吉田さんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

スカイスクレイパー(2018年製作の映画)

3.0

極限までカリカチュアライズされたアメリカ合衆国のジェンダー感。我々はヒーローを求めているのだ。ドウェイン・ジョンソンというヒーローを。

マンディ 地獄のロード・ウォリアー(2018年製作の映画)

4.0

ビデオドラッグ(死語)っぽい。
本編開始から約1時間後にニコラス・ケイジが動き始めるのですが、前半の映像でトリップした状態で後半の怒涛の展開に酔いしれるって感じなんじゃないでしょうか。
しかし、恐らく
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少林寺木人拳(1977年製作の映画)

2.5

後の「少林寺三十六房」や、リー・リンチェイの「少林寺」シリーズ等に共通する雛形のようなものは今作で確立されたのではないだろうか。
圧倒的に強い師範との揺るぎない師弟関係や、本当に意味があるのか分からな
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トイ・ストーリー(1995年製作の映画)

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「4」を観る前の復習。公開日には観ていなくてVHSが発売された年に観た記憶があるので8歳頃に観たことになる。
言わずもがな大興奮でVHSのテープが擦り切れるほど観た。久し振りに観返したらミクロマンのフ
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アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

5.0

劇場で観なかった事を激しく後悔した映画。端的に言うとマッドリブのアルバムを一晩中聴いたような感覚(これが適切な例えか分かりませんが)
唐突なゼルダに笑ってしまったけど全体的に嫌味が全く無くハリウッドに
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ヴェノム(2018年製作の映画)

2.5

ドラマを観ていて「間違えて先に6話観ちゃったから5話を観なきゃ」ってよくあると思うけどこの映画はそんな感覚になった。この映画は気が利いてない。ヴェノムのビジュアルは文句無し。

ホットギミック ガールミーツボーイ(2019年製作の映画)

1.0

山戸結希監督の「おとぎ話みたい」は自分のオールタイムベストだ。崇高さだったり少女の精神世界や儒教的なプラトニックさが素晴らしい傑作だと思う。
が、それ以降の監督の作品には違和感があった。その違和感の正
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クレアのカメラ(2017年製作の映画)

3.0

ヌーヴェルヴァーグ感。「カンヌは初めてだわ」の台詞とともに現れるイザベル・ユペールは監督のちょっとしたジョークだと受け取った。
極めて自然体な映画で台詞が生きている(舞台的な台詞回しでは無くて)のでオ
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アラジン(2019年製作の映画)

4.4

「アホーニューワ〜」待ちの状態で観ていて「アホーニュ〜ワ〜」が流れた瞬間に案の定泣いた。
悪役にも信念はあるし綺麗事では無くそれを求めている人も少なからず居るだろうし、アラジンにしろ王女にしろジーニー
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貞子(2019年製作の映画)

1.0

池田エライザさんが左利きだということを今作で初めて知った。

キラー・エリート(1975年製作の映画)

3.0

前振りの丁寧さはやっぱりペキンパーだと思う。何となく西部劇っぽいと言うか、後半の展開は前半の異様に長いリハビリパートを経てなので、謎の忍者が出てきたり色々と突っ込みどころはあるけど楽しめた。
冒頭の爆
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サンタクロースの眼は青い(1965年製作の映画)

3.5

アヌーシュカフィルム製作と言うのもあり、ゴダールに相当気に入られていたんだろうなという印象。
サンタクロース姿のジャン=ピエール・レオが微笑ましい以外にこれといった感想は無いけど、もしこの作品が「ママ
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わるい仲間(1963年製作の映画)

4.0

2人の男と1人の女とパリの雑踏と手持ちカメラだけで映画が成立している。
照明も無いのにあれだけ撮れるのは才能だけで映画を撮っている感が凄くてゾクゾクするけど、内容は至ってどうしようもなく普遍的な男2人
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地獄(1960年製作の映画)

5.0

棺がメラメラと燃えそこに被せるように勢いよく「地獄」のタイトル。そして半裸の艶やかな女性達が現れ局部を映さないように愛のコリーダ的なスタッフロールが...もうこの勢いだけで笑ってしまうんだけど、とにか>>続きを読む

三月のライオン(1992年製作の映画)

3.5

恐ろしい程に90年代っぽい。92年の映画だから当たり前なのだが...由良宣子の岡崎京子っぽさがそう思わせたのか、とにかく映像だけなら紛れも無い傑作だと思う。
それだけ画に説得力のある映画なのに台詞回し
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ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

4.0

再鑑賞。村上春樹訳の「ロンググッドバイ」より清水俊二訳の「長いお別れ」が好きなので今作には色々と思うところがあり...。ただ、どこまでもアルトマンの映画でありオープニングからマーロウの自宅に警官がやっ>>続きを読む

