低予算であることを逆手に取った演出で笑いと表現の幅の広さを提供してくれた神アニメ。
何故か動物だけくそ雑CG、現実のトラクターの映像をトレースして操縦者の顔にだけキャラの顔を貼り付けた伝説の迷コラシーン、永遠に完成しないOPに、手抜きなようでかなり拘って多用しているドット絵表現など、このアニメ特有の光る演出だけでも面白過ぎるが、このアニメ、ストーリーもかなり興味深い。主人公がカルト教団教祖の跡取りで、転生した先が宗教の存在しない世界、そこで宗教を開拓してカルトの教祖になる話なんてどんな生活をしていたら思いつくのだろう。
宗教の価値観が無い世界の表現も、人々が死を恐れておらず、国家に生死を管理された社会だったり、家族概念がとにかく薄い人間関係、子孫繁栄の概念がないので性知識が皆無な人々、死を恐れたり性に興味を持つ人間を徹底的に隔離する風潮などパンチが効いていながらどことなくリアルで世界観の説得力は数ある転生系作品の中でもかなり高いと思う。
中盤以降、作られた女神達と信者を取り合う宗教戦争が始まるのだが、最初に性欲が広く人々に普及していくのがエロギャグとしても、原始の人間を描いたものとしてもかなり面白かった。
後半に行くにつれてエロ描写がめちゃくちゃ多くなってくるが、設定も演出もピカイチなのでかなりおすすめしたい作品。