Train

おジャ魔女どれみのTrainのレビュー・感想・評価

おジャ魔女どれみ(1999年製作のアニメ)
4.5
【魔法を使わない覚悟】
20周年記念作品『魔女見習いをさがして』が大傑作だったので(未レビュー)、ではオリジナルは、と配信で約一年かけて見たが毎話毎話エピソードの完成度が高い。両親との不和、個性や夢の否定など思春期に突入した子ども達が直面する問題や心の機敏を丁寧に描いている。

本作では魔法という便利なものを扱いながらも、単なるお助けにしか過ぎないところに留めている。直接的な願いが叶う事はほぼない。また人の怪我を治したり、人の気持ちを変えることは魔女界では御法度である。それを破れば災いとして自分に返ってくるからだ。現実と同じで結局は自分達で問題を解決しなければならない。そうした経験を積み重ねることで、どれみちゃん達は本物の魔女へ、ひいては大人へ近づいていくのだが、最終回はとある事情で彼女達はルールを破らなくてはならない状況に陥る。もし破れば魔女としての資格を剥奪されてしまう。厳しい選択を迫られる中、彼女達の出した答えとそこから起きる奇跡に涙を流さずにはいられなかった。

追記
あいちゃんの複雑な家庭環境について描かれるエピソードが何話かあるが、解決したと思ったらまた時間を空けて似た問題が起こるというのはなんだかリアリティがあってよかった。
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