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キン肉マン THE LOST LEGENDのこたつむりのレビュー・感想・評価

キン肉マン THE LOST LEGEND(2021年製作のドラマ)
3.5
「愛がなければスーパーヒーローじゃない」
これは名言(正確には名歌詞)ですよね。しかも、それはヒーローに限った話だけではなく、原作付きの映画やドラマも同じ。原作に対する愛が大切なんです。

そう。愛さえあれば。
多少の改変は許されるんです。登場人物の外見が変わろうが、性別が変わろうが、それこそリンゴ好きで何故だか和名の隊長(※1)に変わろうが。愛さえあれば“赦される”んです。

勿論、一方通行ではダメ。
重要なのは原作者の想いを汲むこと。その作品で何を描きたいのか。それを理解したうえでアレンジするのなら、大概の原作者は微笑ましく見守ってくれる…はず。そんな“愛”を感じたのが本作でした。

実に見事な距離感だったと思います。
ど真ん中直球のタイトルなのに、中身はドキュメンタリー仕立てのドラマ。確実にシャレが分かる大人向けなんですよ。

これって、ある意味“ゆで理論”と同じじゃね?
と呟ける人が対象…というか、劇中のある台詞に対して「なんで夢の超人タッグ編がないんだよ」とツッコめる人が対象…というか、確実にキン肉マン世代向けなんでしょうね。

だから、人を選ぶ作品なのは事実。
でも、それが“あるべき姿”じゃないでしょうか。原作の魅力を伝えたい…という理由で、原作の旨味を薄めちゃうのは違うんです。

やっぱりねえ。
何度も書きますけど、大切なのは“愛”。
ちなみに劇中で原作者が登場したとき、モブの人たちが泣きそうな顔をしていたんですが…あれってガチのファンを集めたんですかね?それも愛のカタチですな。

ただ、あえて難を言うならば。
1話あたり30分弱でも全10話は長いと思いました。原作(※2)の魅力はテンポの良さ。『キン肉星王位争奪編』の頃に人気が陰ったのはテンポが悪かったから、だと思ってますので。

まあ、そんなわけで。
サスペンス仕立てですけど、実際はシュールなコメディ。コアなファン、もしくは眞栄田郷敦さん、もしくは玉城ティナさんのファンに向けたドラマなので、臨むときは期待値低めが吉です。

※1 名前が日本人っぽくないから変えました…って意味が分かりません。
※2 昭和の頃のキン肉マンに限る。平成以降のキン肉マンは単行本で読むから問題なし。
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