備忘録さんさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ラストナイト・イン・ソーホー(2021年製作の映画)

3.6

ホラーとしてはそんな怖くない。ドヤ顔で繰り出される60年代ロンドンのオシャレな映像と選曲のオシャレ感も個人的に鼻につく。でも、お気楽なエンタメ映画としては、わりと面白い。

以下、あらすじ

統合失調
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行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

3.9

絶望的などん詰まりの街で、スケボー仲間3人が、10代前半の線の細い時期から20代前半で大人にならざるを得ないタイミングまでを追いかけたドキュメンタリー。

昔から仲間をずっと撮影してた、スケボー仲間の
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佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)

3.7

丁寧にね、描いとるよ。撮影も良いね。

役者志望だけど鳴かず飛ばずで、ハコヅメの仕事しながら、別れた元カノと同居して未練タラタラなユウジ。

片親家庭で家に放置されがちで孤独を抱えているが、すぐ全裸に
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サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

3.9

ひと夏の映画製作にまつわる高校生のSF青春ラブコメディー。SF要素はかなりおまけ。

結構共感性羞恥が発動するギリギリのラインで突っ走るんだけど、役者の演技も達者で、劇伴などの入るタイミングもなかなか
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荒野にて(2017年製作の映画)

3.7

すべての原因は、親父が叔母さんの電話番号教えないから…

引き絵一発で名作の佇まいを醸す、映像がまず良い。
そして、チャーリー・プラマーが、線の細い繊細な少年を好演。

働き者で知恵も度胸もある少年が
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.9

無自覚に身にまとっていた偏見を、少女を愛することで脱ぎ捨て、ラスト男の子は鏡に向かい「今日からできることをする」とつぶやきイマジナリー・ヒトラーを蹴り飛ばす!

中盤、母親の「愛が最強の力」との発言に
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20センチュリー・ウーマン(2016年製作の映画)

3.7

マイク・ミルズのお母さんを中心に据えた半自伝的作品。1979年の時代の空気をそのまま切り取った一夏の物語。絵作りはきれいでおしゃれだし、いかにもミニシアターで夜にみたい作品といった感じで楽しめたが、あ>>続きを読む

トランス・ワールド(2011年製作の映画)

3.4

よくできた映画学校の卒業制作や、よくできた世にも奇妙な物語風テレビドラマといった感じ。

低予算映画なので、ほぼ山小屋だけのシチュエーションをアイデア一発と脚本で成り立たせた感じ。演出や絵作りが90年
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彼の見つめる先に(2014年製作の映画)

4.3

いいなあ、いいなあ。
心が洗われる。

全盲の少年レオと転校生の男の子ガブリエルの恋。
やさしい幼なじみの女の子ジョヴァンナ。心配性の両親。意地悪な同級生。いつも良い距離感のおばあちゃん。

後半まで
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藍色夏恋(2002年製作の映画)

4.0

女友達に恋をするレズビアンの女の子と、そんな彼女を好きな少し抜けてるけど優しいイケメンの男の子の友情の話だったね。三角関係はそんなに本筋ではない。

植物の緑の中を走る自転車の二人、夜のプールに反射す
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ゴーストバスターズ(1984年製作の映画)

3.4

子供の時以来の鑑賞。

ストーリはあってないようなもん。だけども、今聞いてもテンション上がるテーマソングとラブリーなマシュマロマンと80年代丸出しなチープなVFXと質感のあるハッタリ満載なガジェットだ
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エンドレス・ポエトリー(2016年製作の映画)

3.7

リアリティーのダンスの続編。同じ作風なので、前作が好きならそのままどうぞ。

ブルーノート・レコード ジャズを超えて(2018年製作の映画)

4.0

運動体としてのブルーノート・レコードというものを初めて知った。

ドイツからの移民、アルフレッド・ライオン、フランシス・ウルフによって1939年に立てられたレコード会社ブルーノートレコード。

圧倒的
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リアリティのダンス(2013年製作の映画)

3.9

ホドロフスキー作品初鑑賞。監督の自伝を元にしているらしい。

背景まで芸術的でサイケデリックな美しい映像に、シュールなコントのようなやり取りが挟まる。

話は比較的シンプルで、強権的で暴力的な父親が、
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

3.9

衣装・撮影・脚本・演出もすべて高品質に家族愛を描いた名作大河ドラマ。

ただ一点気になったのが、

作者の自伝的作品である「若草物語」の主人公で、小説家であるジョーの結婚にまつわるシーンが終盤にある。
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mid90s ミッドナインティーズ(2018年製作の映画)

3.7

わかりやすく不良だったことも、青春時代にヒップホップもスケボーも通過してないので、特別エモさで加点されることはなかったが、全般的には良い映画ではあった。夕陽を背に坂道をスケボーで滑り降りてくるシーンが>>続きを読む

家をめぐる3つの物語(2022年製作の映画)

3.4

3カ国のストップモーションアニメ監督が作った、家をテーマにした30 分ほどのアニメ3本立て。

それぞれの作品が強くリンクしているわけではないので、とりあえず気になった人はどれか1話だけ見て様子をみる
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君の名前で僕を呼んで(2017年製作の映画)

4.2

イタリアの避暑地の美しい夏の風景と、効果的に抑えめに使われる美しいピアノの劇伴と、美しい少年。

前半は映画としての格調の高さを感じつつも、やや退屈していた。

中盤以降、恋が動き出しても、「若い頃の
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ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから(2020年製作の映画)

