ずこやまさんの映画レビュー・感想・評価 - 8ページ目

ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男(2018年製作の映画)

3.0

年老いたWW2の英雄が戦争で変わらざるを得なかった自分の人生の意味を自問するという真面目で骨太な話に、「世界を救うためにビックフットを狩る」という無茶をねじ込みつつも、ふざけた要素はなく鑑賞後は静かな>>続きを読む

ウィッカーマン(1973年製作の映画)

4.0

多数派に対して自分の常識や信条がまったく通じない時の絶望たるや。。心をバキバキに折られる主人公が気の毒だけど、キリスト教も昔は勝手な都合で蛮行の限りを尽くしたしおあいこだよね。クリストファー・リーの変>>続きを読む

インヒアレント・ヴァイス(2014年製作の映画)

3.0

雰囲気最高。音楽も最高。話も途中まではおもしろかったけど、後半ついていけなくなってしまった。。理解できたら絶対おもしろいやつ。ちゃんとついていける人すごいわ。でもモットォ、パンケーク🥞は一生忘れない笑

囚われた国家(2019年製作の映画)

3.0

社会風刺的なSF映画。普段はもふもふだけど怒るとウニになって中身がライチみたいなエイリアンが良い。レジスタンス達が目線や行動で意思疎通する感じが、近未来なのにアナログ感満載で70年代のポリティカルアク>>続きを読む

マルホランド・ドライブ(2001年製作の映画)

4.0

リンチワールド全開。けど、大筋はかなり分かりやすい方だと思う。ナオミワッツの演技すご。あの薄汚れた男はツイン・ピークス新シリーズに出てきたウッズマンなのかな。リンチの世界の悪意の象徴的な。

暴力無双 サブリミナル・ウォー(2021年製作の映画)

3.0

北村龍平のVERSUSの出演者達が再集結したセルフオマージュ満載の同窓会的映画。どうせなら20年後のリアルタイム続編を作ってほしかったなぁ。アクション多めだけど、カット割りとかSEが微妙で不完全燃焼。>>続きを読む

RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

4.0

ベジタリアンの少女がカニバリズムに目覚めるって話をベースしつつ、女性としての目覚めや成長、抑圧からの解放を描くフェミニズム映画でもある。フレンチニューウェイブホラーの一つの到達点。ラストのあれは血は争>>続きを読む

マインズ・アイ(2015年製作の映画)

3.5

シンセなBGMが最高の80’sリバイバルな超能力者もの。同時期に近いコンセプトのストレンジャーシングスが作られたのも興味深い。低予算ゆえ、舞台がほぼ民家な研究所と主人公の実家のみというスケールの小ささ>>続きを読む

ワイルド・スピード/ジェットブレイク(2020年製作の映画)

3.0

ドムに弟がいたという北斗の拳並みの後付設定だけど、中の人の事情でホブスが抜けたから筋肉要員としてジョン・シナ参戦は嬉しい。破天荒すぎる物語はもはや食傷気味だが最後にBBQとコロナビールで締めればok感>>続きを読む

ザ・スーサイド・スクワッド "極"悪党、集結(2021年製作の映画)

3.5

・キングシャークかわいい🦈
・ジョン・シナの白ブリーフ1丁の破壊力。ターミネーターのリメイクやってほしい
・パイラ星人オマージュ!CMでネタバレなかったら良かったのに
・平成ガメラオマージュ?ティム・
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ローリング・サンダー(1977年製作の映画)

4.0

妻子を殺された主人公の復讐譚でもあり、心に傷を負ったベトナム帰還兵の生きづらさを描く社会派映画でもある。義手を武器に改造するシーンがすき。ポール・シュレイダー脚本おなじみのクライマックスの殴り込みシー>>続きを読む

ホラー・エクスプレス/ゾンビ特急地獄行(1972年製作の映画)

3.0

オリエント急行+物体X的な映画。若干の緩さはあるものの、大きな破綻なく進む物語はきちんとまとまってる。特にラストのゾンビの群れのシーンは音楽も相まってなかなか良かった。ちょっとクトゥルーを思わせる設定>>続きを読む

マーターズ(2007年製作の映画)

4.0

この映画に勧善懲悪とか因果応報なんてものはない。後半の容赦ない展開に主人公も観客も疲弊しきった果てに迎える結末は、ある意味解放でもあり、胸糞どころか逆にカタルシスすら感じる。。フレンチニューウェイブホ>>続きを読む

ひとよ(2019年製作の映画)

3.0

カークラッシュからの佐藤健のドロップキックのワンカットシーンがよかった。あと大悟がテレビ千鳥まんまの演技でフフッてなる。

ブラック・ウィドウ(2021年製作の映画)

3.5

フェミニズムもの+擬似家族もの+MCU。最初の10分くらいの日常→逃亡って急展開は監督の確かな演出力もあって一気に引き込まれた。フローレンス・ピュー演じる妹が最高で、エンドロール後に示唆された今後が超>>続きを読む

スノータウン(2011年製作の映画)

3.5

寂れた街で鬱屈した毎日を送っていた青年が唯一信じていた大人が殺人鬼だった。。という実話の映画化。どんよりとした空気感で殺人に加担させられ後戻り出来なくなっていく様を淡々と描く。主犯を演じた役者さんの存>>続きを読む

プライマー(2004年製作の映画)

3.5

理系感強めの超複雑なタイムトラベルもの。過去に戻るのに同じ時間だけ逆行するのはTENETと一緒だけど、その100倍位複雑でこんがらがってる映画。。世紀の発見を前に、私利私欲やしょーもない事が原因で疑心>>続きを読む

ゴーストランドの惨劇(2018年製作の映画)

