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戦争と平和のkakkoのレビュー・感想・評価

戦争と平和(2016年製作のドラマ)
4.5
さすがBBCと言える丁寧な作り。ロシア貴族もロシアの民衆もフランス軍も全員英語なのが残念だが、自然の美しさ、野外ロケやペテルブルク、モスクワの館や衣装、調度の演出は見応えがある。ナターシャとアンドレイの出会いと舞踏会の場面は本当に美しかった。リリー・ジェームスのナターシャが初々しくて魅力的だけれど、スラブ系の透明感とはやはり違うアングロサクソンの美しさ。ピエール、アンドレイはいずれも素晴らしい。
人は過ち、許し、再生する。宗教、思想、哲学的な物語。
ヨーロッパの戦争はロシアまで含めてひとまとまりの領土の奪い合いであることが実感できる。

プーチンは自分に影響を与えた文学書としてこの作品を上げているそうだ。モスクワに侵攻してくるナポレオンとの戦争を描いたこの作品を、西欧を味方につけたウクライナ対ロシアと重ねて考えているから、自分が正義であると思うのだと合点が行った。ロシアはあくまでも正義で、敵は侵略者西欧だというのがプーチンの構図。
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