窓が開き、どこからともなく風が吹き込んでくる。そして、人生が幕を閉じるとき、二つ目の窓が開かれ吹き込んできた風はまた何処かへ吹いて行く。
公開と同時に奄美大島に行く程の自分が正当な評価を与えられ>>続きを読む
上質な作品である。何よりも目立ったのは、狂信的とすら言えるネオンカラー(昼夜隔てなく)へのこだわりと、短絡的なシーン含めあえて突っ込みどころ満載(火葬場の場のシーン等)な意図的にチープにしたであろう>>続きを読む
原作ウィリアム・サロヤン「どこかで笑っている」未読。
舞台に現れた銃は必ず発射されねばならない、と言ったとはチェーホフである。
この映像を撮るために用意されたストーリーである、とすら思えて>>続きを読む
原作「血と暴力の国」既読。
今作はノーベル賞候補コーマック・マッカーシーとコーエン兄弟という巨匠が織り成した作品であり脚本映像共にケチのつけようもない傑作であると恥も気にせず言うことができる。読点を>>続きを読む
「バートンフィンク」ではハリウッドをけちょんけちょんにしたコーエン兄弟がハリウッドを舞台の映画を作った、しかも誘拐ものである。多くの人が見、「いや、これじゃない」という可能性を存分に含んだ内容であっ>>続きを読む
大島渚のせいで憂き目にあった隠れた良作である。吉田喜重にしては珍しく脚本から胸踊る作品。大きなポスター広告として貼られ、剥がされる演出は未だに通用するだろうということに驚く。
ある崖のシーンで左から唐突且緩慢に小舟が出てきた時、それをまさに恍惚とした目で眺め、ラストの絶妙な間に胸を鷲掴みにされた時、前で知らねえおっさんが「なんだこのつまんねぇ映画は!」って言ってた。
「トゥー・ザ・ワンダー」日本語版である。ルベツキが高評価の現在よりも遥か昔に日本にもこのような映画が作られたことを誇りに思う。ニューローマもでてきたりとすっかり旅行気分を味わえる。一つ一つのカットは何>>続きを読む
脚本はなんと不条理劇作家の第一人者、別役実。主役は三國連太郎。元々の吉田喜重の鋭いカットは健在で、岡田茉莉子はなんと不在。異色の名作である。「右」も「左」もよく分からないが、この映像は、脚本は、>>続きを読む
ヘイトフルな8人はまだ結構だが、広告まで嘘をつくのは如何なものか。密室劇もクソもない。「事の始まり」までの緊張感は流石だが、タランティーノこんなんで満足すんなよ。
たしかに良いカットも沢山あったはずで、犯罪シーンの疾走感もあったはずで、小悪魔的なエマワトソンに幾度となく胸を撃ち抜かれたはずなのだが、後半の脚本・カメラワーク含めたグダグダで全てがぶち壊された非常に>>続きを読む
兎にも角にも、キルスティンダンスト。いきなり名作を求められるというのもキツかったでしょうに。
再)アラスカ・白夜・不眠・内務調査etc。話の種は非常に面白いが出来上がった脚本は妙にチグハグである。ストレートな脚本の中に種が多すぎるのだ。
霧・ゴミ捨て場・氷河etc。いかにも良い絵が撮れそうだが>>続きを読む
映像的にも、ストーリー的にも「面白かった♪」とレビューに書かれるような現代のギャグ映画の二兆倍楽しむことができる。
恐らくタチの中で最もポピュラーな作品。出てくるもの全てがなんともオシャレであり安藤忠雄が影響を受けたと言うのもわかる気がする。しかし、こんなにもオシャレでこんなにも面白くあるのに関わらず、いたってタ>>続きを読む
ホッブズ原作既読。 「ヨブ記」、「ミヒャエルコールハースの運命」未読。
2016年、鑑賞した中で1番良かった。ストーリー、カメラ、演者全てのレ ベルが高くまさに珠玉の作品と言っていいだろう。「父、>>続きを読む
リメイク元鑑賞済み。
吾郎ちゃんのハマり具合と松方弘樹の本気が良かった。が、それ以外は数年すると忘れてしまうレベルのものであった。
高尚な説法のような語りかけと極めて世俗的な場面。寡黙な男と感情を爆発させる女たち。大きな展開のないストーリーと絶えず揺れ動く画面。
好みならいざ知らず、その評価ですらかつてこれ程分かれる監督が>>続きを読む
リメイク元鑑賞済み。
「切腹」と比べてしまうが、三池崇史にしては丁寧に作った印象。良くも悪くも市川海老蔵の歌舞いた演技が終始目立つ。出来は悪くなく楽しめるが、鑑賞後に残るものはほぼ無に等しい。
