yukoさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

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羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来(2019年製作の映画)

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共存する、とは人間が決めたルールの枠内で妖精が生きるということなのだと監督は言いたいのだと受け取りました。妖精たちは終始、人間が理解できるような行動と言動しかせず、コントロール出来るものとして描かれて>>続きを読む

ブラインド・マッサージ(2014年製作の映画)

3.8

あのマッサージ店の皆んなにとってはシャオマーは幻みたいに消えたけれど、シャオマーにとっても見えなかった時間は幻みたいで、だから最後に台詞はなくずっと静かに流れる曲と映像は本当にすごく良くって百万回でも>>続きを読む

わたしたち(2016年製作の映画)

5.0

とても素晴らしい映画でした。
何度そのひとに傷をつけられても、私がそのひとに傷をつけても、私はそのひとが好きで一緒に“遊びたい”。だからユンはやめない。まわりの人間がそれをみていると、ソンやお母さんみ
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リコリス・ピザ(2021年製作の映画)

4.7

ビニール製(vinyl)のウォーターベッドの上でいろんなことが起こった夜もある、もしくは起こらなかった夜もある。ひとりで全力で走る日もあるし、ふたりで言葉はなくただ笑いながら走る日もあった。ぜんぶ過ぎ>>続きを読む

ビール・ストリートの恋人たち(2018年製作の映画)

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ファニーも、ティッシュも、ダニエルも、家族もつらい。毎日が苦しくて、涙が出る。被害者女性にとっても、それはとても忘れがたく、つらいことだった。つらい思いをすべき人間だけがなんでそうなっていないのか。>>続きを読む

暁に祈れ(2017年製作の映画)

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目を覆いたくなるようなみたくない場面はめちゃくちゃたくさんあるのに、(むしろそれしかない)なぜかまばたきができない、ずーんとして頭がひりひりするの連続、そんなこちら側の「もう嫌だ…」の限界がきたときに>>続きを読む

サマーフィルムにのって(2020年製作の映画)

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夏のあいだは不思議と何でも出来てしまう気がするし、何でも起こってしまうものだから、夏のあいだにこの映画が観れて良かった。人生を変えられてしまうような映画は人によっていろいろで、それを松本監督はわかって>>続きを読む

行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

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育ってきた環境でそのひとの考え方や人生はほとんど決まってしまう。このことを何度も何度も考えたいと思いました。この映画のなかでのスケボーをしているときの真剣で無邪気で心底嬉しい彼らの表情も頭に焼き付けて>>続きを読む

二重生活(2012年製作の映画)

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今日みたいな雨の日に、心情的にもぴったりでした。
いろんな人間が交差することで起こるたくさんのこと、そのなかには不公平で自己中心的なこともあって、観てると猛烈に切なくなる。余白がたくさんあるぶん観てい
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スプリング・フィーバー(2009年製作の映画)

4.6

説明するような言葉は一切ないし必要なくて、持ってる感情全部をつかって、(もしくは何かにひきだされて)おなじ時間を生きている彼らをみてると、胸がひりひりしてとてもつらくなってくる。
そのひとを好きになる
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

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バスでの乱闘シーンの、なんとかギリギリ勝った感じ、年齢ゆえのきびきびしてない感じが個人的に最高でした。ここぞというときにかかる音楽とか(というか日曜ロードショーでやっていたような、少し昔のハリウッド映>>続きを読む

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997年製作の映画)

4.1

観終わったあとの凄まじい多幸感。人生のなかでの、人との出会いをすごく素直に考えさせてくれる。

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

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自分の内から出てくる言葉よりも、誰かが書いた言葉を自分が言っているときの方が自分というものが引きずり出されるのかもしれなくて、外国語や手話で語られる言葉も、誰かを介して(その人の感覚もその言葉に入って>>続きを読む

ガリーボーイ(2018年製作の映画)

4.1

外の世界に出たい、外の世界を知りたいという彼らの思いは彼の地でどれだけ切実なものなのか、生まれたときからすでに決まってしまっている自分の一生(死ぬまでのこと)から逃れようとするということはこの地でどれ>>続きを読む

フォーリング・ダウン(1993年製作の映画)

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政府や国がやってきたことの皺寄せとか時代の変化が(たぶん)国全体を覆っていて、かつての“古き良き”あの空気感みたいなものは失われていて、皆んな余裕がなくて自分のことしか考えられなくて。(それが誇張され>>続きを読む

荒野にて(2017年製作の映画)

