Ayumi

ある告発の解剖のAyumiのレビュー・感想・評価

ある告発の解剖(2022年製作のドラマ)
3.5

英国の議員が女性から性的暴行で訴えられ、その裁判が進むとともに過去のさまざまな事実が明らかになるというストーリー。特権階級に生まれた男性が他者の「ノー」を受け入れない、受け入れられないということをこれでもかというほど描いていて、「彼女は頭が悪いから」を思い出した。

物語の序盤で明らかになるホワイトハウス議員の不倫、そしてその相手である女性から性的暴行で訴えられる、というのが第一話。裁判では、合意があったのか?が問われるのだけれど、女性はノーと言ったと証言するのに対し、議員の回想では女性が誘ったことになっていて、性犯罪を立証することがいかに難しいことかと思わされる。この時議員は、"don't be such a prick teaser"(思わせぶりな女、というスラング)と発言したと証言されるのだけど、この一言からも相当女性蔑視が見てとれる。議員の母親からわかる通り、「学業もスポーツも努力した優秀な男性はなんでも欲しいものを手に入れることができる」という価値観で育っていて、それが他人の意思や感情を尊重しないという議員の性格に繋がっていると思った。

嫌な話ではあるのだけれど、ミシェル・ドッカリーがトラウマと闘いながら訴訟に臨む検察官役をよく演じていた。彼女がこの裁判で検察官を務めた下りは、現実的に可能なのか?という違和感があったけれど。
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