贅肉さんの映画レビュー・感想・評価

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ブギーナイツ(1997年製作の映画)

3.5

閉じた人物関係がオープンになり、世界が広がっていくのが「ハードエイト」以降のポール・トーマス・アンダーソン映画なのではないかと推察。カメラの流動と共に焦点を当てる人物も流動させ、そこへ音楽を上乗せし、>>続きを読む

ハードエイト(1996年製作の映画)

3.0

初長編映画ということだがここまで潤沢に映画を撮れてしまうのはまさに才能があるからで、うっとりしてしまう。閉じた人物関係の円環で物語を紡いでるが、安直なサスペンスで継ぎはぎしないのはポール・トーマス・ア>>続きを読む

バッド・ルーテナント(2009年製作の映画)

4.0

体たらくの中でも物語(人生)は進んでゆき生き物の暮らしや文化が地球と共に回っている。ふと突然に奇跡が起こっても自分を変えることはできるのだろうか。広大な自然(世界)にポツリと存在している私たち、他者と>>続きを読む

ビヨンド・ザ・スピード(2017年製作の映画)

3.0

「なんだ『ヒート』のパクりか」と舐めていたら後半のツイストでどっぷりのめり込んで観てしまった。量産型と見せかけて変な層に狙い当てしてくる少し珍味なノワール。アデル・エグザルコプロスが糞不憫。

クライム・ヒート(2014年製作の映画)

3.5

糞詰まりの日常から誰もが抜け出そうと抗っている。狭小な場所(都会の隅っこ)でのゴタゴタ話だが人々の暮らしが色濃く浮き上がっており不思議と窮屈さを感じさせない世界の広さがあった。暴力を行使した結果として>>続きを読む

ブラック・サイト 危険区域(2022年製作の映画)

3.0

マチズモ全開で場の引っ掻き回し役を請け負うジェイ・コートニーが最高。ニッコニコで女の指を折った後に平気な顔して射殺するドSっぷりがたまらん。ワン・シュチュエーション・スリラーにはこういう何しでかすか分>>続きを読む

THE ICEMAN 氷の処刑人(2012年製作の映画)

3.0

テレビ映画みたいな淡白さ。殺し屋題材の暴力映画だが作り手から暴力を映すことへの覚悟や興奮を感じ取れない。凡百な暴力映画と本物の暴力映画を分けるのはそこ。家庭持ちの犯罪人の映画ならM・スコセッシが傑作を>>続きを読む

ミッション・ブレイブ 欧州警察特殊部隊(2019年製作の映画)

2.5

アクションの見せ方に間違いがある。中盤にて車両襲撃と売春オフィスの制圧を交互に見せていくアクション場面があるのだが、交互に見せるせいでお互いが流れを消し合っていてなんともキレの悪い仕上がりになっている>>続きを読む

ヒート・オブ・シティ 現金強奪(2023年製作の映画)

3.5

ウィリアム・カウフマンのフィルモグラフィーに置いて重要な一作になってくるのではないだろうか。開幕カマしの銃撃戦、路地裏での虐殺、住宅街を駆け抜ける追跡シーン(長々としてんのがアガる)、どれもカウフマン>>続きを読む

デイライツ・エンド(2016年製作の映画)

3.0

「ルール 無法都市」「ネイビーシールズ ラスト・ソルジャー」と同じくジョニー・ストロングのPV。「無愛想な風来坊だけど気の向きようで善人を助けたりします」という風な役を見え透いたナルシシズムで演じるジ>>続きを読む

バレット(2012年製作の映画)

3.0

無意味に女性の裸体が映すことが2012年の時点で厳しかったのではないかと推察するが本作では何ショットか挟まれている。ノワールに暴力を過多に練り込んだ作りも併せておそらく当時のアメリカの商業映画で許され>>続きを読む

ランボー ラスト・ブラッド(2019年製作の映画)

3.5

理屈を超越し感情で行動すると共に全部ぶっ壊れ孤独になっていく様に「ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー」のジェームズ・カーンを想起した。先住民を麻薬カルテルに仕立てた「捜索者」で、年老いても身を切って表>>続きを読む

コラテラル(2004年製作の映画)

4.0

感情に従い、縛りをぶち破り、魂と肉体が暴走していく瞬間がMichael Man's filmにはある。タクシー運転手に対し人生や社会を説く殺し屋も所詮は同じ地の上に立つ一人の人間でしかないため死ぬ。三>>続きを読む

ヒート(1995年製作の映画)

4.0

孤独な人間の言う「寂しくない」はただの強がり。本当は寂しくてどうしようもないのだけど他者と上手く繋がれないから仕方なく孤独でいる。空(から)を埋める何かと引き換えに確実に死へと接近していくニール、銀行>>続きを読む