ジーナ

リコリス・リコイルのジーナのレビュー・感想・評価

リコリス・リコイル(2022年製作のアニメ)
3.5
とにかく惜しい。
傑作になる可能性は十分に秘めていた作品だったと思います。

まず、千束とたきなのデザインが秀逸で、めちゃくちゃ可愛い。
そして、2人の演技も素晴らしいの一言。

序盤から若干ストーリーに粗はあったけど、可愛い女の子によるガンアクション、深まる2人の友情(見方によっては百合とも言えますが賛否あり)が何よりも魅力であり、話数を重ねる毎に百合濃度が増していけばそれでいいと思ってました。

千束がたきなを抱っこして「君に会えて嬉しい!嬉しい、嬉しい!」と語りかけるシーンや、たきなが水族館で「さかなー!」とふざけて千束を励まそうとするシーンなんかは正に「こういうのでいいんだよ(井之頭五郎)」と言える屈指の名シーンだと思うんですが、段々と雲行きが怪しくなっていきます...

そう、ちょっと擁護できないレベルで脚本がガバガバになっていくんです。
ツッコミどころを挙げたらキリがなくなるんですけども...
それらはコメント欄に書きます。

アクションシーンの演出とかはとても見入るんですけど、千束の弾丸を必ず避けられるという特殊能力が邪魔してハラハラするようなピンチが少なく、しかも彼女は人を殺さない主義なので結局千束も敵もどっちも死なないという消化不良なバトルが連続する。
また、たきなは優秀なリコリスという設定のはずが大して活躍しない点が目に余る。
たきな→千束への友情が増大していく描写はあるけど、千束→たきなへの描写は軽薄化していって、むしろ千束→真島(本作の敵です、人殺してます)への友情みたいなものがメインになっていく。
そのせいかバディものなのにたきなが若干除け者化しており、その真島も強キャラ感出してるけどポンコツにしか見えない。

うーん、4話ぐらいまでのノリでずっとやってくれてたら個人的には円盤買うレベルに好きになってたと思いますけど、終盤からの失速がえげつない。
ぶっちゃけ10話までは全然楽しめた。
だから残念だなぁ。

でも、円盤も小説もヒットしているようなので、多分作られるであろう2期がやるなら見ます。

そして、この作品はちさたきというカプを造った功績もそうですが、ED「花の塔」というスーパー名曲を残した事も忘れてはならない。
アニメのED史に残る曲だと思うので、ぜひ聞いて頂きたい。
ジーナ

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