シネマの流星さんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

シネマの流星

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劇場版「鬼滅の刃」無限列車編(2020年製作の映画)

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ダメな映画の見本。もっと声優を信じてほしかった。アニメは表現の幅が広いから足し算で作ってしまう。

すべてのセリフにBGMをかぶせてるから言魂の力が台無し。

せっかく声優がいい仕事してるのに、すべて
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グエムル -漢江の怪物-(2006年製作の映画)

5.0

ウイルスが怖くて家族すら帰ってくるなという腐った世の中と真逆。

娘を救うために最貧困者とホームレスが怪物(権力)に立ち向かう。

女ランボーの長女は弓、次男は火炎瓶、ホームレスはガソリン、そして長男
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映画 えんとつ町のプペル(2020年製作の映画)

5.0

物語はルビッチが中心だが、「ゴミ人間」を起点としたことに西野さんの世界観、人間愛が溢れている。

どんな高価な器や絵画も壊れた瞬間にゴミに変わる。

その価値を覚えている人間、壊れてからの時間を愛せる
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無頼(2020年製作の映画)

-

8年映画を撮らない間に刀が錆びついたか、もはや令和にヤクザ映画を撮るのは無理なのか。

井筒監督の昭和への想いが強すぎ、映画の世界に入り込めなかった。

『無頼』と言うわりには家庭崩壊も無ければ最後も
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燃ゆる女の肖像(2019年製作の映画)

5.0

衝動と消失、その先にある永遠。

女性監督による女性キャストの引き算に圧倒される。

音楽はビバルディと主題歌の2曲だけ。子どもを堕ろす過程や家の都合で嫁がされる過程も描かない。

逆に「不在の存在感
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泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)

5.0

監督で最も重要な役割が女優の演出なら、佐藤監督は最高の仕事をした。

吉岡里帆は今年見た女優でナンバーワン。日本に本当に「ことね」がいると思った。

正確に言うなら、役になり切るのではなく、吉岡里帆と
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滑走路(2020年製作の映画)

5.0

世界へ羽ばたける日本映画。
初めて1つの作品で3回泣いた。 

その人がどんな最期を迎えようと、生きた時間を祝福したい。

主人公の須羽はパイロットになる夢を叶えられず、25歳で自決する。彼は空を翔べ
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ばるぼら(2019年製作の映画)

-

これは凄い。ここまで予告編の期待と乖離あるのは『シンデレラマン』以来。

役者全員が下手に見え、ジャズの音楽が全部不要で、セリフすべてが空中浮遊。

二階堂ふみの全裸とSEXシーンが生きなかった。
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破壊の日(2020年製作の映画)

5.0

もう訳わからん。たぶん監督自身も分かってない。

今年はウイルスが世界中を聖火リレーしたコロナ五輪の年。

オリンピックは疫病に負けたけど、映画は感染してたまるか。観客を感染させるのが映画だ。

不安
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窮鼠はチーズの夢を見る(2020年製作の映画)

5.0

昔から最も苦手なジャンルが男性同士の恋愛映画だった。

けど、この作品を最後まで見れたのは、いわゆるBLではないからだ。月ヶ瀬のアプローチは誰より女性的で濡れている。むしろ恭一と付き合う4人の女性はド
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クライマーズ(2019年製作の映画)

5.0

多くの解説者が『クライマーズ』を中国の国威発揚の映画と言うが、それは間違い。

人生で命を懸けられる存在に出逢っていないから、そんな風に見えてしまう。

クライマーが登頂の証拠のカメラを、命を捨てて守
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アイヌモシリ(2020年製作の映画)

5.0

子熊を育て、神の国へ送り返す儀式・イオマンテ。

自らの手で大切に育てた子熊を殺め、神の国に送り返す。代わりに神様は沢山の動物を地上に送る。

アイヌの文化から感じるのは「感謝」の2文字。

極寒の地
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浅田家!(2020年製作の映画)

5.0

写真家・浅田政志さんの半生を描いた映画『浅田家!』

ボクは上京してすぐ盲目のカメラマンに会ったとき「写真は写心なんです」と言われた。

そのとき分かった気になっていだけど、この作品を見て7年間も間違
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生きちゃった(2020年製作の映画)

5.0

打ちのめしてくれた。最高の映画は自分を破壊し、違う自分に変えてくれる。

好きな人には何も言わなくても伝わってほしい。本音を伝える前に、先に友達や知人に相談して結局、伝えないことも多々ある。

けど、
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行き止まりの世界に生まれて(2018年製作の映画)

5.0

スケボーは、自らの足で地面を蹴って前に進む。誰のものでもない、自分自身の世界。

アメリカ社会の象徴である車やバイクとは違った乗り物。

息苦しい環境でも、その瞬間は自由を描ける。その先に地平線がある
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プラネティスト(2018年製作の映画)

5.0

初めて映画館で観てよかったと思えたドキュメンタリー。

小笠原諸島の自然を無理に崇めるのではなく、人間と対等の目線で描いている。

あくまで人間と自然は地平線の上で対等。

自然と人間が共生する上で、
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レイニーデイ・イン・ニューヨーク(2019年製作の映画)

5.0

ウディ・アレン版『ライ麦畑でつかまえて』

「現実とは夢をあきらめた人が見るもの」 

ニューヨーカーから言われたティモシー・シャラメは恋人と田舎の大学を捨て、NYで生きる決意をする。

この最高の台
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ランボー ラスト・ブラッド(2019年製作の映画)

