初めて観たのは学生の時だったから、妻夫木の感覚に凄く共感した。エンディングは残酷だけどリアルな選択だし、葛藤はあるけどそれを遥かに凌駕するタフさに感服するしかなかったのを覚えている。なにより空気感が好>>続きを読む
196分の長篇であるが、決して冗長とは思わない。だが、長く感じなかったというわけでもない。ただ必要なだけ撮ったという感じ。呆けた津川老がカメラに向かい戦争の思い出を語るそら恐ろしいシーンがあるが、そこ>>続きを読む
なぜスピリチャルで無くてはならなかったのか、なぜダウン症児を描かなければならなかったのか。全くもって納得感を得られずあれこれ考えていたらいつの間にかのエンドロール。まさに考えるな、感じろの世界なのかな>>続きを読む
人の闇はそれぞれ固有で、それゆえに理解し難い。その闇は、他人を巻き込み不幸にすることもあるが、一転、常人には想像できない逞しさをもたらす原動力となる場合もある。結末で主人公がとった行動の所以である
粗暴で荒々しい暴力の演出を、繊細に丁寧に積み上げた監督=主演ヤンイクチュンの力量に脱帽。乾いた暴力シーンの連続は、クライマックスに彼女の膝で泣くウエットな演出と見事なコントラストを描き、非常に印象的で>>続きを読む
生きる力を与えてくれる、なんとも映画的なハッピー、ハッピーエンド。最高
人間とOSとの奇妙な恋、とか、機械に恋する虚しさ、とか、挙げ句の果てにこんなのリアルじゃないとか、そんな風に観られてんのこの映画!?主題は、人工知能でも本気で恋愛し嫉妬できちゃう人間の心のいいかげんさ>>続きを読む
忘れられないシーン1つでもあって、それがあればいい映画って思うんだけど、ぐるりのこと。では木村多江がリリーさんバチバチしばいて鳴いて、ちゃんとやりたかったのに‥って嗚咽するシーンでこっちの涙腺決壊して>>続きを読む
このレビューはネタバレを含みます
マジでブスに見えたし運動音痴に見えたし恋してる時はウザかった安藤サクラの女優力が全て。リングに立つ背は凛々しく、ノックダウンされる姿は神々しささえ覚えた。ボーイズオンザランを遥かにぶっちぎった良作。
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童貞捨てた後に彼が彼女に癌の再発カミングアウトしたとこは、紳士的でいいな、と思った。前じゃなくてね。でもまあ、それだけ。
女は瞬間的に、殆ど本能で、正解に辿り着く。たとえそれが他人にとっての不幸であっても。自分にとって、大きな代償を払うものだとしても。怖い、というより畏怖ですね。
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あらゆる美術品、骨董品の価値を正確に見極める目を持っていても、生身の人間の真贋はまるで見えない老鑑定士。何もかも失ってしまう結末は一見バッドエンド風ではあるが、「本物の芸術作品に四方を取り囲まれた非現>>続きを読む