生酒冷造

キャシャーン Sinsの生酒冷造のレビュー・感想・評価

キャシャーン Sins(2008年製作のアニメ)
3.6
月(ルナ)という太陽が滅ぼされた世界。荒廃の世を彷徨うキャシャーン。死が無縁のロボットすら黒死病の如く風化に罹り自暴自棄に日々を殺伐と貪る。しかし、ロボットの間ではある噂がある。キャシャーンを食えば滅びから逃げられると。。

邦画ではトホホな作品と聞いていたけどアニメはどうか?
昭和のキャシャーンはもっと冒険活劇なシナリオでしたので、昨今のはどんなものかなと見たら、いやはや、リブート作品の様相でした。

世紀末の世界観。間違いなく死が蝕む映画「エンド・オブ・ザ・ワールド」のラストシーンさながら。
人でも死が迫ればヤケになるでしょう。
それがロボットでも陥る。
人間のいない世界でロボットが人間のように感じる。
北斗の拳と銀河鉄道999を足して2で割った感覚でしょうが、キャシャーンだからアクションシーンがメインかと思いきや、廃墟の中の生命讃歌のようなドラマがメイン。
静かな平坦な流れのドラマに限られた命の尊さとは?が話の核なんでしょうが、逆にもっとハートが震えるまでに煮詰めた方が見応えがあったかも。
死・退廃・愛・生。
もっと燃える展開も想像出来たでしょう。
ある意味、対象年齢の間口を低学年までに広げてるのは、昭和のキャシャーンへのメンツかも。

しかし、あのキャシャーンをネタにこういう切り口で作風をガラッと替えたのはナイスアイデアなアニメでした。
生酒冷造

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