平凡な中年サラリーマンの佐々木蔵之介が、奥さんの木村多江とともに半グレと戦う話。
娘を守るためとはいえ中年リーマンが半グレメンバーを殺してしまうというインパクトのある導入、当然ながら組織からの追及が始まるが、幾度も訪れる危機を知恵を振り絞って切り抜けていく。
一般市民ながら、筋の通った意志の強さを兼ね備た演技で佐々木蔵之介はハマり役。このようなヒーロー系ドラマだと主人公の常人離れした頭脳や身体能力ありきになっている場合が多いが、佐々木蔵之介はただの中年リーマンという設定通りで、超人的な能力は一切発揮せず、親近感のある役柄になっており好感が持てる。
そしてその親近感がベースにあるからこそ、完全に詰んだと思われる状況の中で、決して諦めずに活路を見出そうとする主人公の姿勢には勇気づけられる。
なにわ男子・高橋恭平をはじめとした、半グレ側の演技や演出は過度にドラマ的で、親玉的存在の吉田栄作などは怪演とコメディの瀬戸際だが、1話30分という軽めでスピード感のある脚本の中でそれらもしつこすぎず、全体的に楽しめるドラマ。
