湯っ子さんの映画レビュー・感想・評価 - 20ページ目

アスファルト(2015年製作の映画)

4.0

忙しい。離れている。心を通わせたいのにそれが叶わないあなたを思いながら、偶然に出会ったあなたに似ているひとと、ひととき心を通わせる。この映画のなかはいつも薄曇りで、でも決して暗くはなく、ひかえめで慎ま>>続きを読む

ともしび(2017年製作の映画)

3.8

この思わせぶりな邦題(原題は「アンナ」、主人公の名前)は、同じシャーロット・ランプリング主演作「まぼろし」「さざなみ」に寄せていっているのであろう。ちなみにこの2作は未鑑賞だが、3部作でもなんでもない>>続きを読む

あ・うん(1989年製作の映画)

5.0

器用なようでやっぱり不器用な高倉健。棒読み芝居が、現在のヤバいほどのイノセンスとはまた違うイノセンスを醸し出す板東英二。女子力の塊のような富司純子。この作品は何回も観ているが、久々に観て、やはり味わい>>続きを読む

地球は女で回ってる(1997年製作の映画)

3.6

再鑑賞。これも、当時ガーデンシネマで観たけど、内容覚えてなかった作品。でも、「自分の限界を知って、前向きに生きる」っていうセリフは印象に残っていた。私にはこれくらいのスタンスがちょうどいいな。座右の銘>>続きを読む

世界中がアイ・ラヴ・ユー(1996年製作の映画)

4.0

最初から最後まで、ずっと楽しい、ウディ・アレンのミュージカル映画。ゴージャスでハッピーで、ブラックな笑いがピリッと効いてる。ニューヨーク、ウィーン、パリ、美しい街も堪能できた。多幸感あふれる作品。>>続きを読む

月極オトコトモダチ(2018年製作の映画)

2.5

このレビューはネタバレを含みます

男女間の友情について、というテーマが気になって観たけど、アラサー女子のどっちつかずのもどかしい恋愛と、自分探し?みたいなお話でした。看板に偽りありというんじゃないのかなこれ。

月極とか更新とか、契約
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リアリズムの宿(2003年製作の映画)

4.5

わびしい、さびしい、いたたまれない。
寒い、暗い、こころもとない。
不味い、貧しい、いたしかたない。
ぜんぜん楽しそうに見えない旅なのに、なぜか心地よい。冬の海、バスの停留所、白い息吐いてそこにいたく
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ハードエイト(1996年製作の映画)

3.2

ずっと気になっていた、PTA監督の長編デビュー作。結局なんだったの…?っていう感じだったけど、これは父と息子を描き続ける監督にとって、理想の父親を描いた物語なんじゃないかと思った。威厳と優しさでおのず>>続きを読む

200本のたばこ(1998年製作の映画)

3.6

今は休館中の恵比寿ガーデンシネマで観たこの映画がU-NEXTに!内容ぜんぜん覚えてないけど、面白かった気がするので再鑑賞。
90年代終わりに作られた80年代のお話で、音楽やファッションが楽しく、コート
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RBG 最強の85才(2018年製作の映画)

-

この作品での彼女は、ただものではない雰囲気を漂わせつつ、慎ましやかでかわいらしい。若者に祭り上げられながらもはしゃがず、静かに話す言葉にユーモアがにじむ。真面目でめったに笑わず、無駄なおしゃべりを一切>>続きを読む

愛の嵐(1973年製作の映画)

4.0

男と女のあいだに交わされる、愛の表現。
それは、ほほえみであったり、抱擁であったり、くちづけであったり、手と手をそっと重ねることであったり。このふたりには、相手に与える痛みがそのひとつであり、また最大
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ウォント・バック・ダウン ママたちの学校戦争(2012年製作の映画)

4.0

アメリカの経済格差についてはよく見聞きしていたが、教育にもここまでの格差があるとは知らなかった…おざなりな授業で、生徒たちのいじめを放置するような学校には、子供を任せられない!子供たちの未来を守りたい>>続きを読む

ミューズ・アカデミー(2015年製作の映画)

3.6

彼らが議論している内容はほとんど私には理解できなくて、でもたまに、ほお〜!となるようなことを言ってて、わ〜覚えとこ〜と思ってても映画を観終わったらぜーんぜん覚えてない。情報量が多いのもあるし、たぶん私>>続きを読む

野球少女(2019年製作の映画)

3.8

公開時から気になっていた。野球少年大好きの私は、たまに他のチームに見かける野球少女も大好きだった。野球少女の中には、地域の中では誰にも負けないようなピッチャーだっていた。
もう、お正月には毎年Eテレで
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それから(2017年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

繰り返す会話に、変な笑いが漏れる。不思議な音楽が不思議なタイミングで流れる。明るいトーンのモノクロが心地よくて、いったい私は何を見せられているんだろうと思いながら、最後まで何かが起こりそうな緊張感と期>>続きを読む

いとみち(2020年製作の映画)

5.0

これは…好きだ。すごく好き。
ヒロインの成長物語にからめて、家族愛、友情、さまざまな社会問題、弘前という土地の美しさ、そして東北に残った傷跡をも隠さず、かつさりげなく描き、いいないいな、にんげんってい
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希望のかなた(2017年製作の映画)

4.2

カウリスマキ作品は「浮き雲」をユーロスペースで観て以来。ミニシアターにしょっちゅう行っていた頃に好きだった監督。四半期たって堪え性のなくなった私が、寝落ちせずに観られるか心配だったが、U-NEXTのマ>>続きを読む

リトル・フォレスト 冬・春(2015年製作の映画)

4.0

「夏・秋」編より好きかも。
私はやっぱり、主人公が何某かの変化を遂げる映画が好きなんだと思う。それが成長ならばハッピーエンド、破滅や堕落ならばバッドエンドということになるのかな。
その辺は、いち子がお
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リトル・フォレスト 夏・秋(2014年製作の映画)

