MarvelオリジナルTVドラマ。
Disney+加入の意義を見出せ、ということで『ムーンナイト』から立て続けで。
毎回思うけど、Disneyだけではないけど、最近の海外TVドラマは、これまでのそれとは明らかにクオリティが飛躍的に向上している。
6話だからということもあり、短期的にコンパクトに仕上げられることによる予算的なことかも知れないが、もはや映画観てるのと変わらない。
それに、1人1人のヒーローの誕生秘話、出生や、アイデンティティ、オリジナリティ、人間ドラマ、仲間や敵対関係、これらすべてを6話で世界観から何まで作り上げてイチからスタートを切って、本流のMCUの流れに繋がる支流にしてしまう技量、すご過ぎる。
『ムーンナイト』はエジプト。
今回の『ミズマーベル』はパキスタン。世界水準に向けて多様化に余念がない。
『ムーンナイト』の方はMCUとの繋がりは定かではないが、『ミズマーベル』はMCUの世界がベースにあって、そもそも主人公がキャプテンマーベルに憧れまくってる世界。
いわゆるかつての“アメコミヒーロー”感丸出しの筋肉マッチョや美女的なヒーローイメージには似ても似つかない超等身大のガールヒーロー。
アメコミヒーローどころか、彼女がアメコミヒーローに憧れてしまっているオタク気質すら滲み出ていて、とてもキュート。
これがどこからどう展開してガールヒーローになるのかよ、と。
パキスタンから新たな生活を求めてやってきた彼女の一家。見た目は何ら普通の移民系の一般家庭。
しかし、この一家には血筋的にとある歴史があり、その歴史と、彼女のひいおばあちゃんが残したバングルが彼女と彼女の家族の人生を変える展開。
人知れずとか、ヒーローの重責とか、宇宙の滅亡とか、圧倒的なヴィランとか、そういった今までのヒーローにありがちな設定やテーマはない。
だからとてもお手軽に楽しめるし、女性が主人公ということもありとても可愛い。
いつまでも白人の屈強な男性が、アメリカもヒーローも世界の先頭に立っている、みたいなことはもうない。
なるべくしてなったヒーロー、だけではない。
パキスタンというルーツも、ただの高校生の女の子という設定も、能力があっても圧倒さがないところとか、色んなことが今までにない風を吹かせている。
結構ただのティーンのポップな演出やドラマがあってこれはこれで新鮮。観やすい。
相変わらず少しずつ話がヴェールを脱いでいく展開、彼女のバックボーンのミステリアスな話もあってとても楽しめた。
どんどん肉付けされていくMarvelのヒーローユニバース。マルチバースに加えて、今回の彼女は“過去”との繋がりを可能にしたような。
見た目はお茶目で、ウブで、初心者丸出しのガールヒーローだが、キャプテンマーベルに憧れるだけあって、妄想に生きてるだけあって。
変に力を求めて闇堕ちしてしまうヤツよりも、よっぽど清く純粋なヒーローがここに誕生。
またまた次が楽しみになる。
6話ってのが観やすいし、わかりやすいし、で観足りないから次も楽しみになる。6話の魔法、スゴいな、MarvelオリジナルTV。
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