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ドラゴンズドグマの9のレビュー・感想・評価

ドラゴンズドグマ(2020年製作のアニメ)
4.5
モーション、風景、戦い方や展開、全てにゲーム原作へのリスペクトと愛を感じます。
これを低評価とする人は、ゲーム未プレイ、あるいは大してやり込んでいないのではないかと。
ゲーム未プレイの方は、恐らく1割すらこのアニメの良さを感じ取れなかっただろうと思います。

ドラゴンズドグマは、そもそも主人公が冒険に出た瞬間に悲劇が始まる物語なので、「主人公の闇落ち」とレビューしている人はドラゴンズドグマをご存知なくて勿体ないですね。
単体のアニメとしてはストーリーが退屈で陰鬱だし、ゲームを知らない方には分かりにくい点も多いのでしょうが、とにかくゲームの再現が凄かった。

建物内の薄暗い光の表現。
鹿の呆気なく小さな断末魔。
敵を引きつける時の盾弾きの動き。
崖上から見下ろすサイクロプスの圧倒感。
ポーンから覚者へのエンチャント。
グリフィンとゴブリンが同時に襲ってくる夜営の恐ろしさ。
洞窟から見える出口の仄かな灯り。
スケルトンの数に圧倒される地下の戦い。
人間味を帯びていくポーンと、ドラゴンと同化していく覚者の対比。
領主への裏切りによるキャラクターの決闘。
栄えた街の建物と複雑な地形。
ドラゴンとの決戦の建物と門の大きさ。
晴れた天気と砂埃。
炎から逃げる時の瓦礫。
空の闘い。
心臓への攻撃。
ドラゴンの誕生。
ポーンの旅の始まり。

ここに書ききれないほど、原作を踏襲した作品でした。自分がゲームをプレイしている錯覚に陥る程のレベルです。
ゲームのアクションをアニメーションでここまで再現したのは本当に素晴らしい。

そして、原作ではプレイヤーには任されていた覚者のバックボーンを描いたことで、連続アニメとして成立させた物語。
オリジナルの覚者、イーサンを与えられたことで、この話は覚者のそれまでの人生を踏まえた冒険なのだと気付かせてもくれました。
オリヴィアが美しく、ルイは愛らしく。ハンナへ感じる愛おしさも、ゲームでのポーンへの信頼と同じように感じました。

原作ファンとして、よくぞこの熱量で描き上げてくれたなという思いです。観て良かったです。
ドラゴンズドグマのファンの方は、楽しめる作品だと思います。
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