湯呑さんの映画レビュー・感想・評価 - 14ページ目

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レヴェナント:蘇えりし者(2015年製作の映画)

4.0

劇場にて鑑賞中、中座する女性がやたらと多く、おしっこぐらい映画の始まる前に済ましておけないのか、と腹が立ったのだが、ゴアシーン満載、生肉臓物てんこ盛りの映画だったので気持ち悪くなったのだなあ、と後から>>続きを読む

光りの墓(2015年製作の映画)

3.1

観てると本気で眠くなってくる。それがこの映画の正しい鑑賞の仕方なのか、それとも単に退屈なだけなのかよく分からないので、後から内容を思い出そうとしても戸惑いだけが残る。眠り続ける兵士の勃起したペニスを皆>>続きを読む

ルーム(2015年製作の映画)

3.8

これはこれで良い映画だと思うのだが、前半の脱出サスペンス的展開が余りにも素晴らしいので、王道的な展開を廃した後半部分との齟齬が気になってしようがなかった。監禁部屋を出ても、また社会という部屋の中に閉じ>>続きを読む

マジカル・ガール(2014年製作の映画)

4.5

本作の監督に街中で出会ったなら、「お前、洒落た映画作るなあ!」と肩を叩くだろう。観客の予想を次々と裏切るオフビートな展開は、伏線を随所に凝らした脚本はもちろんの事、カットバックや黙説法を駆使した絶妙な>>続きを読む

サウルの息子(2015年製作の映画)

4.7

すさまじい映画だった。殺人が単なる作業として処理されていく収容所の恐怖を、極限まで被写界深度を浅くしたショットによって映し出すカメラは、観客の想像力を刺激すると共に、限界まで感情を押し殺したゾンダーコ>>続きを読む

オデッセイ(2015年製作の映画)

4.0

これは、配役の勝利だろう。火星にひとり取り残された男の物語を、悲壮感の欠片もなくポジティブに描ききる事ができたのは、ひとえにマット・デイモンの功績である。ものすごく頭が良さそうにも、ただ脳天気なだけの>>続きを読む

キャロル(2015年製作の映画)

4.6

トッド・ヘインズは『ベルベット・ゴールドマイン』から一貫して、セクシャルマイノリティの問題を取り上げた映画を作っているが、本作冒頭の印象的なクレーン撮影から見て取れる様に、極めて伝統的な映画手法を用い>>続きを読む

アンジェリカの微笑み(2010年製作の映画)

3.8

死者にカメラを向けてファインダーを覗いた瞬間、死者が目を開き優しく微笑む。その笑顔に魅了されたカメラマンが、対象の存在しない恋愛に煩悶しやがて破滅に至る。たったこれだけの筋書きで映画になってしまうのは>>続きを読む

岸辺の旅(2015年製作の映画)

5.0

この映画の中で最も好きな場面は、浅野忠信とベッドに寝転がった深津絵里が、自らの恋愛遍歴を思い出し楽しそうに笑うシーンだ。深津絵里は当初、失踪した夫との関係でしか自分の人生を捉える事ができなかった。だか>>続きを読む

ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲(2014年製作の映画)

3.6

邦題はサミュエル・フラーの『ホワイト・ドッグ~魔犬』のもじりなのだろうが、そちらを観ていないので比べる事ができない。こうした動物パニックものの場合、人間には全く理解不能の行動原理で動物が人間を襲う場合>>続きを読む

彼は秘密の女ともだち(2014年製作の映画)

4.0


今日的なテーマを取り上げているものの、フランソワ・オゾンはセクシャルマイノリティ問題について社会学的なアプローチを志しているのではないのだろう。男と女という性差はいくらでも交換可能であり、その交換が
>>続きを読む

ザ・ヴァンパイア 残酷な牙を持つ少女(2014年製作の映画)

3.9

もし、この映画が90年代に公開されていたら、渋谷系カルチャーを代表する作品として熱狂的に迎えられていただろう。マリンボーダーのシャツを着た女吸血鬼は、ジーン・セバーグがイメージソースらしいが、端正なモ>>続きを読む

キングスマン(2015年製作の映画)

4.4

唖然茫然の大殺陣シーンも含めて大いに楽しめた。『キック・アス』もそうだが、マシュー・ヴォーン監督はジャンルムービーの肝を知悉し、その上で予想外のひねりを加えてくる、何を撮っても信頼のおける監督だ。ただ>>続きを読む

ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男(2014年製作の映画)

4.2

とにかく、リズムだ。メロディやコード進行なんて問題じゃない。繰り返されるビートが眠りこけていた意識を覚まし、生み出されたグルーヴが身体を激しく動揺させる。それだけが、音楽にとって大切な事なのだとJBは>>続きを読む

Mommy/マミー(2014年製作の映画)

3.8

息子も母も、その友人も、彼らは迷う事なくまっすぐに歩み続ける。顔を上げて、前だけを見据えて。前方にいかなる不幸が待ち受けていようとも、歩みを止めない彼らはそれに気付かず、颯爽とした足取りで通り過ぎてし>>続きを読む

ナイトクローラー(2014年製作の映画)

4.6

すでに私達は、物質と情報を分け隔てる事なく、商品として流通させている。高級ブランドのバッグなど、バッグそのものより、ブランドという情報に対価を払っている様なものだ。問題はその情報とやらが身体的な感触を>>続きを読む

コングレス未来学会議(2013年製作の映画)

4.3

スタニスワム・レム原作という事で、一筋縄ではいかない映画を想像していたが予想通り。ひとつの大きな柱としては、CGに頼りきった現在の映画産業に対する皮肉な視点が挙げられる。発達したCG技術によって、役者>>続きを読む

サンドラの週末(2014年製作の映画)

4.6

本作の主人公サンドラは、映画の最初から終わりまでたったひとつの問いかけを繰り返すだけである。「私が再就職する為に、あなたのボーナスを諦めてくれないか」と。それは、あくまで彼女の個人的な事情に根ざしたも>>続きを読む

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