5.0

最強のSTAY HOME
最強のソーシャル・ディスタンス全無視

最後の戦場が自宅とは、スタローンの予知能力恐るべし。

哲学的なストーリー展開かと思いきや、いつもの大爆破の幕が上がる。

昭和時代劇
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アリーキャット(2016年製作の映画)

5.0

窪塚洋介×降谷建志

ドライでベタベタしない渇いたバディムービー。

窪塚ほど透明な怒りを抽出できる役者はいない。

市川由衣×品川庄司も非の打ち所がない。

誰でも死や暴力は怖い。だが、戦う前から暴
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探偵はBARにいる3(2017年製作の映画)

5.0

真冬の日本の端っこを舞台にした、端っこで生きる人々。

映画は影を銀幕に投げるものだが、陽の当たらない人たちを救い上げるもの。

こういう作品がどんどん増えて欲しい。

空気人形(2009年製作の映画)

5.0

ペ・ドゥナは空気人形というラブドールの役だが、演じているのは赤子。

空気のように,空白のように,これから何者にでもなれる。何にでも染まることができる。

赤子は少女になり、恋をして女性になる。
代替
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羊の木(2018年製作の映画)

5.0

過去とどう対峙(退治)するのか?

人間は今を生きていても、目の前より見えない過去に支配される。想像力に負けるからだ。

宮腰(松田龍平)を感情ない人間と思うなら、それこそが偏見だ。宮腰は誰より過去を
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御法度(1999年製作の映画)

5.0

松田龍平の誕生作
悪霊が棲みつき新撰組が乱される。宝石に魅了される心理もこんな感じなのか?

演技ではなく芝居による美と妖。
俳優は経験を積むことで役者になり、ラフという光を失う。宝石で最も輝くのは原
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シンドラーのリスト(1993年製作の映画)

5.0

遠い国の近い昔話が、悲しみや怒りを揺さぶる。 無力に打ちひしがれ、スクリーンから目を背けたくても目が離れない。これが映画の残酷さなのか。

スピルバーグが映し出した同族、自分の血は史実かフィクションか
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君の名は。(2016年製作の映画)

5.0

4年ぶり。震えた。彗星と音楽が目立つが、本質は黄昏。

糸守は戻ることのない故郷と時間であり、彗星は誰かと出逢うために都会に出てきた激動。これはノスタルジーと地平線の映画だ。

‪瀧と三葉を通して、新
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雲のむこう、約束の場所(2004年製作の映画)

5.0

白い翼に白い巨塔。白はこれから何色にもなれる。何色にも染まることができる。スタートの色である。

約束は叶えるものであり、裏切られるもの。ユニオンの塔は約束の場所だが、約束を果たした瞬間、それは失われ
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富士山頂(1970年製作の映画)

5.0

石原裕次郎が山岳映画に出てくれてよかった。あの眼が山にいざなってくれる。

新田次郎の原作は山を描かず、人間を描写することで富士山を浮かび上がらせた。

反対に映画は富士山の荘厳な山肌に迫った。言葉を
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オーバー・フェンス(2016年製作の映画)

5.0

‪函館の職業訓練校に通いながら誰ひとり大工になる気がない。‬

‪屈折した青春に、じめっとした夏の中で全員乾いてる。‬

映画もそれに負けず屈折しているから、時間に無理やり背中を押されて生きる奴らがこ
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I’M FLASH!(2012年製作の映画)

5.0

8年前、大阪の梅田で見たとき全然わからなかった。

8年ぶりに見直しても全然わからない。

でも藤原竜也のセリフは響いた。
「お前は俺の中で生きろ」

映画を見て沖縄に行きたくなったのは初めてだ。
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長州ファイブ(2006年製作の映画)

5.0

社会人1年目に観てから14年ぶり。

「なぜ生きるかよりも、どう生きるかだ」

死も恐れず、幕府の禁を破ってイギリスに渡航した長州ファイブ。

自由がなくても自発は失わなかった志士たちと、松田龍平が父
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新聞記者(2019年製作の映画)

5.0

自分で見たものしか興味ないから
ニュース・報道はほとんど見ない。

『新聞記者』の「情報」は人から人へ
伝染していくウイルスに見えた。

情報は人を結び、人を分離させる。

情報が人生に侵入し、そのせ
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まほろ駅前多田便利軒(2011年製作の映画)

5.0

なんでタバコなんか吸うんだ!?と怒る子どもに瑛太は言う。

「キレイな肺を汚す。それが生きるということだ」

相手が子どもであろうと自分を通す。
自分に妥協しない。常識に自粛しない。

9年前は分から
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昭和歌謡大全集(2002年製作の映画)

5.0

‪大学生のとき映画館で大笑いして‬
‪安藤政信の赤シャツに憧れて17年。‬

‪小僧vs.オバさんの殺戮シーソーゲーム‬

‪松田龍平「原爆あります?」‬
‪原田芳雄「あるけど、どうすんの?」‬

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ターミネーター2(1991年製作の映画)

5.0

愛とは行動。

たとえ任務であっても感情がなくてもターミネーターがコナーを守ったのは「愛」に他ならない。

タイタニックのディカプリオといい、
沈む男を描かせたらジェームズ・キャメロンの右に出る監督は
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アヒルと鴨のコインロッカー(2006年製作の映画)

5.0

もう極地的に好きな日本映画。

瑛太と濱田岳が歌う
ボブ・ディラン『風に吹かれて』が
南無阿弥陀のようにブータン人の
復讐を包みこむ。

どこを切り取っても愛おしい人物ばかり。

やっぱり映画は究極の
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