yukkeさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

TUESDAYGIRL(2011年製作の映画)

3.2

監督の撮りたいことはずーっと変わってないんだな。
好きっていう確かなはずの気持ちの輪郭が曖昧になる。わかるはずの、わかっているはずのことが、確かだと信じて疑わなかったことが、実はよくわからない不確かな
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ひとよ(2019年製作の映画)

3.5

どちらの地獄を選ぶのか。その決断を下す責任を自分が負うことが正しいと信じた母親を恨むのか、感謝するのか…家族とは、呪縛のような、逃れられない運命のようなものなのか。
役者が揃ってるので重量感も半端なく
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ブラック校則(2019年製作の映画)

3.5

ちょっと綺麗にまとまり過ぎてるラスト(壁のシーン)も微笑ましく思えるほどの良作。
校則に縛られている彼らだけの問題じゃなく、閉塞感に支配された日本社会の縮図のようにも。

好き、が最強。間違いない。
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ラストレター(2020年製作の映画)

4.0

一連の奇跡のような出来事を経て、颯香の心情が変化する様に感動する。乙坂と鮎美の会話を横でじっと聞いている颯香の表情をしっかり収める岩井俊二の、多感な時期の子どもの描き方はやっぱり好きだなと思う。"Lo>>続きを読む

mellow(2020年製作の映画)

3.8

「知らない、ふたり」のその先で、今泉監督がどストレートを投げ込んできた感じ。
ソファーで3人で座る構図が2回、つまり、夏目は2度同じような状況に置かれるわけだけど、想いの関係性で相手2人の座る位置が違
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エレファント・マン(1980年製作の映画)

4.5

4K修復版にて十数年振りに改めて鑑賞。映画館で観れたことも最高だけど内容も改めて素晴らしい。
人間の醜悪な部分も、そして美しい部分も。全て描かれている。
「人間は理解できないものに恐怖を感じるんだと思
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オーファンズ・ブルース(2018年製作の映画)

3.2

豊島美術館前の、海に消えていくような坂道が印象的。あのヴァニシング・ロードを、記憶を失っていく病のエマと重ねる。
しかし作品としては、少し言葉足らずな気がする…ただ、次の作品も観てみたいと思わせる監督
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パラサイト 半地下の家族(2019年製作の映画)

4.2

物理的な高低差を社会的な格差にそのまま反映させているのは分かりやすくてよいなと。逃走場面でようやく明らかになる高低差に愕然とする。
なにより、痛烈なメッセージを込めつつ、エンターテインメント、サスペン
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年製作の映画)

3.5

Qも観てたつもりだったけどどうやら初だった…新作の前に。

存在のない子供たち(2018年製作の映画)

4.5

複雑な歴史が積み重ねられた、簡単には理解の及ばないようなレバノンの過酷な現状と、出生記録すら残されていない子どもたちの姿に言葉を失う…
ゼインの絶望感に支配された目も、他人の赤ん坊をあやす優しい姿も、
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CLIMAX クライマックス(2018年製作の映画)

2.5

バッド・トリップにも程があるだろ…
外界から遮断された中で繰り広げられる人間の狂気みたいな世界を描くなら、ドラッグは必要不可欠な要素でもないし。なんだかな、って。

後からだとみんな理解不能な状態にな
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黒い司法 0%からの奇跡(2019年製作の映画)

4.2

実話に基づいたストーリー。月並みだけど、まさに今観るべき。
白人の警察署長と弁護士の、アラバマ物語に対する認識と態度が、当時のアメリカ南部の世間の空気を端的に表しているんだろうし、それは今も根強く残っ
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家族を想うとき(2019年製作の映画)

4.0

観るものを置き去りにする終わり方の、その残酷さがこの映画のすべてを語るよう。
自分自身と家族の時間を犠牲にしても。そのことをわかっていても。
いわゆるエッセンシャル・ワーカーの、過酷な労働環境と報われ
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ニワトリ★スター(2018年製作の映画)

3.2

あれこれてんこ盛りのやりたい放題。さすがにちょっとカオス過ぎる…けど、シーンの時間配分が違ったら随分印象も変わりそうな。
成田凌が人気がある理由はよくわかった。
2yangがロゴやってんの知らなかった
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言の葉の庭(2013年製作の映画)

1.8

やっぱり「大丈夫」が引っかかる。"君の名は"にはこの台詞あった?万葉集から跳躍してのストーリーだけど2人の年齢設定は歌と関係ないよね?だとしたらもうそれだけで個人的にはアウト。
"天気の子"、"秒速〜
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ロニートとエスティ 彼女たちの選択(2017年製作の映画)

3.8

生まれた時から人生が定められているような敬虔なユダヤ教の閉鎖的なコミュニティ。
そこから去ったものと、残ったものの間。
伝統を守ることと、ひとりの人間としての当然の自由と選択の権利が与えられて然るべき
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NIGHT HEAD(1994年製作の映画)

