てっちゃん

大奥のてっちゃんのレビュー・感想・評価

大奥(2023年製作のドラマ)
5.0
今シーズン、もっともはまり込んだドラマ。最近のNHK単発系ドラマは「斜め上から社会問題」をぶった切るものが多かったんですが、これはまさに「美味しい素材」を見つけたなあ、と。

原作も過去ドラマ作も見ていませんが、男女逆転の「大奥」。種馬と化した男性。男だらけの騎馬戦に、忙しすぎる子づくりなどなど、ピエール・ブール原作の「猿の惑星」ごとく奇想天外かつ、シニカルな内容。軽いノリの「どうする家康」と並べてみると、どっちが大河??状態に。「これは闇に葬られたこの国のまことの姿」・・・どこまでやりたい放題なんだNHK(笑)。男女、親子、家族の在り方が問われる、今の時代だからこそ、タイムリーな作品だと思います。

■3代 徳川家光(堀田真由) × 万里小路有功(福士蒼汰)
■5代 徳川綱吉(仲里依紗) × 右衛門佐(山本耕史)
■8代 徳川吉宗(冨永愛) × 水野祐之進(中島裕翔)

いずれも秀逸なストーリーなんですが、「当代一の色狂い綱吉」のエピソードが、元禄繚乱として、もっとも愛憎まみれたドラマでした。上記主役クラスも熱演ですが、脇を固める、春日局(斉藤由貴)、桂昌院 (竜雷太)、柳沢吉保(倉科カナ)、加納久通(貫地谷しほり)の「狂気」も凄まじい・・・。(暗愚と称された徳川家重を演じる三浦透子は、上手すぎ!)

秋にはシーズン2が、最終的に大政奉還(で現実史に戻るか?)まで、どう描かれるか楽しみです。
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