シャザム!(2019年製作の映画)

3.0

テンポも悪く戦闘シーンが全く面白くない(と言うかダサい)劇中で流れる“今”っぽいノリの音楽も微妙にズレてる。それなら何が面白いんだって話なんだけどDCの良いところは綺麗事で済まさないところでは無いだろ>>続きを読む

不安は魂を食いつくす/不安と魂(1974年製作の映画)

4.8

ファスビンダーは本当に性格が悪い。映画監督じゃなければ、と思うと恐ろしく感じるのは溝口健二も同じか。
ダグラス・サークの対極にあるような印象を受けたが、この何とも言えない閉塞感だったり変態的クローズア
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下女(1960年製作の映画)

4.2

実際にあった話、と言うかあり得る話だけどやっぱりどうしても最後のカットだけはどうにも受け入れ難い。メイド視点から観ると今作のメッセージ性みたいなものは現代にも通ずるものがある。
ただ、皮肉にもメイドが
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正しい日 間違えた日(2015年製作の映画)

4.5

大切にしたい人生の一本みたいな映画があるとして今作はそれだと思う。静謐な雰囲気だがコミカルでもあり、登場人物たちの内なる情熱のようなものを感じる。
カメラと役者が居れば映画は作れるという何かそういう根
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エクスペンダブルズ2(2012年製作の映画)

2.5

中身が全く無くて本当に良かった。殺された仲間の為に、と言う大まかな筋書きのようなものはあるけど途中から雲行きが怪しくなり...今作に関してはチャック・ノリスの為の映画でもあり、本人が劇中でチャック・ノ>>続きを読む

スパイナル・タップ(1984年製作の映画)

4.5

この映画を撮った翌年に「シュアシング」を撮って、更に「スタンドバイミー」を撮ってるのが一番笑える。
とにかく面白かったし、ストーンヘンジのくだりは腹を抱えて笑った。死ぬほどダサいし登場人物の知能が限り
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狂った一頁(1926年製作の映画)

3.0

暗闇の撮り方がカッコいい。内容はアバンギャルド過ぎるが徐々に物語の輪郭が見えてくる。映画の範疇にギリギリ留まっているところに職人気質な部分を感じたものの、冒頭のシーンが必要だったのかどうか自分には分か>>続きを読む

ゼイ・コール・ハー・ワン・アイ〜血まみれの天使〜(1974年製作の映画)

3.0

とにかく前半が面白くなくて苦痛だったがアクションシーンを全てスローモーションにする爽快感の全く無い演出や最後の決闘シーンの馬鹿馬鹿しさは結構笑えた。
何となく山上たつひこ氏の「イボグリくん」っぽい不条
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男の子の名前はみんなパトリックっていうの(1959年製作の映画)

3.0

今作を観る前にはまずロメールの「紹介、またはシャルロットとステーキ」と「ヴェロニクと怠慢な生徒」ゴダールの「シャルロットとジュール」をチェックしておく必要がある。
正に革命前夜といった感じで、テンポ良
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渇き(1957年製作の映画)

5.0

グル・ダットの人間性と言うか繊細さだったり、レンズ越しでは無く我々がグル・ダットの目になったとでも例えるべきか、俯瞰で見たような劇中の世界に出てくる人たちのエゴだったり、繊細なものとそうでないものの対>>続きを読む

カリートの道(1993年製作の映画)

5.0

仰向けに寝たまま銃を構えてエスカレーターを降るシーンは誰しもが真似したくなる名シーンだろう。
後半になるにつれ「いくらなんでも裏切られ過ぎだろう」と思わずオタク特有の粘着質な微笑を浮かべそうになるが、
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ベートーヴェン通りの死んだ鳩(1972年製作の映画)

4.8

ある映画批評家が「サミュエル・フラーの映画は暴力的ではなく暴力そのものだ」と評していたが正にその通りだと思う。
オープニングのテンションそのままに話が進んだかと思えば静けさを取り戻し、そしてまためちゃ
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スカーフェイス(1983年製作の映画)

4.0

オリヴァー・ストーンによってデ・パルマの魅力が半減しているのは確かだが、成り上がるまでの展開や後半の終始ブチ切れ続けているか、机に山盛りのコカインに溺れるトニーは面白い。ECDのTony Montan>>続きを読む

桜桃の味(1997年製作の映画)

5.0

窓の外の景色が流れるように人生の走馬灯のような時間が過ぎ、会話の中に生まれるフィードバックする余韻が自分がこの映画の中に居るような錯覚に陥る。
我々の人生における金言のような映画であると同時に桜桃の味
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