いけさんの映画レビュー・感想・評価 - 3ページ目

ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.9

画面の可愛さに酔いしれつつ、楽しいミュージカルナンバーでニコニコし、ハートウォーミングなストーリーにほっこりして、久しぶりに手放しでハッピーになれるエンタメ作品を見たなという感覚。
そして、それを引き
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

鬼太郎の何も知らずに見に行ったけど、とても楽しめた。

ゲゲ郎と水木のバディものとして、まず見応えがあった。
相容れない2人が徐々に共通の目的に向かって手を組み、いつしか友情が生まれている様はとても面
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ストレンジ・ウェイ・オブ・ライフ(2023年製作の映画)

3.8

「ブローバックマウンテン」や「パワーオブザドック」を彷彿とする作品。
忘れられない恋、しかし駆け落ちするには2人ともあまりに抱えているものが大きすぎるし、何ならとある事件で対立関係になってしまうという
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シチリア・サマー(2022年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

主演2人の恋愛模様はもちろん素晴らしかったけど、2人の母親、甥、義理の兄の存在が物語に深みを与えてるなと思った。

ジャンニの母親は八方塞がりで辛かったな。
息子を愛してたいるが、息子や恋人が稼いでく
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シニアイヤー(2022年製作の映画)

3.5

Y2K新書の影響で鑑賞。

Y2Kのカルチャーがリバイバルしてるけど、当時が如何に偏見や差別に溢れていたか認めつつ、一方でパワフルでギラギラしたパワーの良さはある。
現代の正しさを強く求める抑圧に疲れ
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正欲(2023年製作の映画)

4.1

このレビューはネタバレを含みます

「逃げ恥」もそうだけど、恋愛感情・性的感情が伴わないお互いの利益のために結婚する女性を演じるのがガッキーは板についてるなと思った。

序盤「水フェチって笑そんなフェチあるかよ!」って馬鹿にしながら見て
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

3.5

自意識だけが成長してしまい、他人を嘲笑うことばかりのイーニドが苦しかった。
多分自分の経験としても身に覚えがあるからこそ、見てて辛かったんだと思う。

斜に構えて、人の趣味にレッテルを貼り、つまらない
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ノートルダムの鐘(1996年製作の映画)

4.3

金曜ロードショーで久しぶりの鑑賞。
やはりこの映画好き。

改めて見るとカメラの動きの凄さに気づいた。
天高くそびえるノートルダム大聖堂の頂上から雲間を抜けて、パリの街角へ一気にカメラが移動するショッ
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モナ・リザ アンド ザ ブラッドムーン(2022年製作の映画)

3.5

モナリザがトランプ大統領と北朝鮮のニュースや戦争紛争のニュースを見ているシーンが印象的だった。
モナリザは韓国ルーツみたいだけど、あのニュース映像をわざわざ使う意図は何だったんだろう?
何か権力からの
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ザ・キラー(2023年製作の映画)

2.2

何の話なのかよく分からなかった。

映画冒頭からモノローグで主人公の人生哲学を延々と聞かされて「あっ、この映画苦手かも…」と思った。
殺し屋をカッコよく描く映画にそもそも乗れないタイプの人間なんだと思
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

2.0

ハマらなかった。

手書きとCGの融合でどんなアニメーションになっているか期待してたけど、なんだか動きが安っぽかった。
ケーブルテレビで見るアメリカのアニメって感じで、予算をかけて作られた劇場アニメー
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理想郷(2022年製作の映画)

4.5

フランスからスペインに移住し、有機野菜を育てて第二の人生を歩む夫婦の話。
西田敏行のナレーションが聞こえてきそうなほど「人生の楽園」っぽい設定。
しかし、楽園はおろか地獄のような話に展開していく。
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私がやりました(2023年製作の映画)

4.0

面白い話。
嘘の罪をあえて告白し、民衆の同情を買うことで無罪を勝ち取り、女優としての名声を得ていく話。

それぞれの思惑とその背景にある女性蔑視的な社会を考えて、とても楽しめた。
そして、男性って本当
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映画 すみっコぐらし ツギハギ工場のふしぎなコ(2023年製作の映画)

4.0

Perfumeの主題歌を映画館のスピーカーで聴くことが目当てでストーリーは期待してなかったんだけど、予想以上に良かった。

おもちゃ工場に行ってドタバタハートフルな話なんだろうと思ったら、まさかのエン
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ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.0

このレビューはネタバレを含みます

Not for meだったかも。
特攻を否定しつつ、誰かが貧乏くじ引かないといけないと自らを奮い立たせ、命懸けの作戦に志願する人たちをドラマチックに映すのが、あまり納得できなかった。
誰も死なないこと
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ザ・クリエイター/創造者(2023年製作の映画)

2.0

笑ってしまうぐらいハマらなかった。
普段SFをほとんど見ないから、久しぶりのSF映画だったけど、SFって難しいなと思った。
というのも、言ってしまえば何でもありなジャンルだから、作り手の思惑とかエゴが
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

4.2

今ちょうど仕事で金関係の揉め事があって、それを映画中ずっと考えてた。
誰がその財産を受け取る権利があるのか、何に価値があるのかなどなどを考えていた。
そして、映画のラストの意外な展開から「結局は権力に
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シアター・キャンプ(2023年製作の映画)

4.2

面白かった。
演劇のサマーキャンプを営むジョーンはある日昏睡状態になってしまい、息子のトロイがサマーキャンプの経営を引き継ぐが、実は経営難でキャンプを立て直そうとしていく話。

