へっぽこヘラクレス

遊☆戯☆王5D'sのへっぽこヘラクレスのレビュー・感想・評価

遊☆戯☆王5D's(2008年製作のアニメ)
4.5
シリーズで一番好き。
理由は単純、主人公がカッコよすぎるから。
それだけでここまで高評価をつけられるのは後にも先にも間違いなく5D'sだけ。

前提として『遊戯王』なので、ツッコミどころの多さには目をつぶる必要がある。
デュエルに勝ったら逮捕を見逃すならまだしも、文明崩壊とか歴史改変とか、カードゲームなのにどうしてそうなる! とは言わないお約束。


トンデモ設定やぶっ飛びストーリーは置いといて、一番の見どころは主人公(遊星)の人格。
切り札の「スターダスト・ドラゴン」が遊星の核である"自己犠牲"を象徴している… という説は素敵だと思う。
敵を倒すのではなく、仲間を守る。
遊星の自己犠牲の理由(心の闇)が語られたシーンは、当時小学生だったけれど今でも一番印象に残っている。
「なのにどうしてあいつらはオレを仲間と認めてくれる…何も言わずにオレに笑いかけてくれる?!」「オレはどうしたらいい…あいつらにどうやって償えばいいんだ!」
きっと仲間は責めたりしない。それでも、そんな優しい仲間だから、大切な友だからこそ引け目を感じてしまう。こんなふうに思える人間になりたいと本気で思った。
最終回、期待を遥かに超える最高のフィナーレ。
あるべき場所に還った遊戯、帰る場所があるから旅立った十代、そして「皆んなの帰る場所」になった遊星。
10年以上も前なのに、あの時の喪失感は鮮明に覚えている。