お腹すいた

ヴァンパイア・イン・ザ・ガーデンのお腹すいたのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

最近のアニメによくある映像美と音楽が良いってだけじゃなく、キャラクターの動きが素晴らしくて主人公のモモがどうやってあのラストシーンまで辿り着ける人間になれるのか、あれほどの強い思いを持てたのかを丁寧に5話使って描いた名作、なんだけど先に書くとあのラストシーンに吸血鬼の女王、もう1人の主人公のフィーネも居てよくなかったですかねなんで⁉️って悔しさと残念さがある。
んだけどもそういう完全なハッピーエンドではなく、もの悲しさのあるエンドでもまぁ仕方ないかと納得させられるくらいにはそこに至る物語が丁寧で素晴らしかった。

映像作品としていろんな映画にドラマ、アニメを見るけど直前に触れてた吸血鬼ものがよりにもよって吸血鬼すぐ死ぬだったのでフィーネもモモも新横浜に来ればいいのに、おいでよ新横浜!て心から念じながら最後まで見た。話ズレたけど吸血鬼すぐ死ぬでも作者が丁寧に解説してるように吸血鬼という生き物は享楽的で楽しい事が大好きで、さらには人間をたぶらかすために料理も得意である場合が多く、そういう吸血鬼特有の属性についても本作ではサラッと描いてあるのが吸血鬼作品好きにはたまらなかった。

アレグロがとにかく可愛いくてかっこよくて、今作ではいちばんまともな価値観を持った人物のように自分には見えた。アレグロが大切にしてるパグ犬が可愛くて、人間と戦いに行く時まで自分の背中にのせて連れて行くのがたまらなくキュートだった。
アレグロとフィーネて婚約していたのかな? 指輪をあげてたので。そこがよくわからなかったんだけど、でもフィーネはアリアという人間の女性との出会いで何もかもが変わってしまい、アリアを死なせた悔恨から人間の血を二度と吸わないと心に決めてしまうんだね。

何もかもが本当に素晴らしくて、残念なのは5話しかないって事とフィーネは生き延びさせてあげてもよくない?て事。でももしフィーネも一緒に生存したらモモはラストシーンのようにはならなかっただろうからそれがわかるだけに切ない。

ラストシーンはモモが人と吸血鬼の共存出来る世界をなんとかして作ろうともがいてその先の未来なんだね。

このお話は、異種間のバディものでありロードムービーみもあったり(2人で逃避行でクラシックカーで旅する束の間のシーンも本当に素晴らしかった)、ディストピアな世界もたまらんしいろんな要素があって全部自分の好物で宝物みたいのアニメ。

ほんと、わがまま言わせてもらえるならフィーネの死別してからラストシーンに至るまでのモモの物語も知りたいという事。