3.6

自然に囲まれた暮らし。あざやかな緑、広い空、きれいな水。橋本愛のささやくような語りで、自然の恵みを丁寧にいただく料理の数々が紹介される。目にも心にも優しい映像で、ぼんやりみていると本当に癒される…の、>>続きを読む

チェイシング・エイミー(1997年製作の映画)

4.0

20数年ぶりに再鑑賞。
これも「トラウマ恋愛映画入門」にある。
恋愛にオクテな主人公が、経験豊富な彼女と出会って恋して別れる。ケヴィン・スミス監督の自身の失恋から生まれたお話なんだそうだ。
お話を研ぎ
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愛・アマチュア(1994年製作の映画)

2.6

この独特の雰囲気とか、舞台みたいなダンスみたいな暴力シーンとか、登場人物のファッションとか、髪型も頭の中もとっ散らかってるエドワードとか、全部キライじゃないのにピンと来なかった。ユペールがビッチなファ>>続きを読む

壁当て(2021年製作の映画)

3.6

私は野球ファンというより、野球少年ファンなのだと思う。このふたりがかわいすぎてしょうがなかった。ふたりは幼なじみだけど、こんな距離感は、きっと今だけのもの。ガード下って、格好の練習スポットだよね。

タレンタイム〜優しい歌(2009年製作の映画)

5.0

音楽が、こんなにもひとの心に優しく寄り添う。そんな瞬間をたくさん見ることができた。
そのさまは私の心をあたたかく包んで、私の目から涙をたくさん流させた。こんな私だけど、とてもきれいな涙だったと思う。
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シンデレラ(2021年製作の映画)

4.0

いいんじゃない?面白かった!
私はあんまりミュージカル映画って観ない方なんだけど、いや、普段観ないからかな?ヒット曲てんこ盛りで、本当の悪人がいないハッピーな世界はとても楽しかった。

監督・脚本のケ
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カランコエの花(2016年製作の映画)

3.8

あなたはどう思う?あなたならどうする?って質問を投げかけられているみたい。。

高校生の様子がとても良い。セリフ回しも自然だし、だからといってドキュメンタリーぽさに転びすぎず、ちゃんと映画的な画面にな
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Share the Pain(2019年製作の映画)

2.8

このレビューはネタバレを含みます

ダメだ…最初から最後まで嫌だった…
まず最初に「狂った法律」って言っちゃうの?これが当たり前、この法律以外はリアリティ追求みたいな雰囲気で始まるのに、最初のひとことで「狂った」はないでしょう。ここは、
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猿楽町で会いましょう(2019年製作の映画)

3.8

「あなたはどんな人ですか」。
そんなこと聞くなよ、オトナ帝国デビューしたばっかりのよちよち歩きの子に。
だけどオトナたちは、彼女の答えなんて求めてないし、彼女の言葉をまに受けたりなんかしない。彼女が戸
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危険なメソッド(2011年製作の映画)

3.8

頑固で堅物のフロイト。柔軟で幅広い教養があるけど、流されやすくてすぐに患者とデキちゃうユング。病んでいるけど賢くて美しいザビーナ。裕福な出自で、態度こそしおらしいが、明らかに主として君臨するユングの妻>>続きを読む

ラブ・セレナーデ(1996年製作の映画)

-

過去鑑賞記録。
バリー・ホワイトのことを相互フォロワーさんにコメントしていたら思い出した。これも今はなき渋谷のシネマライズで観たのだが、変な映画だったなぁ。半魚人と姉妹の三角関係の話で、ラブシーンにバ
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アルフィー(1966年製作の映画)

3.6

これも、「トラウマ恋愛映画入門」でエッセイを読んでいた作品。
やはりトラウマ級に主人公アルフィーが酷い。
スタイルも良くハンサムだけど、女たちはいったい彼のどこが良いのか…
この時代の女性は、まだまだ
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止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

-

過去鑑賞記録。
あんまり内容は覚えてないんだけど、ヒロインが好きになる男が、私もリアルで好きになるタイプの男だなぁと思った記憶がある。

キスより簡単(1989年製作の映画)

3.6

原作は、10代から20代の頃好きだったマンガ。映画化しているのは知ってたが、なかなか巡り会えなかった。今回U-NEXTにきていることを知り、さっそく観た。監督が若松孝二ということも今回知った。若松監督>>続きを読む

リトル・チルドレン(2006年製作の映画)

4.2

町山智浩の「トラウマ恋愛映画入門」でこの作品を知って、ずっと観たかったが探せなかったのを、今回U-NEXTに発見して鑑賞。
エッセイで読んだ以上に変な映画だった…そして、めちゃくちゃ面白かった…!
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さよならみどりちゃん(2004年製作の映画)

5.0

14番目の月が好きっていうのは、たぶん、強がり半分、本気半分。

原作の世界観をすごく忠実に描いていたと思う。
終盤、星野真里の痩せたからだを美しく撮るわけでなく、切ないもの、哀しいものとして見せたこ
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ファーザー(2020年製作の映画)

4.3

オープニングでかかる曲に、ん⁉︎となった。
「コックと泥棒、その妻と愛人」のテーマ曲じゃん!って。てっきり私はマイケル・ナイマンの作曲だと思っていたが、オペラ「アーサー王」の挿入歌「コールド・ソング」
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ハイ・フィデリティ(2000年製作の映画)

3.6

音楽マニアのレコード店主ロブが、同棲中の彼女ローラから別れを切り出され、悶々とする話。
20年ぶりに再鑑賞。

映画化が決まる前に原作を読んでいて、この主人公とは同世代。その頃恋愛中だった夫みたいだと
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