YukiSanoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.9

永遠の0+朝ドラ×ゴジラ=−1

日本映画の悪い所を全て再現する男、山崎貴監督が遂に満を持してゴジラを監督する。

シン・ゴジラが封印した日本メジャー映画の大仰な演技と泣き&泣かせ演出のツルベ打ち。こ
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

私はかつて、ボランティア兼ドキュメンタリストとして東北被災地に3年間ほど滞在し、後に広島や熊本など被災地を巡った。

ドキュメンタリーを作るものとしては被写体と程よい距離感が必要なのだが、現地に住んで
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タンポポ(1985年製作の映画)

4.4

ラーメン・ウェスタン
奇跡の傑作。

寂れた女性ラーメン屋を1人前にするために集まったラーメン道を極めんとする男達の物語。

そして、その本筋とは関係のない食にまつわるエピソードの数々。シュールなはず
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バレリーナ(2023年製作の映画)

3.4

プロミシング・ヤング・ウーマンをジョン・ウィック化したみたいな話。

シスターフッドなアクション映画として時流に乗った設定で、見え見えなイマドキ映画だが女性の奴隷化がけっこう心に来る悲惨さ。

韓国映
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フェイブルマンズ(2022年製作の映画)

4.4

スティーブン・スピルバーグとは、自分の作品の中で自分と対話する男である。

最近では「レディ・プレイヤー1」という作品で、若い頃の自分と現在の自分となるキャラクターが互いに話し合い助言するという奇妙な
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シャドウ・イン・クラウド(2020年製作の映画)

3.4

空のダイ・ハード+モンスター

太平洋戦争中に極秘指令を受けたと言う女性兵士を乗せた航空機に襲い掛かる謎の影と日本軍。彼女が抱えた秘密とは?

と、ここまで書くとスパイものと思うが、実は密室ホラー戦争
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ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

3.7

巨大な宇宙人に飼育されている人類を描いたカルトSFアニメ映画。ダリが描いたみたいな風景の中で淡々とシュールな地獄を見せられる。

ペットにされたり、害虫駆除的に間引かれたりしてる人類を見ているだけで胸
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白鳥(2023年製作の映画)

3.5

ウェス・アンダーソンの朗読型短編映画シリーズ第二弾。

もう「フレンチディスパッチ」で開発した映画の形をした『本』を印撮することにしか興味を持てなくなったかのような独走っぷり。

第四の壁を超えるカメ
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.8

世界で1番オリジナリティがあるかもしれない映画監督ウェス・アンダーソンがNetflixでやりたい放題やった短編映画。というか映像絵本。

ベネディクト・カンバーバッチがドクターストレンジみたいな胡散臭
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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

4.5

バカ映画史上初のアカデミー賞総ナメ映画。

おバカなのに哲学。
形而上学的にチ◯コ丸出し。
深いのか浅いのか分からない難解さと単純さ。
エンタメとアートの融合にバカを振りかけたら出来てしまった唯一無二
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ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE(2023年製作の映画)

4.0

映画史最後の活劇映画シリーズ。
活劇映画と呼ぶに相応しい映画は今は年に何本見れるだろうか?

かのインディ・ジョーンズがCGまみれになり、スーパーヒーロー全盛期になって、純活劇映画と呼べるのは、この「
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インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(1984年製作の映画)

4.0

スピルバーグのゲテモノびっくり箱。

ジョージ・ルーカスにダークなものを作ってと言われて、何故か明るくしてしまったスピルバーグの支離滅裂な演出が逆にカルト色高めに精製されたジェットコースタームービーの
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バービー(2023年製作の映画)

4.1

「2001年宇宙の旅」のOP『人類の夜明け』(DAWN OF THE MAN)のパロディから始まったバービー人形人類化計画。

MAN(男性)=人類って女性差別的だよねって思い出しながら、女の子達が赤
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君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

3.0

宮崎駿死して、来世に飛び立つ
そんな言葉が浮かび上がる。

思えばポニョやハウルの頃から、半分あの世に足突っ込んだような作品だった。ようやくお帰りになるのですね。と僕は感じてしまった。

既に死んでい
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ブレードランナー(1982年製作の映画)

4.5

映画史最高のSF映画。
マイベストムービートップ3(ただし最終版が)

何十回目か分からないけど再鑑賞。
今回は劇場版で。

死ぬほど好きだから、誤解を恐れずに言うと、ブレードランナーは凄まじい映像を
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

3.3

現代は人類史の中でも空前の仮面ブームだと思う。

そもそも仮面の起源は古代に始まり、鎧武者や騎士など世界中に仮面の痕跡は残っている。古代の人は仮面の中に畏怖と尊敬を重ねていたのだろうか。

仮面の中の
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別れる決心(2022年製作の映画)

4.3

極上のプラトニック不倫サスペンス。

増村保造の「妻は告白する」と「氷の微笑」をヒッチコック風味で一緒に煮込んだみたいな映画。B級映画マニアだというパク・チャヌクの千変万化する万華鏡のような演出に酔し
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セブン(1995年製作の映画)

4.7

サイコパス映画の金字塔。
日本ではバブルが弾けオウム真理教事件と阪神淡路大震災の世紀末な空気感の中で公開。エヴァンゲリオンとほぼ同じ時期に社会現象を巻き起こした。

中2だった頃にいち早く予告編を見る
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アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