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誰にも倚りかかることが出来ない、しようともしない、過酷な少年成長譚。最後まで彼は保護されることを拒絶して、ひとりで父親とピートのことを優しい気持ちで想う。あれだけ短期間でいろんなことがあったけれど、彼>>続きを読む

ノーザン・ソウル(2014年製作の映画)

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変わり者ではなく社会の規範のなかで一般的な人間として生きろと言われ抑えつけられる、でもそうやって生き延びれたとしてその人生って何なんだろう、そういう考えが根っこにあったからジョンは音楽に出会うまえから>>続きを読む

ミナリ(2020年製作の映画)

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韓国から越して来た家族はアメリカの片田舎で韓国語と英語を混ぜながら会話する。韓国という国しか知らないおばあちゃん、家族に豊かな生活をさせたくてもっとお金を稼ぐためにアメリカの片田舎へ越して、韓国野菜を>>続きを読む

THE BATMAN-ザ・バットマンー(2022年製作の映画)

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初夏のような快晴にふわふわとしていた気持ちが一変、映画が始まるとともに薄暗いか暗いか真っ暗かのなかでずっとなにかに身体と心が抑えつけられているような感覚を感じ続けました。ひとも街も、マスクで覆われてい>>続きを読む

ゆきゆきて、神軍(1987年製作の映画)

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初めての原一男作品。観終わって閉口して、そこから言葉にできない、たぶんいつまでも言葉にならない。(「野火」を観た後のあの感じに近いけれど、実話に基づいたものとドキュメンタリーそれぞれの感触の違いをうめ>>続きを読む

JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.8

たぶんめちゃくちゃいろんなものから影響を受けてきて、いつも何かをひとりで想像し続けているひとのあたまのなかを、そのままのかたちでみるのはこんなにおもしろい。
監督ひとりと、あと数人のスタッフで制作され
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ケス(1969年製作の映画)

4.2

ビリーの日常、未来には嫌になってしまうような暗い影が常にさしている。だけどその毎日のなかで彼が鷹と過ごしているときや、その調教のことを話しだすととまらなくなっているのをいつまでもみていたくなる、そこに>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

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その人にとってのたどり着くべき場所まで、飛行機で数時間で行くのか、車で何日もかけて行くのか、もしくは3秒間のうちに移動してしまうのか。その場所はトラヴィスにとっては3人で心穏やかに暮らすことができるテ>>続きを読む

花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

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観ているひとそれぞれの、あのときのあのひとが思い起こされるような(もしくは現在進行形であるひともいる)映画でした。お金を稼ぐために心をすり減らして、もはやパズドラしかできないような彼のあの感じは、自分>>続きを読む

孤狼の血 LEVEL2(2021年製作の映画)

4.0

前作と続けて連日観たけれど、私には今作の方が凄まじく感じられて、これが去年公開されたこともすごいと思ってしまう。上林の存在が強烈すぎて、彼の最期の、今までみせたなかでの一番嬉しそうな表情があたまに残る>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.6

普段生活する都市にいるあいだはラジオから現在の自分たちの状況が流され続ける。近状報告とか今自分がいる場所を携帯で説明していたりする。自然のなかにはいれば発する言葉は最小限になって、その少ない言葉とかそ>>続きを読む

ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

5.0

こんなにも犬への愛に溢れてる映画は初めて観ました。
期限のない車上生活をする彼女に、良いことと悪いことが交互にやってくる、それらすべてを自分で判断したり対処しなければならない。全員ではないけれどそのな
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劇場版 呪術廻戦 0(2021年製作の映画)

3.0

そのときの感情を呪いで強力に釘打ちされたら、大義とか言われても知らないし、相手のことしか見れなく、考えれなくなる。
漫画よりも里香ちゃんの存在感が際立っていて、だから余計にしんどかった。

悪人伝(2018年製作の映画)

3.3

画面に入れ替わり立ち替わりうつされ続ける、てかてかとした血生臭い顔面顔面顔面。それと彼らのこれでもかという粗雑な振る舞い、物言いが合わさって、人間くささが高濃度で充満している、そんな匂いをいま一番嗅ぎ>>続きを読む

チェイサー(2008年製作の映画)

4.2

ナ・ホンジン監督は「チェイサー」では早い段階で核心の場面をみせ、「コクソン」ではそれをしなかった。もし本作もコクソンと同じように描かれていたら、私たちはどういう見方になっていたのか、ということを(観た>>続きを読む

ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

5.0

異様に豪華な出演者たち、宇宙や彗星の映像からもひしひしと伝わる、めちゃくちゃ莫大なお金をかけて制作されていることそれ自体が皮肉にみえてしまうし、作品の現実味が増してしまうような、そして観ていてコメディ>>続きを読む