3.8

アメリカの閉塞感のある田舎の高校を舞台に、学校のマドンナだけどカズオ・イシグロやヴェンダースを嗜む影のある美女。その美女に惚れたアメフトの補欠選手でハンサムではないが人の良い脳筋男子
。脳筋男子にラブ
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

しんどいなあ。
映画としては、重たいけど面白い。

どこかでこうした話が実際に今も起きてるのだと思うとしんどい。

後半のロッジのシーンが辛い。社会的な男女の差を視覚的に痛感させられて、無力感を感じる
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蒸気船ウィリー(1928年製作の映画)

3.0

ミッキー、ミニーのデビュー作。

教養としての義務感から鑑賞。ノートの端っこに書いた落書きのようなミッキーがグリグリ動く面白さはあるが、7分だから耐えれる感じの素朴なアニメーション。

ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン(2014年製作の映画)

3.4

ドキュメンタリーとしては、今ひとつだったかなあ。

音楽にフォーカスしてるのか人物にフォーカスしてるのか中途半端で、全体的にストーリーが散漫。

ジェームス・ブラウンは、人の形をしたグルーブといった感
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ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK‐The Touring Years(2016年製作の映画)

3.5

ビートルズのブレイクから、ルーフトップコンサートあたりまでを効率よくダイジェストで復習できる良質なドキュメンタリー映画(1963-1969)

メンバー4人と、著名人、業界人が当時を振り返ってインタビ
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グリーンブック(2018年製作の映画)

3.8

見てしばらく経ったから自分の感情の動きを忘れてしまった…わりと手堅く良作だったはず。

ちゃんと備忘録つけとかないとな。

レンタルビデオ時代に、同じビデオ借りてきて、中盤ぐらいで前に見たことに気づく
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ワンダーウォール 劇場版(2019年製作の映画)

4.2

存続問題で揺れる京大吉田寮をモデルにした近衛寮を舞台に、100年以上続く寮を潰し建て替えたい強権的な大学に抗議する寮生たちを描く。

かといって別に熱く反体制のシュプレヒコールを上げるわけでもなく、登
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アルプススタンドのはしの方(2020年製作の映画)

3.3

うーん。
悪くはないんだろうけど、個人的にはあまり。

スタジアムの観客席で会話だけで進むから、役者の演技とシナリオが肝になるんだろうけど、どちらもピンとこなかった。

役者が演じてる感じとセリフの作
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スリー・ビルボード(2017年製作の映画)

4.1

おもしろかった。

最初は閉鎖的なコミュニティー特有の、どんなトラブル起きても「波風立てず水に流して平和にやろうや」という嫌な同調圧力の描写がうまくて、ミルドレッド母ちゃんが強メンタルで、真相追求のた
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サニー 永遠の仲間たち(2011年製作の映画)

2.5

うーん、スウィング・キッズが良かったので見てみたが、これは合わなかったなあ。過去の思い出をウェットに振り返るというのがダメなんだろうな。

基本的に、なつかしいあの頃、変わらない友情いいよね、失われた
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スウィング・キッズ(2018年製作の映画)

4.1

自由に踊りたかっただけの、立場も国籍も違う5人が、タップダンスで心を通わし、そして不条理な時代の暴力に翻弄されていく。

鑑賞後の悲しみや怒りは、登場人物や国に向かわず仕組みの不条理へと向かう。その辺
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.6

いろんな監督がいて、いろんな作風があるんだけど、タランティーノは、自分が見たい俺が考えた最強の映画、映像にだけ、ひたすら向き合ってる感じがする。

前半、中盤は結構間延びして退屈さも感じたが、ヒッピー
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シェイプ・オブ・ウォーター(2017年製作の映画)

4.3

人魚男と発話障害の清掃員の恋の話。ストーリーは極めてシンプルだけど、映像の美しさと音楽の使い方だけで、もう圧倒的な映画的強度と満足感。

人魚男と距離が縮まったあとでのバスの窓についた水滴のシーンは息
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アキラ AKIRA(1988年製作の映画)

3.9

今から、30年以上前にしては凄いとか、そういう次元を超えて今現在においてもすごい映像美。CG制作が基本になった今、このタッチでこの熱量のアニメーションは二度と作られないのではないだろうか。これぞ、クー>>続きを読む

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.8

奇想天外なアニメーションをお腹いっぱい堪能できる一本。シナリオがどうこうという話ではないので、予告編でも見て映像が気になった人は本編を見て楽しむのがよいと思います。

フリー・ガイ(2021年製作の映画)

3.8

AIで作られた、ゲームのモブキャラに自我が芽生えて、ゲーム世界の危機を救うという、全く食指が動かないあらすじなのですが、映画好きの知人が推薦していたので見てみた。

前半はゲームをメタ的に表現したシー
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ザ・ビートルズ:Get Back(2021年製作の映画)

4.3

3部作で約8時間なので、冬休み挟んで完走。疲れたけど、おもしろかった。ビートルズと一緒にスタジオに入ってる気分になる。

名曲が、ゼロから生まれてくる瞬間がフィルムに収められていて感動的でもある。
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

4.2

東京という街で、貴族階級と庶民階級のアラサー女性たちが、友人たちと、シスターフッド的な友情でささえ合いながらしなやかに生きていく。その様子を、落ち着いた映像で、美しい東京の風景と瑞々しい脚本で切り取っ>>続きを読む