3.4

小さき者の心を忘れたスーパーヒーロー。

極小ヒーロー「アントマン」シリーズの良さは、その小ささから他のヒーローにはない葛藤と大きい者には見えないものに気付く視点があるからこそ輝く。

もし、そこが無
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

3.9

クソZ級映画みたいなネタに哲学的な暗喩とメタファーをブチ込みまくった怪作。

カメラのイメージセンサーが襲ってくる。

やってることはクソサメ映画と同じなのに、IQ高いので考察厨たちの心を乱しまくるジ
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

4.5

友達のバンドが解散LIVEツアーするっていうんで初日に駆けつけたノリで観た。これだけは絶対に箱で見なきゃと思い嫁と子どもを置いてきた。

ガーディアンズってバンドは喧嘩ばっかするんだけど、奏でる音楽は
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四月物語(1998年製作の映画)

3.7

若かりし松たか子が可愛すぎるだけの映画なのだが、だからこそ奇跡のように美しい瞬間が現れる。

物語らしい話が何もなく、ただただ実験的な岩井印の映像が流れていく。唐突なジャンプカットや、明らかに鏡を使っ
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エンパイア・オブ・ライト(2022年製作の映画)

3.9

フィルムには一瞬の闇が入っているけど連続で動く時には、その姿は見えなくなる。

それは人生も同じ。フィルムチェンジのように移り変わる。一瞬は過ぎ去って、また新しい局面に変わる。

出会って別れて、何が
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フルメタル・ジャケット(1987年製作の映画)

4.6

30年ぶりに鑑賞。13歳の頃、母と一緒に見て気まずかった思い出とともに30年経っても覚えている強烈なシーンと、すっかり忘れていた意外なシーンを観て、印象が色々と変わった。

これは戦争映画というより、
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雨月物語(1953年製作の映画)

4.4

そう言えば見てなかった映画史上最高の名作の1つ。

見始めは羅生門より緩いかな、とか思ってたけど見終わると同じくらい大傑作。

何も情報を得ずに見たから予測不可能な話の展開だった。まぁ、でも確かに湖あ
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ONE PIECE FILM RED(2022年製作の映画)

4.0

ONE PIECE+パプリカ+まどマギ
混乱と狂騒のバトルミュージカル。

完全商業主義の中に破滅的芸術が混ざり合って矛盾した異物が混ざり合っている。日本人に夢を見ろ!といったビューティフルドリーマー
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触手(2016年製作の映画)

3.3

SFエロティック触手不倫スリラーなのにベネチア映画祭で監督賞を取った変なアート映画。

触手ものアダルトビデオに興味ない自分なのだが、この作品はその方面のフェチズムを刺激する話ではないのは分かる。とい
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ジュラシック・ワールド/新たなる支配者(2021年製作の映画)

3.7

恐竜イナゴ・スリラー
そう言うと先日観た恐竜神父と変わらないZ映画に聞こえるが1億倍くらい超大作。

死ぬほど悪い評判を聞いて、全く期待してなかったら結構たのしめた。ジュラシックシリーズに何の愛着もな
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必殺! 恐竜神父(2018年製作の映画)

2.1

素敵なクソZ級映画。
神父が中国で恐竜になる呪いを受けて、高学歴売春婦と共に忍者軍団と戦う物語。

オープニングに衝撃的な爆破シーンがあり、そこで度肝抜かれ夢中になった。というか吹き出した。あれはズル
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プロミシング・ヤング・ウーマン(2020年製作の映画)

4.0

地獄のハングオーバー。

多分、今1番 性差別についての映画で代表格とは何かと考えたら これだったので遅きに失したけど鑑賞。

ここ数年はハリウッドで性差別と人種差別への考え方や水準が大いに変化した。
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ライトハウス(2019年製作の映画)

3.5

地獄岬 悪夢の灯台

怪奇 灯台守りの恐怖

みたいなタイトルが似合う怪奇映画。

だいぶ期待して見たら、男根の象徴とか分かりやすいメタファーで色々と考察を促す作りにはしてるようで実際には監督の悪趣味
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ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー(2022年製作の映画)

3.9

ブラックパンサーの使命とは何か?

何を護るためにいるのか?何を伝えるのか?

主演俳優を亡くした中で、恐らくライアン・クーグラー監督は死ぬほど向き合ったに違いないことが伺える。途中の急な予定変更を感
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THE FIRST SLAM DUNK(2022年製作の映画)

4.3

漫画革命 起こる。

SLAM DUNKが好きすぎて観るのを躊躇して公開2ヶ月ほどしてようやく鑑賞。

小学生の頃からリアルタイムで読んで高校生で完結したSLAM DUNKは、歳を重ねるごとに良さが身
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ちょっと思い出しただけ(2022年製作の映画)

3.8

伊藤沙莉 元カノシリーズ

「僕たちはみんな大人になれなかった」と同じコンセプトで伊藤沙莉がまたも元カノというマルチバース設定のような邦画。

伊藤沙莉は元カノ女優の位置を不動のものにした感あり。今度
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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

3.4

今、日本映画界を席巻するジャンプヒーロー映画の1角。個人的にMCUに対抗しうるコンテンツは全世界で実はジャンプヒーローズだと密かに思っている。鬼滅に続いて全米週末ナンバー2を奪取している。

インド映
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アバター:ウェイ・オブ・ウォーター(2022年製作の映画)

4.4

映画を観たのではない、奇跡を見たのだ。

そんな想いにどっぷり浸かる3時間の別次元体験。そこに存在し触れられそうな実存感のある3Dは、ついに完成形へと辿り着いた。本当にアバターに乗って別の惑星旅行に行
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