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魔法少女隊アルスのuniのネタバレレビュー・内容・結末

魔法少女隊アルス(2004年製作のアニメ)
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このレビューはネタバレを含みます

【備忘録】

「魔女」と「魔族」の世界に「人間」である主人公が迷い込むところから物語が始まる。

私は、この物語の軸は「魔女界と魔族の対立」「家族のつながり」「光と闇」の3つだと思う。


歴史や伝統、掟を重んじる魔女と、
科学を用いた大量生産・大量消費による便利だが本質と離れうる魔族との対比が面白く、実際の昔の生活と今の生活を考えさせられる構造になっていると思えた。

魔女界でも魔族界でも、独裁的に力を持つ者が存在し、魔女界では「伝統と誇りを守る」ことにとらわれた掟に従うことで、魔族界は「なんでもある」と謳われるほど娯楽にも溢れることで、考えることを放棄させられているように感じた。

正反対の性質を持つ2つの種族はお互い対立していたが、最終的に人間である主人公が魔女界には革命をもたらし、魔族界には逆に変革ばかりではなく、古き良きものも大切にし、自分とは別の考えを持つ者たちと寄り添うことをもたらしたと言える。

この結末から私達も、変革を恐れないこと、反対に、伝統や規律を重じることの背景を自分たちが考えることが大切なのだと気づいた。


主人公の元に「自分は君の【カガミ】だ」と言う1人の少年が現れる。
その少年は家族に対する考えをストーリーが進む中で主人公の考えや感覚に触れ、家族の繋がりを大切にし、素直に大事だと発言できるようになる。

(実際表記は鏡だと思うのですが、個人的に違和感があるのでカタカナ表記にしています。
カガミに関して語り出すと気持ち悪いくらい長くなるので割愛。ヲタクの早口捲し立てワイは好きやけどな。)


この作品における「闇」とは
自分には何かが足りないと思う劣等感とされている。嫉妬や羨望にとらわれると、心が弱くなり、誰かにつけ込まれたり、絶望や不信、憎悪にのみこまれてしまう。

この作品には好きな言葉がたくさんあった。

個人的に1番納得したのは、
「闇に光を当てても吸い込まれてしまう。闇自身が光るように導かなければ」ということだ。

「想う心があれば誰にでも魔法は使える」と言う言葉も思い入れがある。
魔法と言うと、ロマンチックに聞こえるかと思うが、願ったことを叶えさせる力と捉えると、真理だと思う。

そして、想う心が「闇」を自ら光るように導くのに必要なものだったんじゃないだろうか。

自分の未来を想う心、周りの人のことを想う心、世界のことを想う心。

違う考えを持つ人を排除しようとすると、それはいつしか大きな対立になる。魔法界において、魔法を使えない人種との対立が大きくなり人間界と魔法界が隔絶したように、魔族とウィザードが数100年のたたかい続けているように。どうすればいいのかわからなかったとしても排除しようという動きは間違っていると断言したい。



あと、個人的に魔女、魔族、人間の種族によって色が使い分けられていることも表現の一つとしてとても素敵だなと思いました。
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