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鬼滅の刃 遊郭編のtakのレビュー・感想・評価

鬼滅の刃 遊郭編(2021年製作のアニメ)
3.5
2020年に映画館の救世主と騒がれた「無限列車編」で初めて「鬼滅の刃」を観た者だけに、デカい口は叩けない。その流れでテレビの第2シーズン「無限列車編」を見て、そのまま「遊郭編」へとなだれ込んだ。

グラマーなおねいさんがいっぱい出てくるからだろって?えーと、あ、はい。

第1シーズンを全く見ていないし、原作未読なのでこの第3シーズンで、初めて鬼が元人間という設定の深さと、そこがこの物語の肝であることを理解した。単なる勧善懲悪に終わらない。敵には敵の生い立ちがあり、堕ちた理由と彼らなりの理屈がある。

ラスト数話の激し過ぎるバトルは、たった一度の戦闘が何週間にも渡って繰り広げられる。1ラウンド終わるまで数週間かかる「リングにかけろ」じゃあるまし(若い子はわからんかww)。その間、形勢は毎週入れ替わり、罵詈雑言が飛び交い、痛々しくグロテスクな描写が続く。嫌いな人は嫌いだろう。僕も決して好きじゃない。しかしその先にあるエピソードが胸に迫ってくるのには、ただただ圧倒された。

この作品が話題になり始めた頃、激しい描写に賛否の意見が飛び交った。きっとそうした描写の先にあるものに感動がある。その意味を理解できる年齢でこの作品に触れるべきだと、原作未読ながら思ったけれど、今回の第3シーズンでその片鱗に触れることができた気がする。

炭治郎みたいな優等生男子の主人公がウケるのなら、白土三平の「サスケ」を今リメイクしたらヒットするんじゃないだろか。けっこうマジで思うんだけどな。
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