様々な個性を持つ子ども
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ニモーナ(2023年製作の映画)

4.8

最高すぎた。今年一かも。

かつて英雄グロレスがモンスターから国を守り、グロレスの血筋を引く者だけによって衛兵が結成される。
それから1000年後、初めて庶民出身のバリスターが衛兵に選ばれるが何者かの
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(2021年製作の映画)

3.5

怖い。
少女の無邪気な脅威というか、平気な顔して恐ろしい事をやってのけるというストーリーが、ストップモーションアニメという技法にすごくマッチしていた。
基本粘土?の人形を動かしてるけど、たまに本物の人
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オオカミの家(2018年製作の映画)

3.8

映像が圧倒的。
こんなストップモーションアニメ見たことない。
キャラクターの表情や動きが徐々に書き出されていくから、その間にすごくグロテスクなトランスフォーム途中みたいな形になるけど、それが面白い。
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ネズミ捕りの男(2023年製作の映画)

3.3

映画というより小説の形式に近い。
脚本のト書きまで全部言葉にして語る。
そして、そこにいるはずの登場人物が何故か第三者的なストーリーテラーを担ったり、黒子みたいなそこにいないはずの人がカバンを用意した
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ストリートギャング セサミストリートにたどり着くまで(2021年製作の映画)

4.1

子供向けの教育番組が当たり前の時代に生まれ育ったから、セサミストリートが如何に画期的だったか学べた。

お菓子やおもちゃを洗脳のように子供達に覚えさせたCMの技法を用いて、アルファベットや数字を教えよ
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コカイン・ベア(2023年製作の映画)

3.8

これ実話なのかよ笑というのが1番の感想。

ホラー映画の殺人鬼やモンスターの役がコカインを吸った熊というのが面白すぎた。
主人公がビクビクした顔を映しながらカメラが回り込むと熊がいる…というのがツボだ
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アル中女の肖像(1979年製作の映画)

3.2

終始よく分からない映画だった。
東西が分断されていた頃のドイツの話で、男尊女卑の思想が色濃い時代に嫌気をさした主人公がひたする酒を飲みまくる映画。
酩酊の中、統計学的な冷たい事実を語る女性3人組に会っ
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燃えあがる女性記者たち(2021年製作の映画)

4.1

良かった。
福田村事件と連続で鑑賞したけど、あらゆる点で共通項があった。
不条理な身分制度の中、低い身分の人の命は軽んじられる。
組織や警察はそんな人たちを助けるのではなく、むしろそんな事件はなかった
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福田村事件(2023年製作の映画)

4.4

このレビューはネタバレを含みます

関東大震災の後に起こった朝鮮人の虐殺を描くというあらすじを知った上で観に行ったが、想像よりも遥かに多重なレイヤーで描かれていた。
特にラストの商人たちが朝鮮人なのかどうかの攻防はスリリングだった。
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アステロイド・シティ(2023年製作の映画)

3.0

どの瞬間を切り取っても画になるほど、本当にビジュアルが可愛い。
一方でなんの話かよく分からなかった。

話が三重構造になっていて、アステロイドシティという架空の街のドラマ、そのドラマの脚本演出家の話、
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ソウルに帰る(2022年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

バーで韓国に残って欲しいと懇願する男性をあしらって、1人で踊るシーンが印象的だった。
相手を牽制して、自分の弱さに踏み入らせない主人公のキャラクターを象徴しているようだったし、その後彼女が武器商人にな
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ファルコン・レイク(2022年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

青春映画だと思って見に行ったら、ホラー映画みたいな始まりで、だんだん青春映画的な瑞々しさが出てきたなと思ったら、やっぱりホラー映画だった。

個人個人ではいい奴なんだけど、群れると有害な男性性を出して
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赤と白とロイヤルブルー(2023年製作の映画)

4.2

このレビューはネタバレを含みます

LGBTQの人々にも様々な意見を持つ人がいるように、あらゆるタイプのクィア映画がたくさん生まれるべきだと思ってるのだけど、この映画を見て「一つ新しいタイプのクィア映画が生まれたな」と思った。

当初予
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カールじいさんのデート(2023年製作の映画)

3.2

カールじいさんがピクサーの中でもトップレベルに好きだけど、その後日談としてあまりいただけなかった。

カールじいさんがエリーの死を乗り越えて、次の恋に向かうのはいい。
だけど、カールじいさんがあまり乗
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マイ・エレメント(2023年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ピクサーの得意技だと思うけど、架空の世界観の描写が面白くてエレメントの世界を見てるだけで最高に楽しかった。
冒頭の船や飛行機からエレメントが降りてくるシーンからワクワクした。

ストーリーとしては、面
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さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

怒涛の展開
この前まで正しかったものが数年でひっくり返ってしまい、かつての体制派が反逆分子として成敗される混沌の時代。
ただ自分の京劇を信じて女形を演じ続ける蝶衣が、本当に役に憑依していて、終盤には自
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ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語(2019年製作の映画)

4.0

映画「バービー」に向けて、監督の過去作を予習するために鑑賞。
バービーと通じる部分があって、予習しといて良かった。

女性の物語のラストは結婚か死なんて、そんなふざけた話があるかよ
人の人生はもっと多
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バービー(2023年製作の映画)

4.7

このレビューはネタバレを含みます

「バービーに女性器ができるまでの話」というとギョッとされてしまうかもしれないが、割と真面目にそういう話だなぁと思った。

女性vs男性の単純な二項対立のような流れで物語は進んでいくけど、決してそんな単
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