橋口幸生さんの映画レビュー・感想・評価

橋口幸生

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マリウポリの20日間/実録 マリウポリの20日間(2023年製作の映画)

4.5

ロシア軍包囲下の街にただ1人残った記者が撮った「マリウポリの20日間」。

戦場でも何でも無いアパートや病院を戦闘機やミサイルが襲い、妊婦や子どもが命を落とし、Z印の戦車がカメラに砲塔を向ける。ニュー
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

5.0

まず言いたいのは、日本公開延期騒動はなんだっんだ?というくらい、広島と長崎への原爆投下や核兵器そのものに批判的な映画だということ。

作品のスタンスは、登場人物が涙ながらに言うこのセリフで、明確に示さ
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

4.5

映像、音楽、ともに世界最高峰。「現時点でこれを超えるものはない」と言われて反論する人は、それほどいないと思う。

出し惜しみ感があった前作と違い、今回は一般の人がDUNEと聞いて想像するものは、ほぼ全
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

2.0

前評判が最悪だったので覚悟していたが、これはなかなかだった。

死んだ目で支離滅裂な行動をする主人公

(悪い意味で)全く予測のつかないストーリー

痴漢・変態にしか見えないヴィラン

強引すぎるペプ
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.5

これは素晴らしかった。ほのぼのとした友情を描く粋な小品、みたいな映画を予想していたら全く違った。スローテンポながら物語は二転三転し、予想外の展開を見せる。ユーモラスでレイドバッした語り口ながら、全編を>>続きを読む

市子(2023年製作の映画)

1.0

高く評価されている作品だが、僕にとっては今年ワースト。受け入れがたい作品だった。

怒りの評論がバズっていた「月」と全く同じ問題を抱えた映画だと思う。映画としての演出のセンス、たたずまいは本作の方が優
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私がやりました(2023年製作の映画)

4.0

これは素晴らしかった。あきらかにワインスタイン事件をモデルにした性加害事件や#MeToo運動、メディアが煽る過剰な承認欲求など、ここ最近、映画界が描いてきたテーマを、軽妙なコメディ/風刺劇として描いて>>続きを読む

ザ・キラー(2023年製作の映画)

4.0

漫画でも映画でもコスられまくりの殺し屋ものながら、普通描かれない段取りや下準備、待機時間にフォーカスをあてているのが面白い。自己啓発本に載っていそうなノウハウを暗唱しながら仕事をする姿は、意識の高いビ>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

3.0

僕自身は、世間で言われているほどマーベルが不調だとは思わない。ただ、これは看過し難い出来だった。。。作品のクオリティ以前に、ヒーロー映画として致命的な欠陥がある。

それは「キャブテン・マーベルの独善
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.5

予告編の印象が悪かったのであまり期待してなかったが、これは面白かった。
主人公が過去のトラウマを乗り越え成長する、娯楽作品としてソツなくまとまったストーリー。各キャラクターの行動原理もしっかりしている
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砂の器(1974年製作の映画)

4.5

地味な話だなぁ。。。と思って観ていたが、終盤の演奏シーンからほとんど別の映画になり、ポロポロに泣いてしまった。映画館で見てたら立ち上がって拍手していたと思う。こういう瞬間を味わいたくて映画を観てるんだ>>続きを読む

ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

3.3

アキラ、ブレードランナー、スター・ウォーズ、エヴァなど、「俺のやりたいことを全部やったった!」という迫力を感じさせる、オタクの夢のような映画だった。

正直、目新しい要素には欠けるものの既存の要素のコ
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(2023年製作の映画)

3.5

まず、この題材を映画にしたというだけでも制作陣に敬意を評したい。単館のインディーズ映画ではなく大作として全国公開されることを目指したとインタビューでも語られていて、その志も立派だと思う。僕が観た回は満>>続きを読む