートが本筋でゲームはオマケ的な要素となっているため、もはやSAWである必要は無いように思う

黒幕
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プリズナーズ(2013年製作の映画)

3.9

犯人もさることながら娘を失った父親の狂気が一番に恐ろしい
明らかに怪しいとはいえ口述のみの疑念でここまで視野が狭くなって1つの考えに固執し抜け出せなくなるのは異常だし、追い詰められるほどに人はまともな
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すべてが変わった日(2020年製作の映画)

3.5

親という存在の絶対性
この時代のしかも田舎だと自身を俯瞰して見る機会も限られてるはずで、その環境では一般的にはズレた親の価値観や思想に染まってしまうのも仕方ない気がした
この映画では善悪がハッキリ決め
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フロッグ(2019年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

殺したいほど憎んでる相手にここまで回りくどい手段を選んだ理由がわからないし、自分から巻き込んでおいていざ女の子が殺されたら一丁前に悲しんでるのはもっとわからん
殺人鬼だってわかってるなら初めからこんな
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藁にもすがる獣たち(2018年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

いかにも主人公然とした態度で出てきたキャラクターが早々にリタイアしたりと、最後まで誰が勝つのか全く読めないのが面白かった

サスペンスのような顔をしていながら漫画太郎の作品ぐらい人の命が軽く扱われるせ
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フルートベール駅で(2013年製作の映画)

3.4

このレビューはネタバレを含みます

銃声が響いた場面で思わず声が出てしまった
殴った白人の男もきちんと裁かれるべきだし、警官の甘すぎる処罰を思うと本当にムシャクシャしてくる

主人公達は派手に騒ぎ散らしてたし、駆けつけたばかりで状況のわ
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マリアンヌ(2016年製作の映画)

3.4

2人が恋仲に発展するまでのスパイパートがかなり駆け足だったのだけ不満だけど、任務を終えて帰国してからの展開はハラハラドキドキの連続でラストは不覚にも感動した
ブラピのシャッフルがカッコいいだけで緊張感
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ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019年製作の映画)

3.0

拗らせたオタクくんの妄想ストーリーみたいな感じで恋人になるシャーロットはかなり主人公に都合のいい存在だけど、ファンタジーだと思って肩の力を抜いて見る分には楽しめた
たまにぶっ込んでくる下ネタは結構キツ
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夕陽のあと(2019年製作の映画)

2.0

朝が来るを見た時にも感じたけど、一度手放した子どもを時間が経ってから取り返しに来るという自分本位すぎる行為を、不幸な境遇を見せることで同情を誘って有耶無耶にするという展開が好きではない

映像と主役二
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女神の見えざる手(2016年製作の映画)

3.9

銃規制を巡ったロビー活動というテーマは特に日本人からすると当事者意識も湧きにくいし地味だとは思うが、この作品はわかりやすくスリリングなエンタメ性溢れる頭脳戦に仕上がっててすごく見応えがある
銃規制の是
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マッド・ハウス(2019年製作の映画)

2.0

SAW×ファニーゲーム×ミッドサマー的な
現実味が全くないっていうほど荒唐無稽な設定でもないけどラストで急に冷める
旧ソ連や1984のようなディストピアが見たいならいいのかも?
中盤にちょっと盛り上が
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ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)

3.0

下敷きとなった実際の事件のインパクトにかなり助けられてるパニックムービー(結構な説明不足なので事件を知らない場合は先に調べた方がいいです)

ありふれたいつもの日常が突然に暴力で侵食されていく恐怖は長
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キャッシュトラック(2021年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

主役のステイサムが普通に悪人側のポジションにいるせいで復讐劇とか言われてもそんなに肩入れして応援できない
悪人同士の身勝手な行動が拗れた結果として一般人が巻き込まれただけで、そもそもが因果応報の自業自
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ディナーラッシュ(2000年製作の映画)

3.0

常に不穏な空気が漂う人気レストランでの1日を描いた群像劇
様々なエピソードが深くは切り込まれずに細切れで語られるのでそこまで記憶には残らないけど、いい感じに食欲は湧いてくる

焦点を当てられた人物より
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トレーニング デイ(2001年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

ジャック・バウアー並の無法な操作を繰り広げるベテラン刑事とそれに戸惑う新米刑事というわかりやすい構図の映画
初めは主人公と同様に善悪の垣根や真に正しい行いについてあれこれ考えて揺さぶられたが、ベテラン
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団地(2015年製作の映画)

3.9

冒頭の薄ら寒い漫才のような掛け合いを見てコレはハズレっぽいなと落胆してたら、そこからのあまりに予測不能な展開の連続に疑問符が止まらない稀に見るジャンルごった煮映画だった
全体的にジメッとしてるけど空気
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