正直ダルデンヌ兄弟の作品はどれもその独特の撮り方がとても気に喰わない。しかしながら彼らはその撮り方の利点を最大限に生かし、欠点を最小限に留めた作品を作るため、良作と言わざるを得ない。一つ一つの絵を印>>続きを読む
再) 原作未読。
ヘレナ・ボナム・カーターがとても良かった。ブラピもノートンもそこまで演技が上手くなかったのもあり(ラストシーンなんて本当に見ていて腹が立ってしまった...)、完全にもってかれている。>>続きを読む
再) 恐らく見慣れないカメラワークや、優れた脚本、鑑賞してピリピリするような俳優陣の演技によってそれなりの万人向け且つ高い評価を得る作品なのだろう。
だが、長回しは特に必見なポイントではない。長>>続きを読む
ドキュメンタリーのような撮り方、ファンタジーのような挿絵。鑑賞後に一体何を見ていたのか困惑する。しかし、鑑賞後何年経った後ですらはっきりと思い出せるほど、ジャ・ジャンクーは「あの絵」「あの情景」を>>続きを読む
再)傑作 「プレイタイム」、遺作 「パラード」の狭間の作品。
またまたなんとも洒落た映画であった。時たま、タチのショットではあまりないクローズもしくはバストショットが散りばめられている。主に渋滞中>>続きを読む
再)「絵が綺麗」と言われるが、それは正しくない。ピンクのホテルや真っ赤なエレベーターなど、美術がとても良いのであり、カメラは小洒落た程度に良いだけだ。話はシンプルかつテンポ良く進むため、気軽に見るこ>>続きを読む
再)原作既読。
ある年代にとってはまさに青春映画代表ではないだろうか。そしてそれは自らにとっても例外ではなく、思い出補正されてしまう。
原作も非常に良いが、映画自体も負けず良かった。脚本もカメ>>続きを読む
再)イリャリトゥ好きとして正直、期待外れである。悪い作品でもないが、「名作!オススメ!」などと気軽に言える作品ではない。
拘っただけあり、映像は非常に綺麗ではあるが、残念ながら 綺麗な映像=名作>>続きを読む
再)原作脚本既読。
ノーベル賞候補、コーマック・マッカーシーが自ら脚本を売り込んだ。これだけで必見だ。マル(仏語で 悪)の世界でチーター、タトゥー、ナマズ(cat fish)とやたら猫を彷彿させ>>続きを読む
再)まず監督・製作陣の熱意に賞賛の拍手を送らなければならない。そもそも予算が足りなければ工夫するしかなく、それを言い訳に作品の質を下げるなど言語道断だ。
ストップモーションや手作り感満載の美術が>>続きを読む
再)娯楽サスペンスの金字塔。相も変わらずのシリーズ通しての俳優陣が素晴らしい。
日本一有名な死体を是非貴方も。
再)ダルデンヌはドキュメンタリー出身というこもあってか、常に社会問題を取り上げる。だが、描くのは政府や大企業ではなく常に主人公とその家族である。今作は父と子、子と母をある種のテーマにしている。オシャ>>続きを読む
再)猿でも楽しめるのではないか。それほど世間は迎合するであろう作品だ。良い点は主人公の楽器が「ドラム」であることに尽きる。このことに比べて仕舞えば、講師が鬼かどうかなど最早どうでも良いのだ。ドラムが>>続きを読む
再)「エドワード・ヤンの遺作」ただそれだけでも個人的には傑作というレッテルを貼りたいぐらいだ。カットも構図も、そして相変わらずのガラスの使い方、スパイスとしてのゾッとさせる演出もエドワード・ヤンが表>>続きを読む
再)傑作だ。本作を見る以前の人生を無駄に感じる程に。その他の芸術と同じように、世に完璧な物など存在しないのかもしれない。しかし、その前提をもってしてもこの作品は完璧としか形容できないのである。全ての>>続きを読む
再)「こう来たか、ジャ・ジャンクー!」というのが初見の印象。インタビューでの武侠映画を撮りたいの言葉通り、「その箇所」ではそれまでの長回しを忘れ、物凄く早いカット、演者たちのそれを意識した演技など、>>続きを読む
再)最近巷で腐る程目にする○○原作という映画の1つ。大抵こういった類の映画は原作の良し悪しに限らず、原作ありきの映画であり、原作に沿ってただ猿がカメラを回すものばかりだ。私自身酷く嫌悪し、毛嫌いする>>続きを読む