藤本さんが脚本ということで楽しみにしていた作品。
原作はお恥ずかしながら冒頭の有名な一節のみを知っているだけだったので、その意味でも楽しみにしていました。
すごいよかったけど、難しかったな…。純文学作品のドラマとか映画化って、雰囲気がすっごく重要だと私は思っていて、その点ではこのドラマの澄み切って冷えた空気の感じとかはすごく良かったと思う。ただ、純文学ってやっぱ文章読んでなんぼだなぁ…と思う。ストーリーよりもその言葉による巧みな表現が素晴らしいので、ドラマにすると、それを空気で表わすのに撮り方や演技など高度な技術を要するし、本から得られる情報量と映像から得られる情報量はやっぱり違うし、ドラマにすると一方向の解釈になるらざるを得ないので、そこらへんが難しいなぁと思いました。これはやっぱり、原作を読んでみなければなりませんね。
印象的だったのは、駒子を演じた奈緒さんって女優さん。とてもよかったと思う。彼女の生きることの辛さや悲しみを心の内に持ちながら、必死で生きてきた強さと、心の支えだった男性を色んな意味で失ってしまった悲しみや嫉妬を抑えようとしてもあふれてしまう、その演技に魅了されました。
