湯っ子さんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

反撥(1964年製作の映画)

4.0

ヒロインの視点で描かれているからか、出てくる男たちがみんな気持ち悪くて、病みが進んでいく彼女の気持ちがすごく迫ってきた。おそろしいことに、彼女の見ている世界には私にもおぼえがあって、自分だってたまたま>>続きを読む

イレイザーヘッド(1976年製作の映画)

3.5

女の人って鬱陶しいよね、そのお母さんはそれに輪をかけて鬱陶しい。それにそのお父さんってなんにも話通じないしすぐでかい声出してうるさい。あなたの赤ちゃんとか言われてもイミわかんないしなんか気持ち悪いよね>>続きを読む

シェルブールの雨傘(1963年製作の映画)

3.6

あまりにも有名なこのミュージカル映画を初鑑賞。美しいテーマソング、カラフルなファッションとインテリアが目に楽しい。でも、こんなにずーっと歌ってるんだ…しかも、歌う必要ある?って会話まで(「満タンにしま>>続きを読む

ただ君だけ(2011年製作の映画)

4.0

ここまでの王道ラブストーリーは久々かも!
午前中に「かがみの孤城」を観に行って泣き腫らした顔のまま仕事関係の人に会って、その晩は本作を観てまた号泣するという…、まるで思春期かっつーくらい昨日は泣き通し
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かがみの孤城(2022年製作の映画)

4.8

たぶん泣くよなぁと思っていたから、タオルハンカチを2枚カバンに入れてやってきた近所のシネコン。客席には、10代の子たちが友達や親御さんと一緒に来ていたりして、ああこんな若い人たちとこの映画を一緒に観ら>>続きを読む

2重螺旋の恋人(2017年製作の映画)

3.6

これはミステリーなのかサイコサスペンスなのか…ホラーみもあり。もうね、導入部からソコへ導入するとは思ってもみなかったわ。
一歩間違えると下世話なエロチックスリラーになってしまうけど、短髪美女のヒロイン
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

4.0

初めて観たカウリスマキ作品、アマプラで100円レンタル!夜勤のお供に待望の再鑑賞。
…あれれ?こんなにツラい話でしたっけ?
ああでもたしかに、あんなシーンこんなシーン覚えてるぅ…若かりし私はこれをニヤ
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しあわせの雨傘(2010年製作の映画)

3.4

カトリーヌ・ドヌーブは当時65歳か…、もちろん堂々たる美貌と貫禄ではあるけど、この前当時87歳の草笛光子さんが、スリムな体型をキープしてツヤツヤな様子を見てしまったので、ずいぶんおばあちゃんだな〜と思>>続きを読む

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

4.0

いろんな人に頭下げて、現場を駆けずり回って、どうやったら上手く伝えられるかを考えて。めちゃくちゃ大変そう、でもいいなぁコレ、こういう忙しさって楽しいんだよね。チームでやるお仕事の醍醐味が詰まってた。私>>続きを読む

卒業(1967年製作の映画)

4.2

あまりにも有名なこの作品は、10代の頃にテレビで観たきり。私の記憶には、乳首につけた飾りをぐるぐる回す踊り子さんと、ラストシーンのふたりの微妙な表情しか残ってなかった。
だけど、今回初めてちゃんと観た
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フリーダム・ライターズ(2007年製作の映画)

4.5

なんと過酷な環境に生きている子供たち…彼/彼女らは自ら語るように、戦場に生きているみたいだ。「友達を庇って死ぬなら名誉」と発言する子がいる。武士道やら騎士道と同じ考え方。現代の法治国家にいるはずなのに>>続きを読む

老後の資金がありません!(2020年製作の映画)

3.8

入り口と出口が違う映画だった!いい意味で。
導入部のお金勘定はなかなかリアル。戸建ての頭金を親に出してもらってたら、そりゃあ見返りを求められてもしょうがないよね…

災難続き、出費続きな前半とは打って
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奇跡の教室 受け継ぐ者たちへ(2014年製作の映画)

3.5

教師歴20年、ベテランの女性教師が落ちこぼれクラスを率いて「アウシュビッツ 若者と子供」というテーマの歴史コンクールに出場するお話。
「パリ20区、僕らのクラス」が中学三年生だったから、これはその翌年
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パリの家族たち(2018年製作の映画)

4.0

面白かった。いろんな母親がいていろんな関係や価値観があるんだよね、って思わせてくれる。(イメージ的に)アメリカのハートフル作品だとそれを「認め合おうよ!」みたいなノリになるところを、それをしないで一歩>>続きを読む

(秘)色情めす市場(1974年製作の映画)

3.7

ロマンポルノの傑作と名高い本作。割と知られていることのようだけど、橋本愛ちゃんのイチオシなんだとか。

本当にたまたまなんだけど、「山の焚火」の後にこれを観たので、なんで私は姉弟のまぐわいばっかし観て
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アプローズ、アプローズ! 囚人たちの大舞台(2020年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

内容に触れています。









「じゃないといいなあ」…割と最初の方で思ったようになってしまった。囚人たちと演出家の出会いにはワクワクしたが、その後失速。何回もウトウトした。ヨーロッパでは良
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山の焚火(1985年製作の映画)

4.0

主演・岩、助演・動物たち。動物たち、の中にはもちろんこの山で暮らす家族も含めている。
人間を動物と同じと思うことを下等とみなすか、大自然の一部として神聖なものとみなすか。
だからこの作品の中のできごと
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SOMEWHERE(2010年製作の映画)

4.0

ダラダラ〜と眺めてるのにちょうどいいと思った。今日はこたつでウトウトしたかったから、すでに一度寝落ちしていたこの映画を再生。

ホテルの部屋に双子のポールダンサー、さすがに狭いスペースにしっかり筋肉が
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シャイニー・シュリンプス!愉快で愛しい仲間たち(2019年製作の映画)

