湯っ子さんの映画レビュー・感想・評価 - 21ページ目

2/デュオ(1997年製作の映画)

3.8

同棲中のふたりの不協和音を、ただただ映し出す。男は女に肉体的ダメージは与えないながらも、大声で脅す、洗濯物を投げつける、部屋をめちゃくちゃに散らかす…これは暴力だ。女は男の暴力が止むまでは黙って耐える>>続きを読む

クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶジャングル(2000年製作の映画)

3.8

このしんちゃん映画も、悪役がかっこいい!
ジャングルのボス、パラダイス・キングの「カンフー・ファイティング」にのせての登場シーンが最高!このシュールな雰囲気、どこかで見たことあると思ったら、キャラクタ
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クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲(2001年製作の映画)

5.0

ここのところ、なんだか小難しい映画ばかり観ていたので、わかりやすい映画が恋しくなって、大好きなこの作品をTSUTAYAでレンタル。
しんちゃん始め、登場人物のキャラクター設定があらかじめ周知されている
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ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

この映画は、濱口監督版「桜桃の味」なのかな、と思った(濱口監督作品は昨日「寝ても覚めても」を観ただけだし、キアロスタミは「桜桃の味」と「ジグザグ道三部作」を観ただけのにわかですが)。
印象的なロングシ
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寝ても覚めても(2018年製作の映画)

4.3

「ドライブ・マイ・カー」の予習として、濱口竜介監督作品を観たくて。

主演のふたりのことは、私ももちろん知っているが、もうだいぶほとぼりも冷めた頃というのもあり、特に嫌悪感などは感じずに観られた。
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バーニング 劇場版(2018年製作の映画)

5.0

再投稿。とても好きで、何度も観ている作品。
よくわからないままなのだけど。
ここのところ、同じく村上春樹原作「ドライブ・マイ・カー」がタイムラインを賑わせていることと、つい先日、この「バーニング」の原
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泳ぐひと(1968年製作の映画)

3.8

変な夢みたいな映画だったなぁ…

陽光さんさんと振り仰ぐプールサイドに海パンいっちょであらわれ、不可解なことを一点の曇りもなく宣言する主人公。「友達の家のプールをハシゴして泳いで渡り、自宅へ帰る!」…
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ニューヨーク デイドリーム(1998年製作の映画)

-

過去思い出し記録。
金城武にミラ・ソルヴィノ、そしてこのタイトル。てっきりおしゃれ映画かと思って、今は休館中の恵比寿ガーデンシネマにいそいそ観に行ったら、とんでもない映画だった。
その頃の私のようなヤ
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ビッグ・リボウスキ(1998年製作の映画)

3.6

公開当時、映画館で観たんだけど…、
主人公がカルーアミルクばっかり飲んでいて、全身紫の人がボウリングをやってた、という記憶しかなかった。
カルアミルク…岡村ちゃんの曲も好きだったし、ギャルだった私はよ
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テイク・ディス・ワルツ(2011年製作の映画)

4.5

このレビューはネタバレを含みます

どこかむなしい表情で焼き菓子を作るマーゴ。
その傍らにいるのは、あなただったのね。

主人公のマーゴを演じるミシェル・ウィリアムズは、すごい美人じゃないけど、少女っぽさの残るかわいらしい女優さん。
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ツィゴイネルワイゼン(1980年製作の映画)

4.0

長いこと観たいと思っていたのに、レンタル屋さんではなかなか見つけられなかった。去年U-NEXTに入ってからこれを発見し、すぐに観た。
原田芳雄の色気が凄まじくて、本当に画面からむせかえるように匂ってく
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陽炎座(1981年製作の映画)

3.8

ほおずきの笛、私はちゃんと作れたことは一度もなかったな。だいたいいつも、最後に実をはずすところで、あのちいさな穴をすこしだけ破いてしまうから。お母さんはそんな時たいてい家の仕事をしていて、私のかわりに>>続きを読む

りんごのうかの少女(2013年製作の映画)

3.8

とっても良い話。「中学生日記」みたい。中学とか高校の授業で子供たちに観せたらいいと思う。三味線弾く外人とか、馬に乗って金髪で登場するりんことか、カラオケメロディクイーンの前でたむろしたり石油王の歌で盛>>続きを読む

夢二(1991年製作の映画)

4.0

美しいものだけでしつらえたこの世界に、ただひたひたと身を浸せばよいのだ。妖しいちからにからめとられ、両目を大きく開けたまま、夢をみよう。

耽美で淫靡で猥雑で。幽玄夢幻の映像世界。
小道具ひとつひとつ
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午後3時の女たち(2013年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

セックスレスに悩む30代専業主婦。そんな主人公が、とあるきっかけから、ストリッパーの女の子に住み込みの子守を頼むことになる。で、色々すったもんだがあったあげく、めでたく望み通りのセックスができましたと>>続きを読む

肉弾(1968年製作の映画)

5.0

戦争を描く。それは、人間を描くことと同じじゃないだろうか。
この映画には戦争の全て、そして人間の全てが描かれてると思った。動物には縄張り争いや、餌や牝の取り合いはあるだろうけど、戦争をするのは人間だけ
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イエスタデイ(2019年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

ビートルズの曲はやっぱり良くて、主役のヒメーシュ・パテルの歌声もきれい。相手役のリリー・ジェームズは可愛い。エド・シーラン良く出たね。だけどこりゃまずいな。
ビートルズの曲使っちゃった問題にしても、彼
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スイミング・プール(2003年製作の映画)