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なぜかふと思い出した。当時は夢中で本も読んだな〜(プラケース入りの単行本みたいなの)
これも観た。

5つ数えれば君の夢(2014年製作の映画)

3.5

東京女子流って4人も全然知らないで観たけど、全員、とくに新井ひとみのダンスのシーンは、"おとぎ話"の趣里に続く山戸結希マジックというか。とにかく美しい。
女子高のミスコンっていう超閉鎖的な設定も自分に
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

3.5

とことんコミカルに、バカっぽく描かれるヒトラーとナチスがいい。残虐な言動を軽いノリにすることで、余計にその狂気を際立たせるような。

わたしは光をにぎっている(2019年製作の映画)

3.8

時代の流れ。再開発。グローバリゼーション。変わっていく街並み。オリンピック。
失われていくものの代表格ともいえる商店街、個人商店、そして銭湯。街の映画館。そこにある生活。
口数少ない、松本穂香のピュア
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Give and Go - ギブアンドゴー -(2008年製作の映画)

3.2

「お互いもう少し歩み寄る勇気があれば、世の中もうちょっとよくなるんやろうけどな」っていう夏希の父のラストの台詞がすべて。
義務教育段階で身近な差別について学ぶにも良い作品かと。

橋本愛ファン目線では
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花様年華(2000年製作の映画)

4.0

ふたりの微妙な心情の変化を、ときに背中から、ときに鏡越しに。
クリストファー・ドイルの幻想的な映像が手伝って、劇中のトニー・レオンと同じように、観ているこちらも、これは夢か現実か?ってなマジックに引き
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次の朝は他人(2011年製作の映画)

3.8

毎日リセットされる関係性に混乱するけど、実際には、とある1日が、偶然の重なりでどう変化するか、ってことなのかな…
しかしまあホント美人好きな監督でクズで最高だな。

アメリカン・アニマルズ(2018年製作の映画)

2.8

退屈から抜け出そうとなにか"デカイ"ことをしようとする若者。恵まれているが故に、自分たちが生活の中で獲得できない破天荒さに憧れる若者。いっときの高揚感と、その代償の大きさ。
本人たちが回想して語りつつ
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きょうのできごと a day in the home(2020年製作の映画)

3.5

大学生たちの何気ない日常を描いた"きょうのできごと"。その続編として、YouTubeで公開されたこの短編は、制約のある中、コロナ禍での日常を描くなら、というサンプルをいち早く提示した作品なのかなと。>>続きを読む

アウトブレイク(1995年製作の映画)

3.0

ホット・ゾーンがまた話題になってるのと同様に、これもいま観るとウイルスの怖さと人間の弱さを改めて考えさせられる。そして、コロナ禍は決して戦争ではない、ということを思う。あと、トランプなら司令官と同じこ>>続きを読む

蜜蜂と遠雷(2019年製作の映画)

3.2

フックになる重要なセリフが割と読めてしまってちょっと冷めたかな…
しかし、途中から松岡茉優が上野樹里にしか見えなくなってくる…"のだめ"と出演者もひとり被ってるし。

世界は音で溢れてる。その音を楽し
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見えない目撃者(2019年製作の映画)

3.5

サスペンス目線で観るとちょっと強引かな…って思う点もあるけど、それを凌駕するような吉岡里帆の熱量にびっくり。直接的な描写も多くてちょっと怯むけど、これなかなかのチャレンジ作品だな…
音と情報で脳内にア
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さよならくちびる(2019年製作の映画)

3.2

ただ日々が流れているその事実を伝えることに徹するように、ライブの日時と会場をシンプルで温度感のないゴシック体で知らせるテロップがいい。それとは対象的な、クラシカルな明朝体で流れる詩とともに、飾らないフ>>続きを読む

秒速5センチメートル(2007年製作の映画)

2.2

"君の名は"と"天気の子"のような、人知の及ばない存在や宇宙や神話や伝説にロマンを求めるイメージは控えめな印象(これが新海誠3本目の鑑賞)だけど、"天気の子"でひっかかった「大丈夫」ってワードがここで>>続きを読む

天気の子(2019年製作の映画)

2.0

なんやかんやで最終的に「大丈夫!」って何やねん…
"君の名は"以上にスッキリしないな。
キャッチャー・イン・ザ・ライの文庫本はアレ何だ?って考えてるけど、そっちもどうも良くわからない。家出をした帆高の
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マチネの終わりに(2019年製作の映画)

3.5

人生は、ままならない。けど、辛く悲しい出来事も、その後の生き方でかけがえのない思い出に変えていくことができる。人は未来だけでなく、過去をも変えることができる。
もちろん理解できるけど、それ以前にこの話
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