湯っ子さんの映画レビュー・感想・評価 - 11ページ目

VIDEOPHOBIA(2019年製作の映画)

3.8

このジャケットが気になってclipしていた作品。
つい先日観た「パリ13区」の「似ている作品」でみかけて気になったので鑑賞。

私、大阪って行ったことないんです。父のふるさとの三重、修学旅行の京都・奈
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勝手にしやがれ(1960年製作の映画)

3.6

ゴダールの訃報を受けて。本作を観てないのは、映画好きのはしくれとして、必修科目を取ってないような気がしていた。こんな機会でもなければ、たぶんこのままスルーだろうから、というわけで初鑑賞。
ジャン=ポー
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パリ13区(2021年製作の映画)

4.5

美しいモノクロ映像と、ビルの窓が光を反射するみたいな、街のあかりが順番に灯っていくような音楽が心地よい。泳ぐみたいにパリを行き来する3人の男女は、それぞれにいびつで、どこか空虚で、だけどこの浮遊感はち>>続きを読む

シャイラク(2015年製作の映画)

4.0

「シャイラク」とは、シカゴとイラクを合わせたスラングなんだそう。
ギャングの抗争が絶えないシカゴで殺害された死亡者数が、同年イラクやアフガニスタンに派遣されたアメリカの兵士の死亡者数を上回ったらしい。
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がんばれ!ベアーズ(1976年製作の映画)

3.9

ハチャメチャでドタバタなコメディなのに、なぜかとてもリアルを感じるという不思議な映画だった。
主人公は飲んだくれの監督でもあるし、個性豊かな子供たちでもある。弱小チームに、昔はそれなりに活躍していたけ
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アメリカン・グラフィティ(1973年製作の映画)

3.6

旅立ち前夜ものの元祖なのかな?
「ファンダンゴ」、「スタンド・バイ・ミー」「ブックスマート」等、後に続くたくさんの作品を連想させる。
メガネ君が「つくってワクワク」のワクワクさんに似てる。知り合いにも
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最終頁(2021年製作の映画)

-

私も数回しか行ったことのない古本屋さんだけど、素敵なお店だった。扉を開ける時のちょっとした緊張感とそれを上回るワクワク、並んだ本を見回して、探して、その日の一冊を探しあてる楽しさは特別。同じ商店街にビ>>続きを読む

長江哀歌(ちょうこうエレジー)(2006年製作の映画)

4.5

錆びて寂れて煤けた建物と豊かな緑、濁った広くて大きな河。劇伴はなく、人物たちの言葉は少なく。
静かな文芸作品ぽさを裏切る、ちょいちょい挟まれるシュールとオモシロ。最後のほうは、「あっ、ここ出るぞ…」な
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帰れない二人(2018年製作の映画)

3.8

ジャ・ジャンクー監督作品は初めて。なんだろう…不思議な空気感の映画だった。
日本に似てるようで似てない、懐かしさも新鮮さも感じるような中国の風景をたくさん見られて、ちょっと旅行気分にもなれたりして。
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

4.0

4DX初体験!
わかるようなわかんないような、でも面白かった〜!これからみなさんのレビューや解説を読むのが楽しみ。
エンドロールの背景の色の移り変わりに、30年越しの“Do the right thi
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鬼龍院花子の生涯(1982年製作の映画)

4.0

CMで「なめたらいかんぜよ!」と啖呵を切る夏目雅子が印象深く、のちに鬼龍院花子が夏目雅子ではないと知り。実際観てみたら、夏目雅子でもなく鬼龍院花子でもなく、鬼政こと仲代達矢の映画だった。
鬼政は土佐で
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怪異談 生きてゐる小平次(1982年製作の映画)

4.0

幼なじみの3人、今ではおちかと太九郎は夫婦、小平次はおちかに横恋慕。
小平次はおちかに「俺の女房になってくれ」と何度も言いにくるが、おちかはつれない。小平次の気持ちを弄ぶよう。でもどこか嬉しそう。
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レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ(1989年製作の映画)

3.9

レニングラード・カウボーイズがU-NEXTにやってきた!これを観たのは四半世紀ぶりくらいかも。
初っ端の「ポーリシュカ・ポーレ」であ〜これこれ!好き好き!ってなる。オフビートないなたいギャグは、そんな
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欲望(1966年製作の映画)

2.8

“BLOWUP”、どうしてこのタイトルが「欲望」になるのか。確かにこのジャケはカッコいい。真っ赤な背景に女に跨って写真を撮る男。そこへ味のあるフォントで「欲望」。これが「拡大」だったらちょっとピンとこ>>続きを読む

GO(2001年製作の映画)

5.0

なんじゃこりゃ、すごい傑作じゃん…
なんで今まで観なかったのか後悔。そして食わず嫌いしたままじゃなくてよかったという気持ち。
窪塚の獰猛さと繊細さの危ういバランスがたまらん。そして素晴らしい身体能力は
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ピンポン(2002年製作の映画)

3.2

テクノミュージックと卓球、スピード感とコンパクトなスケール感が相性いい。原作は当時のスピリッツでチラ見するくらいだったんだけど、世界観の再現は成功してる気がする。スタイリッシュな演出の割に、意外と古典>>続きを読む

ラブバトル(2013年製作の映画)

3.8

これはまさにプロレスなんでしょうね。技をかける方とかけられる方、信頼関係がないとこれはできない。その上男女関係だから、まさに「肌が合う」としか言いようがない本能的に惹かれ合う間柄じゃないと。
あれだけ
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セイント・フランシス(2019年製作の映画)

5.0

最高。大好き。いろんな私がいた。私が映画で観たいって思うものが詰まってた。共感と、甘すぎない現実と、ほどよい甘さのファンタジー。少し不恰好だけどとびきりキュートで、たまに血まみれ。大好き。

