夢オタクさんの映画レビュー・感想・評価

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わが母の記(2011年製作の映画)

4.3

忘れられることはショックなことなのに、そこに母の茶目っけを感じてニヤッと笑う瞬間とか、自分の初めて書いた文章を大切に持っていて、母が自分を捨てたわけではないと知る瞬間とか、心情の移り変わりが繊細に表現>>続きを読む

霧の淵(2023年製作の映画)

5.0

イヒカはおじいちゃんとお母さん、そしてお父さんのこともちゃんと好きなんだなって。ずっと無表情で浮ついたところがない淡々としたイヒカが、お母さんと笑い合ったとき、初めて声を張って感情をみせたとき、思春期>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

変わらないでいてほしい。でも変わっていく。同じような景色。でも間違いなく違う。光と影のゆらぎ。たった一度だけのその瞬間。

平山さんはいつだってそうやって、いつもの道を、世界を見渡しながら過ごしている
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.3

何を言っても信じてもらえず、自分の考える結果へと強引に誘導される尋問や発言に疲弊する日々。

新たな事実を知ったダニエルは、誰を、何を支えにしていけばいいのか。その辛さを思うと胸が苦しい。ダニエルが助
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.1

何も知らない、興味のあることを本能のままに行い、人の意見があたかも正解かのように耳を傾けるまっさらな心。そこから自分で経験し、感じ、考えることによって身についたたくましさと、まだまだ本能と理性が介在す>>続きを読む

マンチェスター・バイ・ザ・シー(2016年製作の映画)

4.3

平気なふりしても、突然コントロールできなくなる瞬間。それぞれの痛みが。葛藤が。消えない傷が。背負っていくものが大きすぎて、何が正解か辿りつけないでいる。それでも前を向けるように、進んでいくしかない。

リメンバー・ミー(2010年製作の映画)

3.9

一生乗り越えることはできない悲しみを抱えながら、大切な人と出会い、愛して、癒される心。家族感での葛藤も、辛く許しがたい出来事に対して一緒に団結することでほころんだ。その矢先の結末があまりにも悲痛。何か>>続きを読む

おもかげ(2019年製作の映画)

3.9

冒頭のたわいもない会話から急展開するあの緊張感溢れるシーンが本当に凄まじかった。あの始まりで、この映画がいいものだということがすぐに分かる。描かれていない10年の壮絶さや闇を感じる。親としての愛情。失>>続きを読む

熱帯楽園倶楽部(1994年製作の映画)

3.6

何もかも捨てて異国の地で詐欺師になろうという思い切りのよさ。人生にまたとない刺激。

ホリデイ(2006年製作の映画)

3.8

出演者の演技にしか目にいかないぐらいハリウッドのエンターテイメントが見える作品で観ていて楽しい。

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

4.1

色彩が豊かな世界。想像力の宝庫。

将来子供ができた時に絶対に観せてあげたいと思った作品。

パピチャ 未来へのランウェイ(2019年製作の映画)

4.0

当然の権利を一瞬で奪われる。銃社会のあのピリついた雰囲気と緊張感。常に安心できない環境の中で、自分の意志を尊重し闘う姿勢を見せる強さ。誰もが望みながらも、実行に移す勇気があるかどうかは別の話。そんな中>>続きを読む

フランシス・ハ(2012年製作の映画)

3.6

途中踏んだり蹴ったりでみてられないほど。たった一人の何でも話せる親友にまで本当のことを話せなくなるあの切なさ。他の人にも、親友と同じふざけ方をしてみたけど、やっぱり通じなくて、なんだか励ましたくなった>>続きを読む

ヴァージン・スーサイズ(1999年製作の映画)

4.0

どうしても無性に惹かれてしまう人っているけど、そんな人はその解き放つ魅力によって逆に不自由なのかもしれない。どこにいても誰といても注目を浴びてしまうから。だからこそ親の縛りを余計なほどに受けるし、それ>>続きを読む

パターソン(2016年製作の映画)

3.6

何が起きるだけでもなく、夢うつつに詩が流れているような。

17歳(2013年製作の映画)

3.7

美しいがあまり母親や親類からも警戒されるその苦悩はきっと若いうちはずっと付きまとう。父性を求めるがゆえの奇行なのか。自分でも探り探りで行っているように感じた。

彼女の瞳があまりに美しいのでそれだけで
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海辺のポーリーヌ(1983年製作の映画)

3.8

若干15歳の少女がしっかりと自分の意見を持って愛について語る姿がとても凛としている。愛、嫉妬、不安。ゆきずりの恋に愛を信じたくなる様子がもどかしくも、決して溺れず切り替える姿がまたいい。

少女が大人
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To Leslie トゥ・レスリー(2022年製作の映画)

5.0

彼女のお芝居に集中するだけでレスリーの人生が見える。描かれなかった過去がみえる。これがどれだけすごいことなのか。

蓄積されたアルコールを断ち切るあの壮絶さを、路頭に迷い打ちひしがれるあの気持ちを、邪
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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

4.1

ドラマチックにみえるカメラワークにドキドキ。常に動きがあってハラハラして笑えてキュンとして心温まって。2分間ループするという単純な設定から、それぞれのキャラクターがみえる展開に純粋にのめり込めた。>>続きを読む

燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

4.0

描く時のあの集中と視線、瞳の奥のごくわずかな感情の機微をそのままとらえる画角。動かずとも、話さずとも、伝わってしまう不思議。

なぜだか気になる相手との恋に落ちる瞬間、加速する気持ち、築かれる信頼関係
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よっす、おまたせ、じゃあまたね。(2022年製作の映画)

4.1

出会う先々で”カレーライス!唐揚げ丼!麻婆豆腐!”と言わんばかりの濃いキャラクターたちと奇想天外な流れにどうしても笑ってしまうのだけど、このあり得ない話の目的に現実味が帯びる度に切なさが込み上げて涙が>>続きを読む

アデル、ブルーは熱い色(2013年製作の映画)

4.3

“恋は性の垣根を越える。幸せならそれでいい、本物の恋なら。”

性の目覚めから、性的対象の自覚、そして本当に人を愛するということ。傷つき戸惑った先にあった愛に包まれる幸福。好きな人と触れ合い愛し合う幸
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わかりません(2022年製作の映画)

3.8

最後のシーン。木原さんの言葉はボブさんに言ってる言葉ではあるけど自分に向かってる矢印がみえて胸が熱くなった。

キツイ口調で核心をつく妻だけど、落ち込んでいる時は寄り添ってくれて、結局はこういう女性が
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あのこは貴族(2021年製作の映画)

3.8

生まれながらの環境が違いすぎて、その差を知らしめられた時のあの圧倒的敗北感のようなものが痛かった。でもそれは階級は違えどそれぞれ感じるものであり、取り残されるような居心地の悪さ、固定された価値観への窮>>続きを読む

道草(2022年製作の映画)

4.3

久しぶりに映画館で立てなくなった。涙が止まらなくて。

2人が出会ってからのあの初々しい過程と陽の光と共に流れる愛おしい川辺の時間。あのキュンとする瞬間から最後の2人の結末。

パートナーのためにと思
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