いかえもん

HALSTON/ホルストンのいかえもんのレビュー・感想・評価

HALSTON/ホルストン(2021年製作のドラマ)
4.0
ホルストンさんって70年代から80年代にかけてアメリカで有名だったファッションデザイナーさんらしくて、その栄枯盛衰を描いたドラマがこちら。
全5話なのでわりとサクッと見られます。が、しかしホルストンさん、ゲイなので、男性同士のわりと激しめのラブシーンがあるので、それが苦手な方はご覚悟ください。ホルストンを演じるのはユアンです。

ファッションデザイナーのお話なので、もうとにかく衣装が素敵!真っ赤なコートとかこの時代のいい生地を用いた素敵なコートで、それだけでも楽しめると思うのですが、ホルストンさんって、アーティストはきっと大体みんなこうだろうと思うんだけど、大胆で傲慢でわがままなんですよね。それでいて、非常に憶病で子供みたいになっちゃう気の弱いところもあって、そのギャップというか一人の人物の中にあるアップダウンをユアンが見事に演じてました。ゲイであるホルストンの、男っぽいのに時々女っぽいような仕草とか絶妙だし、彼のイライラした様子とか、見栄っ張りだったり、ぐっと自信を取り戻してぎりぎりで仕事さばいていく様子とかを、めちゃくちゃ魅力的に演じてて、あっという間に観てしまいました。ホルストンさんと共にトップへ駆けあがっていくスタッフさんやライザ・ミネリ役の人もみんなとっても魅力的だった。

しかし、トップに上り詰めたホルストンさんも、よくあるパターンで酒とセックスとドラッグにおぼれていってしまって、ダメになっていくのよね。コカインの量がどんどん多くなっていくところなんかちょっと怖かった。ライザ・ミネリがオーバードーズで倒れたりとか。
それでも最後に原点に返っていくホルストンさんが、アーティストってこうだからやっぱり素敵なんだよね…って思わせてくれました。

ユアンの確かな演技力が感じられるいいドラマだったな。エミー賞で主演男優賞取ったのも納得。