いかえもん

アメリカン・ボーン・チャイニーズ 僕らの西遊記のいかえもんのレビュー・感想・評価

4.0
エブエブのメンバーが出てるドラマということで配信を楽しみにしつつも、ディズニーだから子供っぽくて説教臭いんじゃないかなぁとちょっと心配していたのだけど、思った以上によくできていて面白くもしみじみと色々考えさせられるドラマだった。全8話。

アメリカ生まれの中国人高校生ジン・ワンくんは、学校では何とかあんまり目立たないように、「普通」の高校生として過ごしたいと願っている。だけども、アジア人であることをやっぱりネタにされることに悶々としている部分もある。そこへ現れた転校生ウェイチェンくん。実は天界の孫悟空の息子で、地上にあると言われる第4の経典を探しにやってきた。それが天界の征服を狙う牛魔王と闘う唯一の希望なのだ。その経典を見つけるためのカギとなる人物がジンくんなのだけれども…というお話。

まあこう書くと、非常に子供っぽいストーリーに感じるとは思うのだけど、実際にはアメリカで暮らすアジア系外国人のちょっと苦い思いとか悲哀を、説教臭くない描き方で描いていて、実際アメリカで暮らしたことなくても、なんかそうなんだろうなー…って思える。それは、人種差別って一括りじゃなくて、学校内ヒエラルキーにも似た感じで、今で言う陰キャが学校で上手く暮らしていくには…に似たところを感じるからかもしれない。
このジンくんの高校生活と、天界のややこしい話とがなぜかうまくミックスされてて、さらにそこにキーくんが現実に味わったであろうと想像させるアジア人俳優の話も盛り込みながら、真のヒーローとは何か?を問いかけてくる内容になっている。

アクションシーンも盛りだくさん。ま、ワイヤーアクションは多いけど、牛魔王とウェイチェンくんのファイトシーンは見ごたえあったし、ミシェル・ヨーとステファニー・スーのアクションじゃない会話の掛け合いシーンが見事で、流石のお二人に、短いシーンながらとても楽しませてもらった。

ラストはクリフハンガーで終わるので、シーズン2を楽しみに待ちたい。