サード(1978年製作の映画)

3.2

そういえばこれ観たかったんだよね、っていう映画がU-NEXTに来てた。永島敏行好きだったんだよね、テレビでチラ見するくらいだったけど。夜中にこれテレビでやってたの、目覚ましかけて観ようと思ってたけど起>>続きを読む

ファンダンゴ(1985年製作の映画)

3.9

「馬鹿騒ぎ」っていうタイトルと、若い頃のケヴィン・コスナーが出てるってことと、なんかわりと有名な作品ということくらいの予備知識で鑑賞。楽しいんだけど、それ以上に切なかった。
つい先日観た映画にアニまん
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ロボコン(2003年製作の映画)

4.0

小栗旬と長澤まさみのハグするシーンが見たかったのよぉ!と言っても、当代人気俳優ふたりのラブシーンではない。まだふたりとも初々しい頃の、仲間としての気持ちがあふれたハグなのよ。純粋に同志として喜びを分か>>続きを読む

わたしが発芽する日(2016年製作の映画)

3.8

上質な短編小説みたい。でも小説はもっと主人公に近いから、切なさとか寂しさにに寄ってしまう気がする。映像のいいところは、それを引いて見られるから、うずくまる彼女のそばにいる人をちゃんと確認できる。そして>>続きを読む

近頃なぜかチャールストン(1981年製作の映画)

4.0

喜劇と悲劇、情と欲、どったんばったんうるさくて猥雑で、やっぱり岡本喜八は日本のクストリッツァなのかなと思う、こっちのが先だけど。
不発弾の上に建つ邪馬臺荘に暮らす不良老人たち。合流する若者は、現代の感
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17歳の瞳に映る世界(2020年製作の映画)

-

私が彼女たちと同じ17歳だったら、これを観てどう思うんだろう。きっと、オータムの駄目だったところ、悪かったところ、間違っていたところはどこだったのかを考えて、自分はそうならないようにしなくちゃ、って考>>続きを読む

猫は逃げた(2021年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

セブンで売ってるスイーツ、雪苺娘みたいな浮気相手と、全粒粉ビスケットみたいな妻の間で揺れるのは、塩せんべいみたいな男。妻は妻で、みたらし団子みたいな(たぶん)年下の男と浮気中。雪苺娘はやたらハリボー食>>続きを読む

陸軍(1944年製作の映画)

4.2

以前観た原恵一監督の「はじまりのみち」では、田中絹代演じる母親が、出征を前に行進するわが子を探し回るシーンをノーカットで使っていた。観たことのある映像なのに、作品をはじめから通して観ると、驚きと涙が止>>続きを読む

野球部に花束を(2022年製作の映画)

3.6

テレビをつければ甲子園。すでに敗れたチームは秋の大会に向けて新チーム始動。野球関係の人々や野球ファンはなにかと忙しい。そんな中、誰がこの映画観に行くの?…ハイ、私です。原作はちょうど長男の野球部時代と>>続きを読む

血と砂(1965年製作の映画)

4.0

戦場に鳴り響く「聖者の行進」が、少年兵たちの悲痛な叫びに聞こえた。彼らが登場した時の、どこか呑気で楽しげな音色と、爆撃を受けながらの演奏による音色が、こうも違って聴こえるとは。
爆撃を受けながらも兵士
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ジオラマボーイ・パノラマガール(2020年製作の映画)

3.2

原作の内容はほとんど忘れてるんだけど、配役は良いと思う。ケンイチは岡崎京子の描く猫背細身メガネくんにぴったりだし、ハルコもまあ、いいんじゃないでしょうか(あんまり興味は惹かれず)。私はあの魔性女子がよ>>続きを読む

ハッピーエンド(2017年製作の映画)

3.9

どこかで聞いたような話が次々起こる、わかるようなわからないような映画だった。

13歳の孫娘が“I ☆JAPAN”のロゴがついたTシャツを着て登場し、祖父に秘密を打ち明けた時、あれ、なんか聞いたことあ
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ピアニスト(2001年製作の映画)

4.2

15年前くらいかな、たまたまつけた夜中のテレビで、途中から観て衝撃を受けた映画。その頃はハネケという監督の名前も知らず、翌朝会った幼稚園のママ友に「昨日変な映画観てさ〜、」と話した記憶がある。

今回
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あの子を探して(1999年製作の映画)

4.0

つっけんどんで愛想がなくて語気が強くて、なに、怒ってんの?みたいに感じるけど、この人たちには嘘がない。
13歳の女の子が、山村地区の小学校の代理教員としてやってきた。生徒がひとりでも減ったら報酬がもら
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わたしは最悪。(2021年製作の映画)

2.0

このレビューはネタバレを含みます

びっくりするくらい刺さらなかった。
アラサーの自分探し、こじらせ女子みたいなジャンルは嫌いじゃないのに、ヒロインに全く魅力も共感も感じなかった。美人でノリが良いからモテるし、頭もそこそこいいからとりあ
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ジュリエッタ(2016年製作の映画)

3.8

ジュリエッタという、金髪のかとうかずこみたいな女性。美人でセンスが良くて知的で、表面だけ見れば憧れの対象になるような女性だけど、彼女の半生は「ソレダメ〜!」の連続のように感じた。

彼女は悪いことはし
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ゲット・オン・ザ・バス(1996年製作の映画)

4.5

L.AからワシントンD.C.へ。「百万人大行進」“Milion Man March”に参加するためのバスツアー。スパイク・リーのロードムービー。
みな同じ目的を持った黒人男性ではあるが、それぞれ異なる
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