4.0

二転三転する物語は驚きと絶望の連続で、間接的な暴力描写が逆に痛々しいよくできたホラー/スリラー映画。と同時に、絶望に心の強さだけで立ち向かうって展開と、その中で露呈する家族・姉妹愛を描いていて、実は人>>続きを読む

ゴジラvsコング(2021年製作の映画)

3.5

このレビューはネタバレを含みます

熱海城じゃないけど香港を破壊しまくる大怪獣プロレスが観れて満足。ゴジラの熱線のエネルギーを斧にチャージしてからのコングの猛攻撃も最高。小学生だったら間違いなく自由帳に再現イラストを書いてる笑 あとコン>>続きを読む

フロンティア(2007年製作の映画)

4.0

なんとなく立ち寄った所はマジキチ一家のお家でした、という悪魔のいけにえ感のある話。ちゃんと晩餐シーンもある笑 ヒロインが自身の意志と力で逆境に立ち向かうって展開と、容赦ない暴力描写がニューウェイブフレ>>続きを読む

トールマン(2012年製作の映画)

3.5

パスカル・ロジェ監督脚本だから身構えてたけど、二転三転する物語はいい意味でジャンルすら思ってたのと違った。理屈や思いはわかるけどこの映画の親たちは子供を愛しているように描かれてるわけで、その親の気持ち>>続きを読む

うつせみ(2004年製作の映画)

3.5

「水」や「水中」を連想させる青味がかった映像や、主人公が一言も喋らずその表情だけで語るのがまさにギドク映画。ギドクが繰り返し描いてきた純愛と依存≒共生の物語で、後半の飛躍はマジ??って感じだけど、ラス>>続きを読む

ブルー・レクイエム(2004年製作の映画)

4.5

説明なしで進む前半は細かな伏線演出で観客に興味を持たせ、「理由」が判明する後半と急展開のクライマックスはもう目が離せない。1発1発が命を奪う重みや圧力を感じるバイオレンス描写満載の銃撃戦もかなり好み。>>続きを読む

悪魔の植物人間(1973年製作の映画)

3.0

ポスターの植物人間がなかなか出てこない!けど、本筋とはあまり関係ないものの、植物人間を作ろうとする博士にこき使われる奇形の男が抱えるフリークスとしての悲哀・葛藤がドラマとしてしっかりしてて、その顛末は>>続きを読む

ヒッチャー ニューマスター版(1986年製作の映画)

4.5

不条理で先が読めず、危機と安堵の緩急が凄まじい超面白いスリラー。。なんだけど、犯人を主人公の擬似的な父として、それを乗り越えることで主人公が成長する一種の通過儀礼的な物語(英雄譚や神話とかにある父殺し>>続きを読む

デモンズ(1985年製作の映画)

3.5

超かっこいいプログレな音楽と原色強めの色彩設計と気合いの入った特殊メイク、そして美少女と説明を省いた大雑把なストーリーで観せるアルジェント印のゾンビ?ホラー。突如始まる日本刀×バイク無双が最高。ラスト>>続きを読む

ハンテッド(2003年製作の映画)

3.5

隠れ良作。人物描写が薄すぎるけど、闇堕ちした「子」の魂を「親」が救済する、というプロットは描けてる。序盤の戦場ステルスシーン、中盤のフリードリキンらしい追跡劇、そこらに落ちてる物で作ったお手製ナイフ(>>続きを読む

屋敷女(2007年製作の映画)

4.0

これはすごい。中盤からラストまで一瞬も途切れないテンポの良さと緊張感。痛感にくるゴア描写。クライマックスに「理由」が判明したときの胸糞とは違ううわぁ…感。からのまさかの共闘!で、ラスト。正直ラストがキ>>続きを読む

71フラグメンツ(1994年製作の映画)

4.0

受け身で観ることは許されない、いつものハネケ作品。感情の氷河期3部作の中では個人的にベスト。現実は断片でしかない。。
あと、ウィンターソルジャーことセバスチャン・スタンの子役時代(すでにイケメン)の姿
>>続きを読む

DAGON(2001年製作の映画)

3.0

ラヴクラフトのインスマウスを覆う影の映画化。脚色がかなり入ってるけど、魚臭そうな寂れた漁村の雰囲気とか魚人の造形はよく再現出来てる。いあ!いあ!くとぅるふ!ふたぐん!を映像付き音声で聞けてよかった笑 >>続きを読む

ハンバーガー・ヒル(1987年製作の映画)

4.0

戦争の英雄なんて出てこず、みんな泥だらけの血まみれで戦場を這い回り気づいたら死んでたりするのがリアルでこわい。後半に進むにつれ戦場シーンと日常シーンの繋がりに緩急がなくなるのは、感覚や感情が麻痺してく>>続きを読む

すべて彼女のために/ラスト3デイズ(2008年製作の映画)

3.5

冤罪で投獄された妻のために、おじさんが一線を越えまくりながらひたすら頑張るフレンチノワール。強引な部分もあるけど無駄なく96分でまとまってて、サブキャラ(お父さんとか売人とか刑事とか)最低限の描写でそ>>続きを読む

モンスターハンティング 復讐の狩人(2018年製作の映画)

4.0

邦題が酷い笑 が、中身はゲームのダークソウルみたいなビジュアルと世界観で、復讐のためだけに生きる主人公の戦いをほぼセリフなしで描くドス黒いダークファンタジー。短すぎる尺と少なすぎる見せ場が欠点かな。と>>続きを読む

ザ・インシデント(2011年製作の映画)

3.5

顔面アルミホイルとか、人体コンロ直火焼とか、笑顔で手をザク切りとか、所々の狂気のディテールがこわい。もしザラーが監督もやってたらどんな映画になってたのかな。。考察や解釈が分かれそうなラストも良き。