ゆきのすさんの映画レビュー・感想・評価

ゆきのす

ゆきのす

(2023年製作の映画)

4.0

どこにも英雄などいないのだ。見たかった時代劇映画に近いものを見せてくれた。万人受けを全く狙わない姿勢。ゴジラ-1と対極。現代語訳された実録戦国時代。戦国時代の命の軽さを思い知れ!

石の微笑(2004年製作の映画)

3.4

センタは序盤地味な印象だが、魅力を爆発的に上げていく。イカれヒロインに目がない自分にビビる。「大切なのはあなたと私だけ」愛に証明が必要だと思う人は、彼女だけではない。こわいのお。

ウディ・アレンの影と霧(1992年製作の映画)

3.6

ウディアレンは世界一逃げる姿が似合う。ミアファローはやはりとてつもなくキュート。サスペンスなのだが男と女の人生喜劇。ところで、殺人鬼はどこへ!?どうでもいいけどね〜。

マーシュランド(2014年製作の映画)

3.2

全てをケムに巻くスタイル。何通りもの(何十通りかも)真相を提示してくる。絶対にスッキリしない骨太ミステリー。ちょっと思わせぶりが過ぎる気もするが、執拗な空撮映像が印象的。

さらば、わが愛 覇王別姫(1993年製作の映画)

3.9

淡い映像が染みまくってくる。怒涛の中国近代史に飲み込まれる恋人たち。トニーレオンがこの役を演じた事がこの作品の奇跡であり至福でもある(悲劇とは思いたくない)。

獣の戯れ(1964年製作の映画)

3.3

文芸作というよりは怪作でしょう!若尾文子の夫を愛するあまりの異常行動と私は解釈。狂った三角関係というより、若尾の偏執愛故のとんでも大悲劇。出演陣揃っての怪演ぶり。面白い〜。

素晴らしき、きのこの世界(2019年製作の映画)

3.8

地球を支配していたのはキノコだった!ナウシカやマタンゴに思いを馳せる。そして、キノコに取り憑かれた人々は次々とハッピーになっていく。俺にもキノコを!!好奇心が爆発したよ。

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

「戦争は終わってない」を徹底的にドラマ化した家族映画と思う一方、再生するゴジラとヒロインのケロイドは、実は一度やってしまった過ち(戦争、核)は終わりがないのだとの強い主張と感じた。

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-02 暗黒奇譚!蛇女の怪(2015年製作の映画)

3.5

這いずる蛇女すげえ!!今度は宇宙だよ(だよね?)トンデモ展開に次ぐトンデモにまたまた癒されました。ありがとう白石監督。

戦慄怪奇ファイル 超コワすぎ! FILE-01 恐怖降臨!コックリさん(2015年製作の映画)

3.5

先頭に行かされる市川さんが最高。まさかのにんにくパワー。ころり笑 もはや癒しの白石晃士ワールド。

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)

3.1

リドリースコットらしさは感じないが、とてつもなくよくできた脚本。ぐいぐいくる。クソ女というパワーワード!!支配者は自分の作ったシナリオで主役でいる事が生きがい。ぶるぶるっ。

ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年製作の映画)

2.0

ミシェル目当てで見たが…。このシリーズの彼女にあまり魅力は感じられないなあ。やり過ぎアクションは、トムとジェリーを実写で見てる感覚になった。合いません。すみません。

ウイークエンド(1967年製作の映画)

3.4

ドタバタブラック珍道中。思想にどっぷり上振れしてるモンティパイソンというか人の死を軽々とギャグにする赤塚不二夫風というか。難解で理解は追いつかないけれど、キャッチーなゴダール作品。

ザ・ブルード/怒りのメタファー(1979年製作の映画)

3.4

まさに驚天動地怒涛のクライマックス!!! 生理的に見たくないものを具現化する快楽を求めている奇人というか異常の監督。好きか嫌いかというとかなり好き。

さらば愛しき女よ(1975年製作の映画)

3.3

ハードボイルドに必要なのは、ローテンションなんだ!映画そのものがクールで抑揚が少ない。じわっと見れる。最近の映画はやたら盛り上げ、麻薬物質を使ったように興奮させる。それでいいのか。

X エックス(2022年製作の映画)

3.1

散々見てきたシチュエーションながら手に汗握った!なんといってもおばあちゃんのダンス。洗練された奇妙さ。釘を踏むシーンが一番怖い。いずれ何もかも色褪せる。←おーのー!!

