きくり

UN-GOのきくりのレビュー・感想・評価

UN-GO(2011年製作のアニメ)
5.0
坂口安吾の明治開化安吾捕物帖とか復員殺人事件を現代にアレンジしたアニメで、AIとか未来的な部分も好きだけど戦争とか政治とか宗教とかそういう思想が度々登場して、なんて素敵なアニメなんだと思った。思想を押し付けるんじゃなくてあくまで作品の中で出てくるだけなので考えて生きなきゃいけねぇな~という気持ちになる。私は平和ボケしてるけどこの平和が日常になってるのは色んな歴史があったからなんだな、それは忘れたらいけないことですね。戦争で英雄と讃えられた夫に英雄のままでいてもらうために殺したり戦後の規制に反対する為に殺人事件が起きたり、戦意向上の為にアイドルが利用されたり、一歩間違えたら放送大丈夫かって感じのアニメだよ。サラッと見たらただのよくわからんミステリーなのかもしれないがこれは強い。思想が強いというより受け取らねばならぬものが多い。そして続編(前日譚)の因果論も見て欲しい。新興宗教や反政府軍、異国の仏像など、刺さるところが沢山ある。ストーリーも背景も勿論だが他にも選曲が素晴らしかった。因果論では戦場で歌う会が『あの素晴らしい愛をもう一度』『少年期』『セーラー服と機関銃』を歌うがある。本編の2話では『ブルーライト・ヨコハマ』が出てくる。思考を盗聴されてるんじゃないかというくらい好みで脳が沸いた。何書いてるかわからなくなってきた。ともかくUN-GOは良い。