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東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-のdarumaのレビュー・感想・評価

4.3
三浦貴大さん&WOWOWに惹かれて。WOWOWの1時間モノ連ドラは社会派が多いですが、これは30分枠なのにめちゃめちゃ骨太でした…ちょっと今の朝ドラ「虎に翼」を思わせる所も。主演は前期朝ドラの趣里ちゃんです。ちょうど放送時に放送してたかな?

内容はまさにタイトルまんま、女性の貧困問題について。
こういった内容の場合、出てくる男性がクズだらけで目も当てられない感じになりがちですが、ちゃんと!三浦貴大さんが凄くいい役だった…(三浦さん目当てに観た私は大満足、違←いや違わない!笑)
とは言っても、彼とその友人役の淵上泰史さん以外の男性、姿が出てこない男性は、ほんと救いようがない感じではあります…けれど、意外とまったく男性の絡まない話も結構出てきて、そこがまた良かったです。強いて言うと、母性が神格化されている感じはちょっと気になりましたが、凄くきつい感じではなかったのでまあ良しとするかな、ってところです。

実は2話までは「うわ…かなり教科書(テンプレ)的な作品。。」と思ってあまり惹かれなかったのですが、3話から俄然良くなりました!家族を切る話に引き込まれた。あと、これはネタバレになってしまうかもしれませんが、三浦貴大さんの役どころが、ある問題を抱えている人物なのですが、結論から行くと、上手く解決はしません。そこが非常によかったです。全6話で5話にそのメイン回があるのですが、てっきり6話に持ち越しなのかと思ったら、違った…最初は肩透かしを食らった感じを受けましたが、トータルで見ると、その解決しない所がリアルでめちゃめちゃよかったと思います。でも、逆に言うと、カタルシスを求めるタイプの人にはこのドラマは向いていません。

毎話、ゲスト俳優さんが貧困女子として出てきて、自身の過去を振り返ります。(その話を聞きとる取材をしているのが、趣里ちゃん演じる編集者と三浦さん演じるライターです。この二人、映画好きならわかりますよね…「もっと超越した所へ。」のお2人です!以上余談でした)
1話の田辺桃子ちゃんからもう結構よかったですが、4話の宮澤エマさんが超・超・超!白眉です。ぜひ観ていただきたい…完全に飲み込まれました。1話30分枠で実際の登場シーンは10分ちょいかなとは思いますが、息を止めて見入ってしまった。

余談ですが、最近「虎に翼」を観ていて思ったこと。あれは海外セールスを意識してるのかな…?以前「エルピス」が海外マーケットに出されていたと思うのですが(開始前にミップコム?に行っている記事を見ました)、同じような感じで売り込もうと思っているのかな?と。「虎に翼」を観ていると、洋画の「SHE SAID/シー・セッド その名を暴け」や「ウーマン・トーキング 私たちの選択」を連想します。なのでそう思ったのですが(ここまでが超長い前フリ)、本作「東京貧困女子」もその系統の作品だと思います。これは海外に出す気があるのかはわかりませんが(そういう感じに見える演出ではなかったけれど、タイトルからするとあるかもしれない)、かなり女性寄りのドラマだとは思います。でも、男女関係なく観て欲しいです。社会派好きにはおすすめ。

追記)劇伴がとてもよかった。田渕夏海さん。過去に観ていた作品は「早朝始発の殺風景」「ボクの殺意が恋をした」ドラマは憶えてるけど劇伴の記憶はあまりないかも。
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