グラッデンさんの映画レビュー・感想・評価 - 7ページ目

グラッデン

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星屑の町(2020年製作の映画)

4.2

東日本大震災から9年を迎えた。2010年代の日本映画の特徴に「人との繋がり」にフォーカスを当てられたことも、震災を経験した影響が大きいと考えられるだろう。

震災経験を描いた作品しては、NHK朝の連続
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ジュディ 虹の彼方に(2019年製作の映画)

4.4


先日鑑賞した『初恋』の主演に抜擢され、シンデレラストーリーを体現した小西桜子さんは1998年生まれということだ。

芸能通ぐらいしかピンと来ないと思うが、橋本環奈、広瀬すず、福原遥、斎藤飛鳥(乃木坂
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初恋(2020年製作の映画)

4.6

フェチの領域かもしれないが、洋画に対する邦題も含め、鑑賞前にピンと来ない観賞後にタイトルの意味にハッとさせられる映画が好きだ。

そういう意味では、明らかにカタギではない顔が揃った作品のタイトルには違
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ミッドサマー(2019年製作の映画)

4.4

高校時代に読んだ課題読書の中で、綾辻行人『時計館の殺人』はお気に入りの1つだ。閉ざされた館の中で発生する事件と、その謎を巡る物語。サスペンスにおいては環境の特殊性は大きなスパイスとなることを強く感じた>>続きを読む

スキャンダル(2019年製作の映画)

3.8

女性差別、男女機会平等に対する社会運動は、「#me too」運動のような世界的なムーブメントを起こしている。こうした動きも踏まえ、映画の世界でも、根強く残る男性優位の現場で活躍する女性を描いた作品が増>>続きを読む

1917 命をかけた伝令(2019年製作の映画)

4.4

本サイトで感想を書き、レビューを読むユーザーには共感してもらえると思うが、「何故、映画を映画館で見たいのか?」と聞かれれば、「映画鑑賞の体感度が違ってくるから」と答える。具体的に述べれば、大画面のスク>>続きを読む

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)

4.5

鑑賞を進めながら、女子に「男の子って、こういうのが好きなんでしょ」と見透かされているように感じた。はい、大好きです(即答)

ル・マン24時間と絶対王者・フェラーリに挑んだ男たちを描いた『フォードVS
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.5

鑑賞を終えて、本作は、近年の日本映画が継続して描いてきた擬似家族性や絆という言葉にも置き換えられる「人の繋がり」、世界各国の映画で取り上げられるようになった「格差」、2つの要素が交差した作品と感じた。>>続きを読む

ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

4.5


自分の好きな漫画の1つに、手塚治虫の『アドルフに告ぐ』という作品がある。神戸生まれのドイツ人少年・カウフマンとカミル、そしてヒトラーの3人の「アドルフ」を巡る物語である。

作中、カウフマンは父親の
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リチャード・ジュエル(2019年製作の映画)

4.2

1996年、五輪開催中のアトランタで発生した爆弾爆破事件。警備を務めていた元法務執行官のリチャード・ジュエルは、仕掛けられた爆弾の存在にいち早く気づき、観客の避難を呼びかける。リチャードの勇気ある行動>>続きを読む

ラストレター(2020年製作の映画)

5.0

ウェブを通じて映画情報を収集することが容易になった時代でも、映画館で手に入れるフライヤーと予告編というアナログな手段を大切にしている。

映画館で情報に触れると、自然と「この映画を見たい」という気持ち
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ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋(2019年製作の映画)

4.1

国務長官として活躍するスーパーウーマンのシャーロット(シャーリーズ・セロン)と、彼女のライターを務めることになった元ジャーナリスト・フレッド(セス・ローゲン)が世界を飛び回りながら関係性を深めていくラ>>続きを読む

エクストリーム・ジョブ(2018年製作の映画)

4.2

年齢を重ねてもなお、ニチアサ(特撮・アニメ)を気まぐれに見ている。プリキュアおじさんに関してはコンスタントに継続していると思うが(汗)戦隊・仮面ライダーは年によるところがある。

視聴しているときは、
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だれもが愛しいチャンピオン(2018年製作の映画)

4.2

2019年の流行語大賞にラグビー日本代表チームのスローガンである「ONE TEAM」が選出された。ジャパンを率いるジェレミー・ジョセフHCが就任当初から掲げていた言葉であるが、ラグビーW杯に至る過程は>>続きを読む

家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.5

年末が近づくと、当方に限らず、今年見た映画の振り返りをする映画ファンは多いだろう。今年の映画はエンタテイメント大作が大きなインパクトを残しながらも、社会に対するメッセージ性の強い作品の存在も光る1年で>>続きを読む

東京の恋人(2019年製作の映画)

3.8

音楽×映画の祭典「MOOSIC LAB 2019」の上映作品。

本作は、夢や恋人に別れを告げて東京を離れた男性が、数年ぶりに東京で過ごした数日間を描いた物語。

ロックサウンドと、ロマンポルノのスト
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ファイティング・ファミリー(2019年製作の映画)

4.4

アメリカンプロレス(以下「アメプロ」)との出会いは高校から大学に入ろうという時期であった。奇しくも、当時の日本国内はK-1とPRIDEの2大プロモーションを中心とする総合格闘技ブームの真っ只中にあった>>続きを読む

サウナのあるところ(2010年製作の映画)

3.6

現在、日本ではサウナブームが密かに進行中だ。従前、おじさんの社交場というイメージが強かったサウナが、若年層や女性にも注目され、メディアに取り上げられる機会も非常に多くなった。

