Benito

流行感冒のBenitoのレビュー・感想・評価

流行感冒(2021年製作のドラマ)
3.9
【人の行動や心理は100年前も同じ】

志賀直哉による1919年の小説をドラマ化。
皮肉にもそのスペイン風邪禍から100年後の2019年からコロナ禍となって改めて見直された作品。

志賀直哉自身を映したような主人公のパンデミック下での、時にコミカルに、時に利己的に、右往左往する姿をみると、どんな時代も人の心理状態であったり、とる行動がコロナ禍とまったく同じだったりするのが印象的。モッくんも上手いし、奥さん役の安藤サクラ、女中のふたり(古川琴音,松田るか)、編集者の仲野太賀みんないい感じで大正時代に生きた人々を演じてた。

エンディングに挿絵的に映る当時の感染対策ポスターが洒落ていた。

劇伴の清水靖晃のサキソフォンの響きも、ドラマに落ちつきを持たせて心地よい。

<NHK BSプレミアム>
2021年4月10日(土)21:00〜 単発
出演:本木雅弘、安藤サクラ、仲野太賀、
古川琴音、松田るか、石橋蓮司
原作:志賀直哉「流行感冒」から
脚本:長田育恵「らんまん」など
演出:柳川強
音楽:清水靖晃
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