takanoひねもすのたり

私のトナカイちゃんのtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

私のトナカイちゃん(2024年製作のドラマ)
3.5
ある日のパブの客・マーサの様子に同情し、ちょっと親切にしたら彼女がストーカー化、売れないスタンダップコメディアンのドニーが被るストーカー被害のあれこれと自身の抱えている問題と向き合うことになるドラマ。
 
うまく作ってるなあと思った。
前半は主にマーサに焦点が当たってるんだけど折り返しからドニー自身の問題にスライドしてゆく。この人、内省的なのは美徳ではあるんだけど……。

最初からマーサのヤバさ(虚言)が出てるのに、その日から始まる連日の彼女の行動に、比較的やんわりとした態度を取り続けるドニー。
でも彼はコメディアンという背景があり、人間観察は仕事(ネタ)でもあるから、彼女に迷惑と脅威を感じつつ生ぬるい対応で、結果的に悪手になってしまう性質のキャラクターではあるんだなあと。
また彼の身近な人達にも影響が出ているのに、それでもなかなか通報までしなかったという面からも、自己完結型が悪い方向に行っちゃってる人のように思う。

共感性が高すぎる(本人はナイーブって表現してた気がするけど)のも、こういう場合は問題だなあと思いつつ。
脅迫して支配しようとする相手に対し共感や理解はして要らんだろうに。

彼が他者からの称賛が欲しい云々は後半の回で吐露してたと思うけども、彼女が残した留守電メッセージに価値?を見出してしまっていたことに不安しか覚えない。

ラストのエピソードは含みがありそうでちょっと怖かった。