3.9

面白かった!だけじゃなくて、人生讃歌でホロリとした。ちょうどこの前、麻倉未稀をテレビで見たばっかりだったんだけど、「ヒーロー」で泣くとは思わなかったよ。バスでの旅路が、大昔に観た「プリシラ」を思い出し>>続きを読む

ボルベール <帰郷>(2006年製作の映画)

3.8

ペネロペと姉妹には見えない超フツーな感じの女優さんが、友達にとても似ていたので、彼女のことを思い出しながら観た。彼女は27歳の時、当時付き合っていた彼からのプロポーズを断ってカトリックのシスターになっ>>続きを読む

どこへ出しても恥かしい人(2019年製作の映画)

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年末に日本映画専門チャンネルの予告を見て、楽しみにしてました、どれだけ恥かしい人なのかと。実際本作を観てみたら、子供のままおじさんになったような、好きなことだけに生きると決めたような、純粋である意味ス>>続きを読む

劇場版 荒野に希望の灯をともす(2022年製作の映画)

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「平和とは、理念ではない。現実の力です。」

敬愛するレビュワーのみなさんが次々レビューをあげている本作。昨年から気にはなっていました。今回、良きタイミングで鑑賞できて本当に良かったです。ご紹介くださ
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バッファロー’66(1998年製作の映画)

3.6

当時、おしゃれ映画として大人気なのに乗り遅れたので、今まで観てなかった〜。U-NEXTにやってきたのでさっそく鑑賞。
なるほど、面白い撮り方だったり、音楽の使い方がカッコよかったり、ヴィンセント・ギャ
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福岡(2019年製作の映画)

3.8

思い残し、心残り、後悔、悔恨。そういうの苦手。嫌な・辛い・悲しい過去を振り返るのは。
さいわいなことに、ここ20年ほどの私はけっこう現実世界が忙しかった。だから、過去のネガティブな思い出は、手付かずの
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インサイド・ヘッド(2015年製作の映画)

4.0

ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ビビリ、ムカムカの5つの感情が「チーム・ハッピー」として、少女ライリーの幸せのために動いているさまが胸を打つ。ぶつかったりケンカしたりしながらも、どの感情も「ライリーの幸せ>>続きを読む

逃げた女(2019年製作の映画)

3.4

主演のキム・ミニの絶妙なふつうっぽさと透明感、ひなたぼっこしてるみたいな光に包まれた映像、面白いんだか面白くないんだかわかんない会話、変なズーム、そんなところたちがなんだか心地良くて、そして77分とい>>続きを読む

廃市(1984年製作の映画)

3.6

こちらは大林監督の描く柳川。

死にゆく街に心を寄せたひとを住まわせておくことで、秘めた想いを永遠に閉じ込める。
恋人や結婚相手を自由に選べなかった時代は、そうするしかなかったのかもしれないですね。
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水の中のつぼみ(2007年製作の映画)

3.8

生まれ持った性を受け入れることや、じぶんの性的志向があいまいな状態の10代たち。熱を帯びた青々しさが匂ってくるようだった。
痛みの記憶がひとを大人にするのなら、私はそれを受け入れる。だって私には、しな
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群山:鵞鳥を咏う(2018年製作の映画)

4.0

作中のふたりが飲んでる場面がすごく好きで、いいなあって思いながら、帰りにはものすごく久しぶりにひとりでお店入って飲んじゃおうかなと思っていた。新宿で飲むのもひとりでお店入るのもそれが昼間なのも、ものす>>続きを読む

柳川(2021年製作の映画)

3.8

チャン・リュル監督舞台挨拶付き先行上映にて。

チャン・リュル作品は、つい先日「春の夢」を初めて観たばかり。他の作品を調べていて、この先行上映のことを知った。休日だったのでこれはチャンス!と行ってきま
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PK(2014年製作の映画)

4.0

「きっと、うまくいく」ではスーパーヒーローだったアーミル・カーン、今度は宇宙人⁉︎ということで、他には知識を入れずに鑑賞。
冒頭の「いかなる宗教を傷つける意図はありません」の但し書きから、ん?と思って
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春の夢(2016年製作の映画)

4.0

あなたはいつからいて、いついなくなったのか。
どこからが夢で、どこまでが夢なのか。
昼酒に酔うようなけだるさ。陽だまりでとろとろとまどろみ、肌寒さに目が覚める。
これは夢だと知っているけど、いつか終わ
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マルコムX(1992年製作の映画)

4.3

所属する団体や宗教を変え、主張を変えても、常に彼の芯にあるものは変わらないように感じる。
自分ひとりの尊厳を求めるところから始まり、アメリカに生きる黒人の尊厳へ、そして最終的には人種を超えた全ての人々
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きっと、うまくいく(2009年製作の映画)

4.2

だってもう言い切っちゃってるんだもん、これでいいのだ。うまーくいーく!
映画のシアワセが詰まってた。笑って泣いて、歌って踊って。おとぎ話みたいだけど、舞台は間違いなく現代のインドで、明確なメッセージを
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不気味なものの肌に触れる(2013年製作の映画)

3.6

よくわからないから、見たまま・印象に残ったままを書きます。
なんかホラーみたいでもあった。思わせぶりなエピソードやセリフが散りばめられ。なにやらセクシャルな空気を漂わせて。
染谷将太は酩酊したような目
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天国はまだ遠い(2015年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

相合傘の帰り道のあのセリフからタイトルにつながるのが意外だった。
五月と雄三の抱擁の時、カメラに映っていたのがふたりの下半身なので、これで雄三の性的不能が治るのかなぁ、なんて思っていた。「えっ…、なに
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