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杉咲花の撮休のgenarowlandsのレビュー・感想・評価

杉咲花の撮休(2023年製作のドラマ)
3.8
撮休シリーズ、杉咲花編の6話のオムニバス。急な休みができたらどう過ごすか。人気俳優のオフの顔とその魅力を松居大悟、今泉力哉、三宅唱3人の監督が最大限に引き出していておもしろかった。このオムニバスで、松居大悟監督の流れる空気をつかむ才能に掴まれました。

①松居監督、②今泉監督、③今泉監督、④松居監督、⑤⑥続きもので三宅唱監督。1話完結だけど、なんとなく前話までを受けている。

花ちゃんの演技はずば抜けているから、あえて不思議なシチュエーションに置いて即興的な演技を求めるのが、松居監督。相方は花ちゃんが俳優であることに気づいていない設定。心にちょっと引っかかったことや、なんとなく成り行きでそうなっちゃう惰性とか、大きなストーリーでは忘れられがちで表しにくい小さなトゲや気持ちの変化をちりばめていて、こういうのが観たかったんだと、会話少ない中のリアクションの演技が観られる、お芝居そのものが楽しかったです。ライブ感というのかな。

今泉監督は、みんなが知りたい花ちゃんの心の内を描いている。会話中心なので説明的。このスタイルは好みでないけど、花ちゃんがすごく可愛い。あざとかわいいくらい可愛い。

本当は、三宅唱監督目当てで観た本作。2話続けてなので、オムニバスのショートではなく、しっかり短編の映画になっていた。誠実なつくりで奥行きがあり、撮休ではない、取材の顔とは違うプライベートな花ちゃんが本当の自分は誰なのか、真剣に悩んで決断する。

どの花ちゃんもファッションもインテリアも素敵で、とにかく可愛いです。

それでも新たな役どころを与え、演技の可能性を引き出しているのは松居監督と感じました。
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