ひつじ村の兄弟(2015年製作の映画)

4.1

羊の走る姿の愛らしさ!歪み合う兄弟もなぜかまた愛らしい。が、愛の物語ではなく荒野の寂寥にしか生きる事が出来ず滅んでいく物語。断ち切れない宿命への抵抗なのか和解なのか。

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.2

ね!の場面が最も凶悪。エスターがジョボォビッチ並に強過ぎだが、このくらい荒唐無稽でないと悍まし過ぎてついていけないのかもなあ。それにしてもこの展開、よく思いつくなあ。楽しいと感じるのは悪趣味でしょうか>>続きを読む

閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)

3.6

平山節、手堅い落ち着いた演出。それに応えた役者陣の頑張り。強制収容される病院ではないのがややその意味は分からない。逃げるべき場所なのか、逃げられない場所なのか、逃げ場などどこにもないのか。

ロルナの祈り(2008年製作の映画)

4.2

通常の映画だと、この展開なら必ず描写する場面をいくつもスキップする。行間というよりは、喪失したシーンの幻影を頭に描いてこの映画は続きを追い思いを追い未来を追う。罪の意識なのか想像を遥かに超えた愛情だっ>>続きを読む

STAR SAND 星砂物語(2017年製作の映画)

3.0

主演の織田さんの眼力だけで合格!という気分に。現代パートは蛇足気味だし戦時の厳しさに関する甘さも見えるが、生臭く血みどろを描けばいいというものでもないと思ったりする南の島の青さ。

君たちはまだ長いトンネルの中(2022年製作の映画)

2.5

こういう作品をもっと自然な感じで形にできたらいいのにと強く思う。至極当たり前な事を訴えているのに、とてつもないプロパガンダ臭と気持ち悪さはなんだろう。

ハンナとその姉妹(1986年製作の映画)

3.9

たわいもないホームドラマの筈なのになぜか面白い。目が離せない。家族親族だからこそ?の悲喜交々。ウディアレン世界の恋愛事は常に自由奔放だが、自由自在にならない事だけはよく分かる。

さかなのこ(2022年製作の映画)

3.1

主人公は自閉を生きているが、周りの人たちがもっと社会的でないと物語全体が嘘に見えてしまうような。みー坊以外はエグくキツく描いた方がよかったのでは。母親だって辛い事いっぱいあっただろう。背景はきっと暗い>>続きを読む

オフィシャル・ストーリー(1985年製作の映画)

3.2

アルゼンチンの歴史の闇。国の数だけ、歴史の波だけ汚点があるのだ。どこの国にも。他人事ではない。映画はやや淡々とし過ぎてたがずしりと重い。

ハケンアニメ!(2022年製作の映画)

2.2

なんで覇権取らなきゃいけないのか分からない人間なので熱過ぎる展開にぐったり。徹底的に分かりやすい親切設計には辟易した(コージーコーナーのエクレアとかリア充に関する説明とか)。

街の上で(2019年製作の映画)

3.4

友人と友達の違い!笑 同じで良かった〜。(アメリカの友人) たわいもない話のたわいもなさがなんだかとてつもなく楽しい映画。若者ばかり出てくるのにもやもやしますが。女性陣みなよき。

PLAN 75(2022年製作の映画)

3.4

倍賞さんのリアル感。ボーリングのシーンがよいなあ。細かい事を突っ込むよりも、真剣に考えるべき事がある。物語や設定のリアリティより、我々が直面している社会と老人の問題、そこここにいる人々のもやもや。

kitchen キッチン(1997年製作の映画)

3.0

果てしない優しさは媒体や製作国が違っても同じ。もっとお国柄みたいなものを感じたかった。富田靖子は、笑顔を封印した表情に底知れぬ味わいがあるタレント。

ホテル・ワルツ(2007年製作の映画)

3.0

イタリア人情話。全編1カットの意義は不明だがよくできてる!過去の出来事もそこに含めるのは圧巻。実際はズルしているだろうが。イタリアのお国柄も伝わってくるが、どこの国も労働者たちの生き様は似ているかもな>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

自分たちが変わるんじゃない。世界が変わるのか。普通って何か。
日本社会そのものが怪物。誰もが怪物。怪物たちの暮らす世界がここ。新編小さな恋のメロディを見た。

友よ、静かに瞑れ(1985年製作の映画)

3.2

男気200% 「賭けなくちゃいけない時があるんだ」これができちゃうのがハードボイルド。自分の人生に賭けるチャンスがあったのかどうか思い詰めてしまったよ。ハードボイルドはしんどくて深い。

春、バーニーズで(2006年製作の映画)

3.7

登場人物たちを常に街の風景の一部として描く達人。「もう一つの時間」それは誰にでもあるのだ。現代では、もう一つどころか三つも四つも持つ人が殆どだろうなと思わずにいられない。混乱させておいてやりたい」親心>>続きを読む

TOVE/トーベ(2020年製作の映画)

3.3

彼女は流行作家や児童文学作家ではなくて、どこまでも芸術家だ。タバコを吸う姿が良すぎる(彼女は晩年までベビースモーカー)。芸術家の愛とジェンダー。自由に生きるって、自由と戦う事なのだ。

最後まで行く(2014年製作の映画)

3.0

すげーよくてきたノンストップサスペンス。しかし軽い。軽すぎ!主人公がかなりの悪人である事を忘れがちになる程の軽量ぶり。不運とどう向き合うかで人間性が試されるという事だよなあ。

冬の旅(1985年製作の映画)

4.0

自由とは不自由でもある。勝手気ままな彼女の振る舞いを肯定も否定もしない。素性も理由も一切語らない。彷徨って野垂れ死ぬ事を淡々と。私は彼女が不幸とは思わない。素敵な生涯と、強く感じた。

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