ブームの背景にあるのは
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わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

4.0

「失われた風景」と言うと、どのような風景・景色を連想するであろうか? おそらく人里離れた自然豊かな場所をイメージする人が多いのではないか。

自然が切り開かれ、人工の建造物にかたちを変えていく現象は、
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真実(2019年製作の映画)

3.9

是枝裕和監督のフィルモグラフィを振り返ると、10年近く「家族」という枠組みから見た「人の繋がり」を題材にして描いている。ここで端的に「家族の繋がり」と書かないのは、家族のような空間は描いているものの、>>続きを読む

イエスタデイ(2019年製作の映画)

4.0

漫画家・かわぐちかいじ氏といえば、政治・軍事関係を取り扱った作品が多いと思うが、作画担当で携わった漫画『僕はビートルズ』という作品があるのはご存じだろうか。

同作品は、高度経済成長期の日本にタイムス
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ジョーカー(2019年製作の映画)

4.7

私見ではあるが、近年の日本映画における1つの共通したテーマは「人の繋がり」であると考えている。作品によっては「絆」というかたちで置き換えられると思うが、血縁・地縁的結合という旧態的なコミュニティの衰退>>続きを読む

アド・アストラ(2019年製作の映画)

3.9

子供の頃よりも大人になって父親の存在を意識する機会が増えた気がする。それは、父親の背中を見て育った自分が、その時の父親と同じ年齢になったことも大きい。自分は父親とは違う生き方をしているが、大人になれて>>続きを読む

ブレードランナー ファイナル・カット(2007年製作の映画)

4.3

IMAX版で鑑賞。

「未来」という言葉には、希望をはじめとする明るくポジティブなイメージがついてくると思う。しかしながら、1982年に公開された『ブレードランナー』の舞台である2019年のロサンゼル
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

4.2

年齢に関係なく、最近の出来事よりも、昔あった思い出のほうが鮮明に覚えているというケースは多々あると思う。かく言う当方も、学生時代の友人と再会して昔話に花を咲かせることがあるのだが、15年以上前の出来事>>続きを読む

エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ(2018年製作の映画)

4.2

アメリカの青春映画で描かれるハイスクールの学校行事・文化の模様などを見ると、日陰者だった自分には「日本人で良かった」と思わせる。クラス内のヒエラルキーが可視化されることもそうだが、自己主張・社交性が問>>続きを読む

永遠に僕のもの(2018年製作の映画)

4.0

往年の特撮作品『宇宙刑事ギャバン 』の有名な主題歌は「若さ 若さってなんだ」という強烈なクエッションをサビで投げかけている。

1番の歌詞では「振り向かないことさ」と答えた。若者ではなくなった現在聞く
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さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

4.2

名優・ロバート・レッドフォード俳優引退作。解説などでも指摘されていたが、アメリカでは公開順が後になった『アベンジャーズ エンドゲーム』に出演するなど、引退の範囲という部分は読めないが、第一線から退くと>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

4.1

昔、よくライブに足を運んでいたアーティストのインタビューにおいて、過去に打ち立てたヒット曲の壁を超える難しさを語っていたのを覚えている。歌手に限らず、クリエイター全般に言えることだろう。

前作『君の
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OVER TIME ~新生・川崎ブレイブサンダース、知られざる物語~(2018年製作の映画)

3.7

プロバスケットボールクラブ・川崎ブレイブサンダースの激闘の足跡を辿るドキュメンタリー作品。
川崎は、本年からチームの運営母体が東芝からDeNAに移管。丁度、横浜DeNAベイスターズでもドキュメンタリー
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トイ・ストーリー4(2019年製作の映画)

4.3

明確にジャンル化されてはいないと思うが「お仕事モノ」と呼べる作品群がある。ある職業における仕事に従事する中で個人の成長、あるいは仲間を含めた人間ドラマがされる作品だ。

『トイ・ストーリー』シリーズの
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

4.0

令和が始まって2ヶ月が経過したタイミングで言うのもアレだが、平成の世に発生した凶悪事件は角度のついた分析を用いて真相を追求する報道がよく行われていた。大学時代に履修していた犯罪学の教授が、その筋でも有>>続きを読む

Girl/ガール(2018年製作の映画)

3.8

「なりたい自分になる」というフレーズを聞くと、大きくわけて2つのイメージが連想できると思う。1つは職業等における夢を叶えるというイメージで、専門学校から自己啓発セミナーの世界でよく使われる常套句ではな>>続きを読む

ハッピー・デス・デイ(2017年製作の映画)

4.1

昔から、タイムリープをはじめ「時間」をテーマにした作品が好きだ。マイベスト映画の1つに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が不動の地位にいる。一方、長年その理由が分からずにいたが、年齢を重ねるにつれて時>>続きを読む

無双の鉄拳(2018年製作の映画)

3.9

『新感染 ファイナル・エキスプレス』『犯罪都市』のマ・ドンソク兄貴の主演作。

昨年日本公開された『ファイティン』、夏公開予定『守護教師』と兄貴の主演作の公開ラッシュは続く。当方も知ることになった『新
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COLD WAR あの歌、2つの心(2018年製作の映画)

4.2

歳を重ねるにつれて映画館ほどではないが、音楽ライブに足を運ぶ回数も増えた。とは言っても、音楽フェスやテレビを賑わせるような有名アーティストのツアーなどではなく、ライブハウスを中心に活動するアイドルが出>>続きを読む