3.6

特に好きな映画でもないのに、観てしまう。
これで3回目だ。
現実と妄想と夢と、なにが本当でなにが嘘なのか、わからない。ボーッと眺めるのに良い映画だと思って見始めるのに、結局謎解きをしようと試みてしまい
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流されて…(1974年製作の映画)

3.5

10代から20代の頃、山田詠美が大好きだった。
彼女がお勧め映画としてあげていたこの作品をふと思い出し、配信にて鑑賞。
ヨットを貸し切るブルジョワ夫人と、その使用人が無人島に流されて、主従関係の逆転が
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ロング・グッドバイ(1973年製作の映画)

3.8

夜中に猫のエサを買いに行く時にも、スーツにネクタイ(でもヨレヨレ)。隣の部屋の、なぜかいつも半裸でウロウロしてる美女集団に大人気。いつでもくわえタバコ(えっ、そこでマッチ擦れるの?)。警察に連行された>>続きを読む

ふたりの人魚(2000年製作の映画)

4.0

掃き溜めに鶴。じゃなくて、蘇州河に人魚。
人魚はふたりいるらしい。
誰が誰を愛したのか。誰がいて誰がいなかったのか。ふわふわと浮かんで揺れるカメラは、目の前にあらわれた女を接写するのみで、誰かを探して
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アンダー・ザ・シルバーレイク(2018年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ながーくて、変な夢みたって感じ。

ヒッチコックオマージュが濃いらしいが、「裏窓」も「めまい」もずいぶん昔に観たのでうろ覚え。ラストシーンはまんまだったけど。
私が思ったのは、「インヒアレント・ヴァイ
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春夏秋冬そして春(2003年製作の映画)

4.0

湖にたゆたう小さな寺に暮らす和尚と幼な子。
人の営みは繰り返す。
欲望は執着となり、執着は殺意を呼ぶ。

春、和尚の戒めキツすぎる。
夏、まぐわいの後に足でスリスリし合うのエロい。
秋、急にイケメン。
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19歳(2018年製作の映画)

3.0

「20歳になったら死ぬものだと思ってた」っていうセリフを使わずに、20歳になったら死ぬものだと思ってた女の子を描いてたら、すごく好きな作品になったかもしれない。

おばあちゃん女の子(2010年製作の映画)

3.5

おばあちゃんと呼ばれる妊婦(初期)、しゃべりかたは小学生男子。高野文子のマンガから出てきたみたいな女の子と一緒に猫を探す。なーご、なーご、猫を探しています。夫はBrasilのジャージで踊る。かれいの煮>>続きを読む

ジャーマン+雨(2006年製作の映画)

4.0

よしこ。林さん。ゴリラーマン。先生。
私だったらなんて呼ぶかなあ。
私も正座してトラウマを語って、たて笛吹きたい。四つ葉のクローバー探してることをダセェって言われたい。セブンの前で夕飯食べたい。だから
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桜桃の味(1997年製作の映画)

4.8

キアロスタミは、自身の作品に登場するのは人物ではなく(人の形をした)形象だ、と語っているのだそう。だから、これは主人公バディが車の中で、3人の男の形を借りて、自分との対話をしていたと考えても良いと思う>>続きを読む

お引越し(1993年製作の映画)

4.0

誰のお引越しなのかと思ったら、、

レンが立てこもりを企てるところは、両親に対して、自分の子供時代を奪わないでくれ、と必死で訴えているようだった。
そんなレンに対して、ガラス戸をかち破って、血だらけの
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健太郎さん(2019年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

話題の健太郎さんに、私もお目にかかりました。

ホラーは苦手で、普段はあまり観ないのですが、短編ということもあり、チャレンジ。

冒頭の食卓のシーンの画と不穏さが最高。あのシーンが撮れただけで、この作
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ごめん(2002年製作の映画)

3.8

なんてかわいいんだろ。
このふたりがそこにいるだけで良いのだ。
セイの眉毛八の字の顔と変声期特有の声が良い。ナオの強いまなざしと意志の強そうな顔のかたちが良い。
自転車って、なんでこんなに初恋に似合う
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ミセス・ノイズィ(2019年製作の映画)

4.6

騒音おばさん。当時、ワイドショーでさんざん取り上げられていた。私もリズム感が良いとか選曲が良いとか言って、珍獣を見るようにゲラゲラ笑って面白がっていた。みんながネタにして話題にしていたし、そうして良い>>続きを読む

おとなの事情(2016年製作の映画)

3.5

観たかったこの作品が配信にきたので、ワクワクしながら鑑賞したんだけど…
起こるできごとが、ほぼ想定内。
そのひとつひとつが結構おおごとなぶんだけ、会話劇とは言ってもそこまで突っ込んだ会話でもないし、人
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監督失格(2011年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

林由美香という人のことは、この映画で知った。
男たちに愛され、求められることで生きてきた人なんだなと思った。媚びるとか、おもねるとかいうのではなく、生きる手段として。

それは彼女の母親とは真逆なとこ
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誘惑のアフロディーテ(1995年製作の映画)

3.8

たぶん、当時レンタルビデオで観てるんだけど、全く内容覚えてなかった。

この作品はミラ・ソルヴィーノの魅力を堪能するためにある。と、私は思う。
当時、ミラ・ソルヴィーノといえばまさに彗星のようにあらわ
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百日紅 Miss HOKUSAI(2014年製作の映画)

3.5

さるすべりを百日紅と書くことは、このタイトルで知った。百日紅の咲く頃である今、この作品を観る。
百日紅の夏から、曼珠沙華の秋、椿の冬に、白木蓮の春。咲く花や、生まれて間もないであろう子犬の成長で、1年
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