ShojiTaniguchiさんの映画レビュー・感想・評価 - 2ページ目

THE WITCH/魔女 —増殖—(2022年製作の映画)

1.5

3部作構想だと知り、1作目を観ていたこともあってこの2作目も鑑賞した。
アクションシーンの斬新さや過激さを作品の見どころにしたいのだろうと分かり、いくつかへえと感じたシーンもあったが、そういった部分以
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CODE8/コード・エイト(2019年製作の映画)

3.6

あまり観たことがなかったカナダのSF映画なので、期待と不安半分ずつで鑑賞した。ハリウッド映画のような景気のいい爆発やスペクタクルはほとんどなかったが、世界観や脚本、登場人物達の背景がしっかり実直に作ら>>続きを読む

ザ・キッチン(2023年製作の映画)

2.3

俳優として注目しているダニエル・カルーヤの脚本・監督作品ということで、どんな物語が描かれるのか期待して鑑賞した。
個人的には面白いなと感じるシーンや演出がいくつかあったけれど、映画作品としてはやや完成
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ミュータント・タートルズ ミュータント・パニック!(2023年製作の映画)

4.8

近年のアニメーション表現の革新的な進化の例としてあげられるスパイダーマン: スパイダーバースシリーズの輝きの影響でこの作品が損をしているように思うけれど、これもまたアニメーション史に残るレベルの革命的>>続きを読む

彼方に(2023年製作の映画)

3.4

主演のデヴィッド・オイェロウォの迫真の演技がこの短篇作品の成立を明らかに下支えしていると感じた。ほぼ表情だけで主人公の様々な感情の移ろいを描き切っているラストシーンは特にそれが顕著。
ただ、良くも悪く
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ラ・ジュテ(1962年製作の映画)

4.6

伝説的SF映画とも言われるこの作品の、ほぼ全篇をモノクロスチル (静止画) の連続性とナレーションだけで構成するという演出に唯一無二ともいえる芸術性の高さを感じた。
あえて何もかもは見せない、聞かせな
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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.4

名作と言われながら鑑賞できていなかった作品をやっとしっかり鑑賞できた。
80〜90年代の押井守氏のアニメーション作品にはどれも神がかり的な凄みがあると思っているけれど、この作品も間違いなくそのひとつだ
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.7

ピクサー作品の多くは、表面上のモチーフや空想的な舞台設定の中に現実社会の私たちが抱える課題についての問いと解を巧みに組み込んで描出する物語が多いけれど、この物語のメタファーは明らかに異人種間の相互理解>>続きを読む

X エックス(2022年製作の映画)

3.5

ホラー映画としての安定した面白さはありつつ、楽曲の使い方や編集のカッティングの入れ方、画面の割り方に独特なセンスがあって、わーかっこいいなと感じる部分がいくつかあった。
誰にでも勧められる傑作かという
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アンテベラム(2020年製作の映画)

3.9

アメリカという国家が未だ完全には乗り越え解決できていない人種差別問題について、その様々な種類の痛みも含めて描き出されていた作品だった。
物理的・肉体的な迫害のシーンは当然辛かったが、表面上はハッキリ見
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バクラウ 地図から消された村(2019年製作の映画)

2.9

事前に入れていた情報で期待し過ぎてしまっていたのか、想像を遥かに越えるような展開はなく、少し残念だった。
ブラジルという国家の歴史的な背景があっての風刺的・寓話的な脚本なのだろうと感じ、その演出意図も
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ニュー・シネマ・パラダイス(1989年製作の映画)

5.0

名作と知りながらきちんと鑑賞できていなかったが、やっと観ることができた。
私達にとって映画とは何なのか、人生とは何なのか、故郷とは、心の在り処とは…
自身のこれまでの年月と、決して幸せなことだけではな
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ザ・メニュー(2022年製作の映画)

3.5

かなり独特な舞台設定と脚本で、観る人によって賛否の評価が分かれそうだけれど、個人的には次の展開がどうなるのか惹きつけられて、終劇までとても面白く観ることができた。
人間にとっての創作とは何か、それと向
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ハロウィン・キラー!(2023年製作の映画)

2.8

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」に「スクリーム」を掛け算したら面白くなるに決まっていますよね、と企画書類に書いてあったんじゃないかと思ってしまう映画だった。
2020年代から見た1980年代の、良く
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タイラー・レイク 命の奪還2(2022年製作の映画)

3.6

前作で顕著だった長回し(的な)演出と、クリス・ヘムズワースの屈強な肉体による説得力のあるアクションは今作でも健在で、徹底的に準備されたであろう演出の設計に驚かされた。
ストーリーはあってなきようなもの
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タイラー・レイク -命の奪還-(2020年製作の映画)

3.6

アクション演出の設計にもの凄く力が入った作品で、主演のクリス・ヘムズワースの身体演技がしっかりとそれに応えており、見応えのある映画だった。
緊張感が途切れない長回し(的な)演出も見事だけれど、画と同じ
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ダイ・ハード/ラスト・デイ(2012年製作の映画)

3.2

単品として鑑賞すれば面白い映画だったとは思うけれど、シリーズの前4作と比較すると、やはり見劣りしてしまう。
主演のブルース・ウィリスには年齢的に激しいアクションが難しいながら、スタントマンの使い方や演
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マイセルフ(2024年製作の映画)

4.0

木製のずんぐり体型の主人公が、金属製のスマート体型でベルのような音色によって対話する人々と親しくなりたくて… という寓話的な短篇。
テーマはとてもストレートに、コンプレックスとアイデンティティ、そして
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ダイ・ハード4.0(2007年製作の映画)

3.3

遠い昔に観て記憶が曖昧になっていた過去3作を復習してからこの4作目を観た。
ダイ・ハードというシリーズのアイデンティティは何なのか? という哲学的な問いを抜きにすれば、アクション演出やそのアングルはダ
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ナイブズ・アウト/名探偵と刃の館の秘密(2019年製作の映画)

3.9

会話劇中心で派手なアクションや演出はほぼないクラシックスタイルな探偵ものであると事前に把握していたので、途中で退屈してしまうかもと少し懸念していたが、実力ある俳優達の魅力的な演技と巧みな脚本で、終幕ま>>続きを読む

嵐の中で(2018年製作の映画)

3.4

物語の規模や予算が大きいわけではないけれど、SF的設定の核をもとに、終幕まで着実に観せてくれる作品で、好感がもてた。
VFXや火薬の爆発とかにお金を使わなくとも、面白いSFを作ることはできるものだなあ
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.7

ガンアクションの演出を革命的に進化させたシリーズながら、4作目ともなるとさすがにネタ切れになるのではと少し気になっていたが、何をどうやったらこんな描き方が発想できるんだろうと思ってしまうような斬新な画>>続きを読む

イコライザー THE FINAL(2023年製作の映画)

3.8

シリーズものの3作目としてどのような作劇になるのか期待して鑑賞したが、前作までとはまた違った舞台設定で、新鮮に観ることができた。
作中ほとんどのシーンがイタリアのある小さな街の出来事で構成されており、
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キングスマン:ファースト・エージェント(2020年製作の映画)

3.6

20世紀初頭の欧州で起きた史実や実在人物が登場しながら、主人公や悪役達の物語がそれに関連していく脚本が巧みだった。
マシュー・ヴォーン監督の作品としては比較的奇抜な画づくりや突飛な設定が少なめだったけ
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レッド・ノーティス(2021年製作の映画)

3.2

画づくりや演出にはしっかりお金がかかっていながら、脚本の運びや映画がまとう空気は軽快で、良い意味で一昔前の娯楽に徹した映画を観ていた時の楽しさを思い出した。
主人公の俳優3人の魅力はもちろん輝いていて
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パラダイス 人生の値段(2023年製作の映画)

2.7

寿命を他人と交換できる技術が発明され、持てる者と持たざる者の軋轢に歯止めが効かなくなり…という設定の脚本だった。
似たような設定の終始トンチキなSF映画が少し前にあったなと思い出したが、そちらとは良く
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The Witch/魔女(2018年製作の映画)

2.3

絵的な品質や基本的な演出が安定しているところに韓国映画界の基本レベルの高さを感じたが、これはちょっと脚本が勿体ぶらせ過ぎというか、子どもっぽいというか…
アクションパートの演出には見るべきところも多く
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マーベルズ(2023年製作の映画)

3.4

MCUの他作品、特にエンドゲーム以前のそれらと比較すると世間の評価が低くなることには納得してしまうが、主人公3人の俳優達の演技は人間味があって魅力的で、アクション演出も新鮮で面白かった(法則やロジック>>続きを読む

ウトヤ島、7月22日(2018年製作の映画)

3.5

実際に起きてしまった大変に痛ましい事件をベースに、カットを割ることなく全篇が展開する演出で制作されていて、緊張感が途切れず、自身も事件の現場に放り込まれたような感覚を抱かされる。
こんな事件が再び起き
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ドント・ルック・アップ(2021年製作の映画)

3.9

文明規模の危機が迫る時、我々はどう対処するのか、もしくはしないのかという、正常性バイアスについての脚本だった。コメディタッチではあるが演出過多ではなく妙なリアリティがあり、でも全体としては劇的かつ寓話>>続きを読む